スーツスタイルに合わせることも多いローファーを、結婚式で履いてもいいのか悩む方も多いでしょう。
紐靴が苦手な方もいれば、履く機会の少ないフォーマルな靴を新調することに、躊躇する方も少なくありません。
「結婚式にローファーを履いていってもいい?」
「カジュアルな結婚式なら、ローファーでもマナー違反にならない?」
「靴についてのマナーが知りたい」
結論から言うと、結婚式ではローファーはNGとされています。
今回は、結婚式にローファーがダメな理由や基本マナーについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
カジュアルな結婚式ではOKな場合もあるので、どういった結婚式なら大丈夫かについても紹介していきますね。
結婚式にローファーは基本NG
ローファーを結婚式で履くことは、基本的にNGです。
結婚式では、新郎新婦や親族への敬意を表すために、ゲストの服装もフォーマルが求められます。
靴も男性は紐のある革靴、女性はヒールのあるパンプスがフォーマルとされ、ローファーはカジュアルな印象があるためです。
結婚式のドレスコードは準礼装~略礼装が多い
フォーマルな服装は正礼装が一番格が高く、準礼装、略礼装と続きます。
結婚式では、ゲストは新郎新婦や親族より格を落とした服装をするのがマナーです。
親族は格の高い正礼装や準礼装が多いため、ゲストは準礼装や略礼装が基本だと思っておくとよいでしょう。
男性 | 女性 | |
正礼装 | モーニングコート、燕尾服 | 黒留袖、ロングドレス |
準礼装 | ディレクターズスーツ、タキシード | ワンピースドレス |
略礼装 | ブラックスーツ、ダークスーツ | ワンピース、アンサンブル |
ローファーの立ち位置とは
ローファーとは、靴紐がなく脱ぎ履きしやすい革靴のことで、次のような種類があります。
- コインローファー
甲に特徴的な切れ込みが入ったローファーの定番 - タッセルローファー
甲にタッセルがあしらわれたもの - ヴァンプローファー
甲に装飾がないシンプルなデザイン - ビットローファー
甲に馬具を模した金具の飾りがついているもの
もともとは英国王室や貴族の室内履きで、履きやすさやデザイン性からカジュアルに使える靴として広まりました。
そのため、フォーマルな服装とは格が合わず、結婚式ではNGとされているのです。
男性のお呼ばれ基本マナー
次に、男性のお呼ばれ靴の基本的なマナーを解説します。
靴選びに迷った時の参考にしてください。
靴紐のある革靴で黒がマナー
男性ゲストのお呼ばれ靴は、靴紐のある革靴を選びましょう。
材質は本革だけでなく、合皮や人工皮革でもかまいません。
男性の服装は地味になりがちなので、光沢のあるエナメルも華やかに見えていいですよ。
また、ブラックスーツやダークスーツに合わせるため、色は黒が基本です。
ただし、カジュアルな結婚式であれば、茶色でもOKな場合もあります。
つま先はストレートチップかプレーントゥ
靴のつま先のデザインは、ストレートチップもしくはプレーントゥを選びましょう。
男性の靴紐のある革靴は、つま先のデザインでも格が異なります。
一番フォーマル度が高いのがストレートチップで、甲に横一文字の切り替えが入ったデザインです。
ストレートチップよりは格が落ちますが、つま先に何も装飾がないプレーントゥもフォーマルに適したデザインになります。
ただし、つま先に翼のような切り替えや穴飾りがあるウィングチップは、フォーマルシーンには避けた方が無難です。
内羽根式を選ぶ
お呼ばれ靴を選ぶ時は、紐を結ぶ部分が内羽根式かどうかもチェックしましょう。
紐を通す部分を羽根と呼び、甲の内側に羽根が入り込み、紐を外しても全開しないデザインを内羽根式と言います。
一方で、外羽根式は甲の上に重なるように羽根があり、紐を外すと全開するデザインのことです。
外羽根は脱ぎ履きしやすいのがメリットですが、カジュアルに見えてしまうためフォーマルには内羽根式が相応しいとされています。
女性のお呼ばれ基本マナー
続いて、女性のお呼ばれ靴の基本的なマナーも見ていきましょう。
つま先が隠れるパンプス
女性のお呼ばれ靴は、つま先が隠れるパンプスがマナーです。
つま先が見えるオープントゥは、「妻が先立つ」という意味になり、縁起が悪いとされています。
また、サンダルやミュールもカジュアルすぎるので、結婚式にはNGです。
生地は、サテンなどの光沢のある布製やエナメルが華やかでよいでしょう。
最近では本革やスエードもOKになってきているので、冬はスエードの靴を選ぶのも季節感があっておすすめです。
ヒールの高さや太さ
ヒールは細めで3cm以上あると、エレガントに見えてフォーマルな服装に似合います。
太いヒールやウッドヒール、つま先からかかとまでが繋がったウェッジソールは、カジュアルに見えてしまうのでNGです。
ただし、ヒールが苦手だったり足が疲れやすかったりする方は、無理にヒールのある靴を選ぶ必要はありません。
ローヒールやヒールのないペタンコ靴も、華やかなデザインを選べばおしゃれですよ。
ドレスに合った色を選ぶ
靴の色は特に決まっていないので、ドレスに合った色を選べば大丈夫です。
ベージュ系は、使い回ししやすいため人気があります。
ドレスが落ち着いた色の場合は、シルバーやゴールドのメタリックで華やかさを添えるのもよいでしょう。
ドレスに合っていれば、黒やネイビーなどのダークカラーでもかまいません。
また、白いドレスは花嫁の色なのでNGですが、靴の場合は白を履いてもいいとされています。
ローファーでもOKな結婚式とは
ローファーはフォーマルな結婚式にはNGだと、最初にお伝えしました。
しかし、結婚式場の雰囲気や結婚式のスタイルがカジュアルな傾向にある場合は、ローファーでもOKなケースもあります。
カジュアルな結婚式場の場合
結婚式場は、場所によって雰囲気やスタイルがさまざま。
堅苦しさがなく開放的で、アットホームな雰囲気の会場であれば、結婚式自体もカジュアルなテイストになることが多いでしょう。
特に、屋外も使える式場はリラックスして過ごせるため、格式ばらない雰囲気になりやすいです。
- レストランウエディング
- ガーデンウエディング
- ゲストハウスウエディング
1.レストランウエディング
レストランウエディングは、ゲストと近い距離で楽しめるのが魅力。
貸切にできるところが多いため、プライベート空間でアットホームな結婚式ができます。
持ち込みの制限が少なく、自分たちらしい演出ができるなど、自由度が高いのも特徴です。
派手な結婚式よりも、食事やゲストとの歓談を大切にしたい新郎新婦に人気があります。
2.ガーデンウエディング
ガーデンウエディングは、屋内では味わえない開放感や、自然に囲まれた清々しさの中でセレモニーを行えるのが魅力です。
澄んだ空や青々とした緑、美しく咲く花たちも、ふたりを祝福してくれているように感じられるでしょう。
堅苦しさが一切なく、リラックスした雰囲気の中で結婚式を挙げたいふたりにぴったりです。
3.ゲストハウスウエディング
ゲストハウスウエディングは、一軒家貸切スタイルでアットホームな雰囲気がありつつ、かしこまった結婚式もできるのが魅力。
特に、屋外と屋内を自由に行き来できる会場では、開放感を満喫しながら非日常的な空間を楽しめます。
プライベート空間でリラックスした時間を過ごしたいけれど、しっかりしたおもてなしもしたいというカップルが多いです。
カジュアルなウエディングパーティーの場合
かしこまった披露宴ではなく、カジュアルなウエディングパーティーでは、ドレスコードがゆるいケースもあります。
結婚式の内容によっては、ばっちりフォーマルで決めていくと、浮いてしまう可能性もあるでしょう。
くだけた雰囲気の結婚式なら、ローファーがOKなケースもあります。
- 二次会や1.5次会
- 平服でお越しくださいと言われた
- 友人中心のウエディングパーティー
1.二次会や1.5次会
二次会や1.5次会は、一般的な披露宴よりカジュアルな雰囲気になりやすいです。
特に、会費制ビュッフェスタイルのパーティは、新郎新婦もゲストも自由に動きながらくつろいで過ごすことが多いでしょう。
招待状が紙ではなくWebだったり、メールやLINEなどでの連絡だったりする場合も、カジュアルなパーティが想定されます。
2.平服でお越しくださいと言われた
カジュアルなウエディングパーティーでは、招待状に「平服でお越しください」と書かれているケースも少なくありません。
この場合の平服は、普段着ではなくかしこまりすぎないきれいめな服装のこと。
結婚式場の格式にもよりますが、男性はダークスーツやジャケットスタイル、女性はワンピースやアンサンブルなどになります。
3.友人中心のウエディングパーティー
目上の人が多いと、かしこまった雰囲気になりやすいです。
しかし、友人中心のウエディングパーティーならくだけた雰囲気になるため、カジュアル寄りの服装でもおかしくありません。
ただし、カジュアル過ぎると周りから浮いてしまうかもしれないので、新郎新婦や他のゲストと相談して決めてもよいでしょう。
制服で出席する場合はローファーのコーディネートOK
学生の場合は制服が正装です。
そのため学校からローファーが制服に指定されている場合はそのまま出席してOK。
また、革靴なのでそこそこフォーマル感があり、式典に履くこともあるため、結婚式の雰囲気にも合います。
ただし、学生でも制服以外で出席する場合は、服装に合ったフォーマルな靴を選びましょう。
まとめ:ローファーを履いていい結婚式かどうかはよく見極めよう
結婚式では、ローファーはカジュアル過ぎるのでNGとされています。
男性なら黒の靴紐のついた革靴、女性ならつま先が隠れたヒールのあるパンプスを履くのがマナーです。
ただし、結婚式場がカジュアルだったり、くだけた雰囲気のパーティーだったりする時は、ローファーでもOKな場合もあります。
靴を選ぶ時は結婚式のドレスコードをよく考えて、ローファーでもいいかどうか見極めて決めましょう。