花嫁の手紙の朗読は、会場全体が花嫁と家族の絆に触れ感動に包まれるシーン。
しかし、「手紙は絶対読まないといけないの?」と、ためらいがある方もいるでしょう。
筆者が担当した結婚式でも「緊張で声が震えるかも」「泣いて最後まで読めないかも」と、不安に思う方が少なくありませんでした。
結論から言うと、花嫁の手紙は絶対読まなければいけないわけではありません。
読まずに渡したり、ほかの演出で感謝を伝えたりすることも可能です。
今回は、花嫁の手紙の演出について、読まないときの方法や代わりの演出も含めて解説していきます。
できれば避けたいという方だけでなく、読むか迷っているという方も、ぜひ参考にしてください。
花嫁の手紙とは
「花嫁の手紙」とは、両親や家族への感謝の気持ちや、これからの決意を新婦が綴った手紙のこと。
披露宴のクライマックスに行う演出のひとつで、新郎に寄り添って立つ新婦が両親や家族に向けて手紙を朗読します。
「花嫁の手紙」が定番になったのは、新婦が家族から離れて婚家に嫁ぐという考えからきているのでしょう。
新婦と家族との絆や思いに触れ、目を潤ませるゲストも少なくない心あたたまる演出です。
花嫁の手紙を読まないのはあり?
花嫁の手紙は定番の演出なので、結婚式のタイムテーブルを決めるときに最初から組み込んでいる式場も少なくありません。
では、花嫁の手紙は絶対読まなくてはいけないのでしょうか。
花嫁の手紙は読まなくてもOK
花嫁の手紙を朗読することに抵抗を感じる方は、読まなくてもなんの問題もありません。
「読まないとゲストもがっかりする」「結婚式が物足りなく感じる」という方もいますが、あくまで演出のひとつ。
もちろん手紙を朗読する新婦が多いですが、読まない選択をする方も少なからずいます。
定番だからと無理にやるよりも、ふたりが納得いく形にした方が「やってよかった」と思える結婚式になりますよ。
花嫁の手紙を読まない理由
花嫁の手紙を読まない理由は、人によってさまざまです。
- 緊張しやすい
- 人前で話すことが苦手
- すぐ泣いてしまう
- 両親に読まないでと言われた
- 家族仲がそれほどよくない
きちんと読めるか分からないと不安に感じる方だけでなく、家族間の問題で読まない方がよいと判断する方もいます。
定番の演出なのでプランナーは当然のようにすすめてくるかもしれませんが、理由を説明すれば相談に乗ってくれますよ。
花嫁の手紙を読まないときの注意点
花嫁の手紙を読まないときは演出をまるっと削るのではなく、やり方を変えたり他の演出でカバーしたりするのがおすすめです。
結婚式は新郎新婦の新たな門出を祝うだけでなく、大切な人たちに感謝とこれからもよろしくと伝える場。
両親への感謝を述べる演出は家族の絆を強めるだけでなく、ゲストにもふたりや家族の幸せを願う気持ちを抱かせてくれます。
結婚式の終盤の演出は余韻に残りやすいので、心温まる結婚式だったと思ってもらえるでしょう。
手紙を読まずに済む方法
手紙は書きたいけれど読むのは避けたいという方も、少なくありません。
ここでは、書いた手紙を読まずに感謝を伝える方法を紹介します。
司会者に代読してもらう
「うまく読めるか心配」「途中で泣いてしまうかも」という方は、司会者に代読してもらうのがおすすめです。
司会者は言葉のプロなので、新婦が綴った思いに感情を乗せて上手に伝えてくれるでしょう。
抑揚のある語り口調に誰もが聞き入り、感動に満たされるはず。
司会者ではなく、幼いころから仲良しの従姉妹や両親もよく知っている親友など、気心の知れた方に代読してもらうのもありです。
ビデオレターにする
ビデオレターにして、手紙を映像で流すのもよいでしょう。
プロフィールムービーのように幼いころからの写真を使えば、家族の思い出が詰まったビデオレターになります。
手紙を映像で映すだけでなく、重ねて司会者に代読してもらうのもありです。
文字を追うよりも耳に言葉がすっと入ってくるので、より感動の気持ちが高まるでしょう。
また、ビデオレターの入ったDVDを、記念品と一緒に両親へ手渡すのもおすすめです。
読み上げ原稿を別で用意する
本音をゲストの前で伝えづらければ、渡す手紙と別に読み上げ原稿を用意してもかまいません。
花嫁の手紙は、3~5分で読めるように便箋2、3枚に収めるのが目安ですが、つい長くなってしまったという方もいます。
ぶっちゃけた内容すぎて、ゲストの前で話すのが恥ずかしいという方も少なくありません。
「結婚式では恥ずかしくて言えなかったけど」と、本音を綴った手紙は家でじっくり読んでもらってもいいですよ。
▼原稿の例文
読み上げ原稿を用意するときも、感謝の気持ちはしっかり伝えましょう。
例文を紹介するので、参考にしてみてください。
今まで導いてくれたお父さんとお母さんには、本当に感謝しています。
伝えたい思いはいっぱいあるけれど、長くなってしまうので手紙に書きました。
後で渡すので、家でゆっくり読んでくれたら嬉しいです。
そして、これからは〇〇さんと温かい家庭を築いていきます。
どうぞ見守っていてください。
歌にして伝える
手紙を読むのではなく、歌にして伝えるのも一つの方法です。
すでにある歌の一部の歌詞を変えて、感謝の気持ちや結婚への決意を伝えてもいいでしょう。
音楽が得意な方は、オリジナルの歌を作って贈るのも素敵です。
歌が自分の得意分野なら、自信を持って感謝の気持ちを表現できるはず。
ひとりで弾き語りをしてもいいですが、新郎の演奏に乗せて歌えば仲の良さも伺えて、さらに盛り上がるでしょう。
手紙を短くまとめる
花嫁の手紙は演出として3~5分を目安としていますが、短くてもかまいません。
手紙を読みたいけれど「途中で泣いてしまいそう」「噛みまくりそう」と心配な方は、手紙を短くすれば失敗しにくいでしょう。
短いと思われるのではと周りの反応が気になる場合は、「泣いてしまいそうなので、短くまとめました」と一言添えれば大丈夫です。
長さや時間よりも、感謝を伝えたいという気持ちを大事にしましょう。
花嫁の手紙を読まないときに代わりになる演出
最後に、花嫁の手紙を読まないときの代わりとして、おすすめの演出を紹介します。
感謝の気持ちがしっかり伝わる演出であれば、花嫁の手紙がなくてもそれほど気にされないでしょう。
記念品のみ渡す
結婚式のクライマックスは、花嫁の手紙、記念品贈呈、両家代表謝辞、新郎謝辞の流れが一般的です。
しかし、花嫁の手紙をなしにして記念品贈呈だけにしても、十分感謝の気持ちは伝わりますし周りも感じ取れます。
記念品を渡すときには、司会者から両親への感謝の言葉をアナウンスしてもらうとよいでしょう。
産まれたときの体重で作ったウェイトドールなど、感謝の気持ちや家族の絆が伝わりやすい記念品を選ぶのもポイントです。
子育て卒業式を行う
家族のイベントとして、子育て卒業式を行うのもよいでしょう。
花嫁の手紙では新婦が注目されますが、子育て卒業式は家族全体がクローズアップされる演出です。
新郎新婦が感謝状を贈ることで、両親は子育ての達成感と子どもからの感謝を受け取ることができます。
感謝の気持ちが刻印された家族写真の入ったフォトフレームや、一枚板を分けて作った三連時計などの記念品贈呈もおすすめです。
楽器を演奏する
感謝の気持ちは、奏でる楽器の音色に込めることもできます。
子どもの頃からの習い事であれば、両親がサポートし続けてくれたことの集大成としてのお披露目にもなるでしょう。
兄弟やいとこに楽器ができる方がいれば、別々の楽器での合奏やピアノの連弾も盛り上がります。
楽器を演奏しながら、家族の思い出の写真をスライドショーで上映するのもおすすめです。
ゲストへ向けて感謝の言葉を述べる
両親へ向けた手紙ではなく、ゲストへ向けた感謝の言葉を述べる場にしてもかまいません。
家族も含めた出席者全員への感謝を伝える演出にすれば、家族だけにフォーカスしたくない方も受け入れやすいはず。
ひとりひとりに伝えると時間がかかってしまうので、「家族」「職場」などのグループごとに分けるとよいでしょう。
新郎新婦それぞれが呼びかける形にすれば、新婦ひとりではなくふたりからの演出になりますよ。
まとめ:自分に合った方法で感謝を伝えよう
花嫁の手紙は結婚式のクライマックスで、会場全体が感動に包まれる定番の演出ですが、読まない選択肢もありです。
手紙を読むのを躊躇する理由は人それぞれですが、気分が乗らない演出で結婚式が楽しめなかったら残念ですよね。
手紙の朗読以外にも、両親への感謝やふたりの思いを伝える方法はいろいろあります。
今回は花嫁の手紙を読むことの是非だけでなく、読まずに感謝を伝える方法や代わりの演出も紹介してきました。
ぜひ自分らしい演出方法を取り入れて、思いの伝わる結婚式にしましょう。