パーティーの司会進行はプロに頼むのが一般的ですが、稀に友人に任せる新郎新婦もいらっしゃいます。
司会がパーティー進行の要ですから、もし任されたら責任重大です。
司会進行は単に流れを追うだけでなく、会場全体を盛り上げ、ゲストに特別なひとときを提供する役割を担います。
しかし、結婚式の披露宴や2次会の司会経験はなかなか得られるものではなく、不安は尽きないでしょう。
「具体的にどうやって進行するの?」
「どんな台本を用意すれば良い?」
「盛り上げのコツが知りたい」
本記事では、結婚式の披露宴を円滑に進行するためのコツを分かりやすく解説しつつ、具体的な台本をご紹介します。
盛り上げのコツも一緒に紹介しているので、初めて司会を務める方でも安心して役割を全うできるでしょう。
本記事の台本を参考に盛り上がる時間を作り上げてみてください。
披露宴を盛り上げる司会進行のコツ
披露宴における司会の役割は、単にプログラムを進行するだけにとどまりません。
新郎新婦の一生に一度の時間を時間を盛り立て、時間通りにお開きにもっていく重要なポジションです。
その場にいる全員が温かい気持ちになれるような進め方が求められます。
司会者は台本を棒読みするだけでは務まりませんので、以下のポイントも意識してみてください。
時間配分に注意して進める
司会者はプログラムをスムーズに進めるだけでなく、タイムキーパーとしての役割も担います。
各パートの所要時間を把握しながら進行することで、余裕を持った進行になるでしょう。
各プログラムにかかる時間を常に意識し、全体の流れを見失わないことが大切です。
1つのプログラムに時間がかかり過ぎると、後半の進行に影響が出ます。
大きくジェスチャーする
披露宴を盛り上げるには、司会者のジェスチャーやアクションが非常に重要です。
大きな身振り手振りで感情を表現することで、遠くのゲストにも司会者の意図がしっかり伝わります。
例えば、新郎新婦の登場時には大きく手を広げて指し示す、拍手を促す際には自ら積極的に手を叩くなど、ダイナミックな動きを心がけると良いでしょう。
披露宴にはケーキバイトや余興といった盛り上がりの場面が多数あります。
こうしたシーンでは、率先して表情や仕草で場を盛り上げ、ゲストの参加を促すことが大切です。
ジェスチャーを織り交ぜながらアクションを起こすことで、披露宴全体に一体感と温かみが生まれ、忘れられないひと時を演出できるでしょう。
司会者自身が楽しむ姿勢を見せることもポイントです。
ゆっくりはっきり話す
司会者として最も重要なのは「聞き取りやすさ」です。
ゲスト全員があなたの言葉を聞き取れなければ、司会としての役割を果たせなくなります。
特に、披露宴は幅広い年代の方が集まるため、明瞭でゆっくりとした口調を心掛けましょう。
早口にならず、言葉を一つ一つ丁寧に発音することで、ゲストに安心感を与えられます。
司会の言葉が披露宴全体の流れを支える重要な役割を担うため、ゆっくりとした口調を忘れないようにしましょう。
事前に練習する
本番の結婚式や披露宴をスムーズに進行するためには、事前の入念な練習がとても重要です。
新郎新婦は、人生最大のイベントである結婚式に向けて、多くの準備を重ねています。
そのため、司会者も事前に台本を繰り返し声に出して読むことで本番に自信を持つことができます。
司会が余裕を持って進行することで、緊張感でいっぱいの2人も安心するでしょう。
リハーサルを重ねることで自身の声量や話すテンポ、間の取り方を把握でき、落ち着いた進行が可能になります。
こうした準備は新郎新婦だけでなく、招待されたゲストにも好印象です。
台本の例文と司会進行のコツ
オーソドックスな披露宴の流れにそって司会台本と進行のコツを紹介していきます。
台本はあくまで参考に、盛り上がる言葉で進行していきましょう。
1.受付中
受付が開始されると、ゲストが続々と集まり始めます。
ゲストを温かく迎え入れ、リラックスした雰囲気を作りましょう。
また、会場装飾やテーブルセッティングについて軽く触れるなど、話題性を持たせることで、ゲスト同士の会話も盛り上がるでしょう。
ゲスト参加型の演出などがある場合はそれらの誘導も行います。
▼進行のコツ
ゲストが会場に入るタイミングは一定ではないので、大事なアナウンスは繰り返しましょう。
1回アナウンスしただけでは、ゲストは聞いていません。
内容にもよりますが、3回くらいアナウンスすればほとんどのゲストが把握している状況にできます。
2.新郎新婦入場
新郎新婦の入場シーンは、式全体の中でも特に注目が集まる重要な瞬間。
しっかりと進行したいところです。
▼進行のコツ
入場シーンが感動的なものになるかどうかは、運営側の演出や司会進行の細やかな工夫にかかっています。
入場前に新郎新婦を迎える特別感を盛り上げていきましょう。
「お待ちかね」といった言葉を使ったり、大きな声で注目を集めてください。
拍手を率先して行うのもポイントです。
3.ウェルカムスピーチ
ウェルカムスピーチは、披露宴全体の雰囲気作りにも影響する重要な瞬間です。
新郎のスピーチへ移る際は、言葉の流れやトーンを整え、自然に進めることが意識しましょう。
▼進行のコツ
新郎挨拶中は、柔らかい表情で見守り、アイコンタクトを取ると良いでしょう。
新郎が緊張しすぎないよう、会場の空気感を和ませるような口調を意識するとなお良いです。
拍手のタイミングも率先して司会者が作りだしてください。
4.祝辞
祝辞は新郎新婦の大切なゲストが務めますので、間違いのないように注意してください。
▼進行のコツ
事前にスピーチをお願いした方の肩書きや名前を正確に把握することが大切です。
あとは落ち着いて間を掴めば問題はないでしょう。
5.乾杯の挨拶
乾杯の挨拶はタイミングが重要です。
会場のキャプテンとしっかり連携を取りましょう。
▼進行のコツ
乾杯の挨拶に移る前に、ゲスト全員のグラスがきちんと用意されていることを確認してください。
また、乾杯をお願いする方については、会社名や肩書、名前を正確にアナウンスします。
歓談時間の始まりでもあるので、しっかりと進行していきましょう。
6.歓談
歓談中は基本的にアナウンスすることはありません。
次の進行プログラムまでしばし休憩です。
プロフィール紹介などを挟んでもよいですが、友人としても参列しているのであれば、食事を楽しんだり新郎新婦との歓談を楽しみましょう。
一般のゲストと比べて時間がないので、ゆっくりできるのは今の内です。
7.中座
ほとんどの披露宴でお色直しがあります。
お色直しの中座方法はいろいろありますが、新婦→新郎の順で退出することが多いです。
エスコート役の指名方法もさまざまですが、呼び出して前に来てもらうという流れは変わりません。
新郎のときも同じようにアナウンスしましょう。
▼進行のコツ
入場と同じくゲストの注目を集めて行う演出です。
盛り上がるようにジェスチャー、声の大きさに気を付けましょう。
披露宴も中盤に差し掛かり疲れが見えてくるころですが、初めの勢いのまま進行を続けてください。
8.お色直し再入場
再入場は入場と同じくらい盛り上げていきます。
ゲストの注目を新郎新婦にしっかりと集めることが大切。
披露宴も和やかに進んでいる頃ですので、多少砕けても大丈夫です。
再入場後はフォトラウンドや歓談時間となり、その後は締めくくりに入っていきます。
▼進行のコツ
照明やBGMとのタイミングが重要ですので、会場スタッフと連携して進行してください。
再入場は披露宴の中でゲストが最も注目するシーンの一つです。
新郎新婦の特別感を引き立てるよう、司会進行や演出で温かく迎えるシーンにしましょう。
9.花嫁の手紙
花嫁の手紙は、新郎新婦がこれまでお世話になった家族へ感謝を伝える、披露宴の中でも感動的なセレモニーの一つです。
ゲストの感動を引き出せるような落ち着いたトーンで進行しましょう。
▼進行のコツ
花嫁の手紙は何よりも雰囲気作りが大切。
始まる前に会場を静かで落ち着いた空気にすることが大事です。
司会者が穏やかな口調で進行し、ゲストが集中して聞ける雰囲気を作りましょう。
また、感極まった花嫁が手紙の読み上げを続行できなくなったときのフォローも欠かせません。
10.記念品贈呈
記念品贈呈は、花嫁の手紙に続いて行われる心温まるシーン。
感動的なシーンにするために落ち着いて進行してください。
▼進行のコツ
記念品贈呈は花嫁の手紙に続く感動のシーンですので、ゲストの感動を引き出すことを意識しましょう。
司会者の語り口や表現は、会場の雰囲気を左右します。
新郎新婦や両親の気持ちに寄り添い 間合いを計りながら進行しましょう。
11.謝辞
披露宴の締めくくりとして重要な謝辞は、ゲストに感謝の気持ちを伝えるための心温まるひとときとなります。
厳かに進行しましょう。
▼進行のコツ
会場全体を落ち着かせ、新郎が気持ちを伝えやすい環境を整えることがポイントです。
声のトーンや間のとり方に気を配り、謝辞が終わった後には拍手を促しましょう。
12.新郎新婦退場
新郎新婦が退場する際には、会場全体がもう一度盛り上がるように心がけましょう。
感動のシーンとは打って変わって華やかに送り出すことを意識してください。
▼進行のコツ
新郎新婦の退場を「新たな人生の第一歩」として位置づけることで、披露宴の締めくくりのシーンに感動と祝福のムードを作り出します。
声のトーンは温かく明るく保ち、場をしっかりとまとめることが大切。
感動ムードからは切り替えて、いかに盛り上げることができるかが司会者の腕の見せ所です。
13.送賓
送賓の時間は新郎新婦に代わり、ゲストへの感謝が伝わる進行を意識しましょう。
また、お開きが長引かないようにスムーズにゲストを動かすことも大切です。
▼進行のコツ
丁寧で落ち着いたトーンを心掛け、ゲストが全員退出するまで繰り返しアナウンスしましょう。
スムーズにゲストを退出させないと新郎新婦を待たせてしまいます。
また、エンドロールが上映される場合はスクリーンに注目するように誘導してください。
演出や余興がある場合の台本例
披露宴は新郎新婦の数だけ進行プログラムがありますので、台本はその二人のために作成しましょう。
進行表に組み込まれることが多い演出や余興の台本を紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
ケーキ入刀&ファーストバイト
ケーキ入刀&ファーストバイトは、披露宴では定番の演出です。
「続いて、新婦様から新郎様へ。掬うケーキの大きさは愛の大きさ、ということで大きく取っちゃいましょう!新婦様、どうぞお願いします!」
▼進行のコツ
ゲストにも参加感を持たせ、楽しんでもらう工夫をしましょう。
ゲストと一緒にあ~んと言ったり、写真撮影を促すことで、新郎新婦だけでなくゲスト全員が楽しめるセレモニーとなります。
また、ファーストバイトでは新郎用にビッグスプーンを用意することも。
演出アイテムについては大げさなくらいに紹介して盛り上げてください。
フォトラウンド
フォトラウンドは、再入場の際に新郎新婦が各テーブルを回りながら挨拶を行い、ゲストと記念写真を撮影する演出です。
キャンドルサービスの代わりに取り入れる新郎新婦が多くなっています。
▼進行のコツ
フォトラウンドでは何をするのかがゲストに伝わるように意識しましょう。
新郎新婦がテーブルに伺った際に、なるべく全員が揃っているように気を配れるとなおよいです。
友人代表スピーチ
余興として人気なのが友人代表のスピーチ。
組み込まれている場合は台本にもしっかり反映しましょう。
▼進行のコツ
スピーチが終わるたびに拍手とお礼の言葉を添えることで場を盛り上げ、自然な流れを作ることができます。
司会者が率先して場を盛り立て、全員が一体となるような進行を心がけましょう。
余興
余興の内容は主催者ごとに千差万別ですので、予め内容を教えてもらってください。
ここでは、新婦友人によるダンス披露がある場合の台本例を紹介します。
▼進行のコツ
余興の内容によっては司会者のアナウンスを求められることもあります。
余興が入ることになったら必ずリーダーと打ち合わせしてください。
また、余興中は司会者の表情やリアクションが大変重要なポイント。
ゲストが白けていても、司会者だけは場を持ち直せるように奮闘してください。
祝電の披露
祝電が届いていた場合は披露することが一般的です。
花嫁の手紙の前などに行うことが多くなっています。
▼進行のコツ
祝電は感情を込めて読み上げることで、祝電に込められた想いをしっかりと届けることができます。
また、名前などの間違いがあってはいけないので、必ず事前に内容を確認し新郎新婦にも読み上げの確認を取りましょう。
まとめ:盛り上がる司会進行にしよう
披露宴の司会進行は、結婚式を盛り上げるうえで欠かせない重要な役割を担っています。
新郎新婦にとって一生に一度の特別な日を成功させるには、台本の作成をしっかりと行い、当日の流れを明確にしておくことが大切です。
単に進行するだけではなく、ゲスト全員が楽しめる雰囲気作りや柔軟な対応力を駆使して、特別な時間を演出することが求められます。
新郎新婦の想いを引き出しながら、ゲストが笑顔でいられる空間を作っていきましょう。
この記事では、台本の例文や進行のポイントをご紹介しました。
ぜひ参考にし、素敵な結婚式ができるよう頑張ってください。