結婚は人生における大きな決断で、夢と期待に満ちていますが、同時に不安や疑問も伴うでしょう。
結婚はパートナーと支え合い、人生をより豊かにするメリットがたくさんあります。
しかし結婚に対する価値観が多様化したり、ネガティブな情報が共有されたりして、結婚を躊躇してしまう方もいるかもしれません。
「結婚するメリットは?」
「結婚すると自由がなくなる?」
「結婚生活を順調に進めるコツは?」
本記事では結婚のメリット・デメリットを、多くの夫婦の誕生をサポートしてきた元ウエディングプランナーが解説。
また10年以上円満な夫婦生活を送っている筆者が、結婚生活をより良くするコツを紹介します。
入籍によって経済的に優遇される制度の説明もしていますので、少しでも不安がなくなると良いですね。
結婚に迷っている方が、安心して一歩を踏み出せるきっかけになれば幸いです。
結婚をするメリット
結婚には、人生における幸福感や安定感の向上などさまざまなメリットがあります。
結婚するとどんな良い面があるか、具体的に5つご紹介しますのでご覧ください。
家族を持つ安心感
結婚はパートナーと支え合い、心のよりどころを持つこと。
結婚すると家族という信頼のおける味方ができる安心感や、家族のために頑張れるという励みにもなるでしょう。
内閣府の調査によれば、既婚者は未婚者に比べて主観的幸福度が高い傾向が示されています。
また明治安田生命の調査では、「家族との関係」が幸福感に大きく影響しているとのこと。
結婚して家族を持つ安心感が、幸せだなぁと感じられる一因であると言えます。
・配偶状態・結婚、子供の有無・子供の誕生が主観的幸福度に与える影響について―生活の質に関する調査結果から―
・2018年 人生100年時代の結婚に関する意識と実態 | 調査研究・レポート | 明治安田総合研究所
社会的信用や安定
結婚は、社会的な信用度も高めてくれるでしょう。
たとえば、金融機関では結婚している人は安定した生活を送っていると見なされ、住宅ローンの審査が通りやすいと言われています。
配偶者がいることで責任感も増し、社会的にも信用できる人だというイメージがつきやすいのかもしれません。
経済的な安定
結婚すると家賃や光熱費など生活費を分担したり、夫婦で働いて世帯収入が上がったりするなど、経済的なメリットもあります。
二人で家計を支え合えるため、どちらかが働けない場合でも経済的な安定を築くことができるでしょう。
入籍後には、税制上の優遇や手当を受けられる場合もあります。
結婚すると優遇されるお金の話は後ほど詳しくご紹介しますので、参考にしてくださいね。
長期的な健康管理や支え合い
既婚者は未婚者に比べて、死亡リスクが低いという研究結果も。
夫婦がお互いに健康を気遣うことが、生活習慣の改善につながるためです。
たとえば、食生活の見直しや定期的な健康診断の実施など、お互いに声を掛け合うことで健康を維持しやすい環境になるでしょう。
体調不良時にはサポートし合うことができ、精神的な安定も得られます。
パートナーがいることは、健康を維持しながら人生を共に歩んでいく上で大きな安心材料といえるでしょう。
老後のパートナー
老後生活においては、1人きりにならずにパートナーがいることは特に重要でしょう。
明治安田総合研究所の調査では、6〜7割の人が結婚相手に老後を過ごすパートナーの役割を求めているという結果が出ています。
年老いてくると1人で生活するのは難しい状況もありますが、夫婦であれば助け合って問題を解決することができるかもしれません。
医療や介護など老後に直面する問題を、パートナーと一緒に支え合って解決したいと考えている方が多いと言えるでしょう。
結婚をするデメリット
一方で、結婚にはデメリットも存在します。
ここからは、結婚をした際に注意すべきポイントを3つご紹介しますので、参考にしてくださいね。
自由時間の減少
結婚すると家族との時間を優先する必要が生じ、自分の趣味や自由に使える時間が減るかもしれません。
たとえば、週末に一人で過ごしていた時間が家族のイベントや家事にあてられることが増えます。
家族とのスケジュール調整や相互の理解によって、上手くバランスを取っていくことがストレスを貯めないポイント。
結婚生活においても、適度な「一人時間」を確保する工夫も大切です。
購買活動の不自由化
独身時代と比べ、大きな買い物や支出に関して夫婦で相談が必要になります。
たとえば、「新しい車を買いたい」「ブランド物のバッグが欲しい」などの場合、家族の予算や価値観を調整しなくてはいけません。
個人の判断で買い物できた独身の時に比べると煩わしく感じる反面、衝動買いを減らせるというメリットもあります。
お金の使い方に関する価値観の違いが原因で意見がぶつかることも多いので、夫婦での話し合いが大切。
責任や親戚との付き合い増加
結婚してパートナーや子どもに対する責任が増え、「家族を守るために働く」というプレッシャーを感じる方も多いでしょう。
また結婚はパートナーだけでなく義両親などとも家族関係を築き、親戚付き合いや冠婚葬祭などのイベントが増えることも。
親戚付き合いを苦手と感じる方は、時間的・精神的な負担を感じる場合もあります。
親戚との距離感は家庭によって違う場合もあるので、お互いの親戚付き合いの仕方についても話し合いましょう。
入籍にまつわるお金の制度について
つづいては結婚して夫婦になると利用できる制度についても、ご紹介します。
税金や会社ごとの制度をうまく活用することで、結婚生活の経済的負担を軽減することができるでしょう。
税金においては配偶者控除や配偶者特別控除があり、条件を満たすと所得税や住民税が軽減されます。
健康保険や年金の扶養制度により、被扶養者の保険料負担がなくなるメリットも。
企業によっては家族手当や住宅補助が支給される場合があり、結婚による収入面でのサポートが期待できます。
各制度について、詳しくみていきましょう。
配偶者控除や配偶者特別控除
配偶者控除と配偶者特別控除は、一定条件を満たす配偶者がいる場合、納税者の所得税や住民税が軽減される制度。
配偶者控除は、配偶者の年収が103万円以下の場合に適用され、控除額は最大38万円です。
配偶者特別控除は、配偶者の年収が103万円を超えても150万円以下なら適用可能で、収入に応じて額が段階的に減少します。
ただし納税者の年収が1000万円以下という規定がありますので、1000万円を超える所得のある方は控除の対象外です。
・個人事業主の場合は確定申告の際に、「配偶者(特別)控除」や「配偶者や親族に関する事項」を記入して下さい。
社会保険の扶養制度
社会保険の扶養制度では、被保険者の配偶者が一定条件を満たす場合、配偶者は健康保険や年金保険に無料で加入できます。
条件は、扶養される方の年収が被保険者の収入の半分未満(同居の場合)かつ130万円以下であることなど。
会社の健康保険組合によって条件が異なる場合がありますので、よく確認してください。
従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構
家族手当や住宅補助などの手当
家族手当や住宅補助は、従業員の生活支援を目的とした企業独自の福利厚生の制度です。
家族手当は、配偶者や扶養家族がいる場合に支給され、支給額は会社により異なるでしょう。
住宅補助は、社員が賃貸住宅や住宅ローンを利用する際に一部費用を負担するもので、制度の有無や金額は会社によって異なります。
これらの手当は結婚を機に受け取れる可能性があるため、会社に確認しましょう。
結婚生活をより良くするためのコツ
ここからは結婚生活をより豊かに過ごしていくためのコツをご紹介します。
育ってきた環境や価値観の違う二人が、生涯ともに生きていくことを決める結婚。
お互いにちょっとしたことに気を付けるだけで、楽しく暮らしていけるでしょう。
- お互いを尊重し感謝を伝える
- 家事や育児を分担して協力する
- 二人だけの時間を定期的に設ける
- 仲直りの定番を作る
▼お互いを尊重し感謝を伝える
結婚生活を円満にするには、日々のコミュニケーションが不可欠です。
ささいな日常会話でも、心の距離を縮めるきっかけになるでしょう。
今日起きた出来事を話したり、嬉しいこと悲しいことを一緒に共有できる相手がいるのは素晴らしいことです。
パートナーがそばにいることを当たり前と思わずに、話を聞いてくれることに感謝し、「ありがとう」と言葉にして伝えましょう。
意見が違うときでも、一旦相手の言葉を肯定した後で自分の意見を伝えるなど、一工夫するだけで円満な家庭を築いていけます。
▼家事や育児を分担して協力する
家庭の仕事を平等に分担することで、お互いの負担を減らし、ストレスを軽減できます。
家事や育児の役割分担について明確に話し合い、互いの得意分野を活かすことが生活を上手く回していくポイント。
たとえば、「掃除は夫、料理は妻」と分担を設定したり、週に1回は一緒に家事をする時間を作るなど楽しみながら行いましょう。
▼二人だけの時間を定期的に設ける
忙しい日々の中でも、夫婦だけの時間を持つことで絆を深めることができます。
たとえば、時々「デートの日」を設定したり、旅行や趣味を一緒に楽しむなど日常から離れたリフレッシュの機会を作りましょう。
また、特別なイベントだけでなく、日常の中でお茶を飲みながらゆっくり話す時間を確保することも大切です。
特に子どもが生まれてからは、意識的に夫婦だけの時間を作って共有するのがおすすめ。
▼仲直りの定番を作る
お互いの意見を伝え合うことは大切なので、時には衝突を避けられないことも。
たとえケンカしてしまっても、仲直りするきっかけさえあれば、意外とすぐに仲直りできる場合もあります。
- ケンカしてもその日のうちに仲直りする
- 会話はしなくても一緒に散歩する
- 好きなスイーツを買ってくる
など、二人だけの仲直りの定番を作りましょう。
感情的になってしまうこともありますが、定番の仲直りの方法があると、一旦クールダウンして考えることができます。
お互いの意見を交わすことができたなら、次に繋げていけるといいですね。
まとめ:結婚してよかったと思える生活を送ろう
結婚には多くのメリットがありますが、同時に現実的な課題も存在します。
本記事では、データに基づいて結婚のメリット・デメリットを解説しました。
また結婚生活を楽しく過ごせるコツも筆者の実体験を交えてご紹介していますので、参考にしてくださいね。
本記事を参考にしながら、自分にとって最適な結婚の形を考え、パートナーと豊かな人生を築きましょう。
家族とのつながりが生む幸福感は、きっとあなたの人生に新しい価値をもたらしてくれるはずですよ。