結婚を控えたお二人にとって、両家の顔合わせは結婚への第一歩。しかし、両家の実家が遠方にある場合は次のような悩みを抱えることが多いです。
「どこで顔合わせをすればいいの?」
「交通費は誰が負担するべきなの?」
「新郎家が来るべきでしょ?」
顔合わせの開催場所はお二人で決めていくポイント。本記事では、実家が遠方にある場合の開催場所、そして交通費の負担について元ウエディングプランナーが解説します。
家族同士が初めて会う特別な一日が、円滑かつ和やかに進むためのヒントをお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。
実家が遠方にある場合の顔合わせ開催地
実家が遠方にある場合の両家顔合わせは、どこで開催するかが悩むポイント。一般的には、新郎側が新婦側の実家を訪れることが多いものの、ルールがあるわけではありません。
移動距離や時間を考慮し、双方が負担を感じず顔を合わせられる場所を選ぶことが重要です。以下のポイントも参考に、どこで開催するのか考えてみてください。
新婦家側の地元
結納や顔合わせを行う場合、新郎の家族が新婦の実家を訪れる形がスタンダードとされていました。娘を嫁にもらうことに対しての誠意や感謝という意味合いがあったそうです。
地域や文化により慣習が異なり、今でもこの形式を大事にする方はいます。ただし、実家の所在地やその他の事情によってはこの方法が最適とは限りません。
例えば、新郎両親の交通手段が限られている場合や新郎の地元に別の用事がある場合などです。最近では中間地点での顔合わせ行うカップルも増えてきました。
新郎家側の地元
新郎家側の地元で開催するパターンとしては、新郎側の両親が高齢である場合や他に訪れる機会がない場合など。
新婦家側の地元で開催しなければならないという決まりもないので、もちろん新郎家側で開催しても問題ありません。
遠方同士の場合は、新郎新婦様が交通費や宿泊費を負担したり、新婦側の両親への配慮が重要です。
事前に両家の了承を取って開催場所を決めましょう。
両家の中間地点
両家の実家が遠方に位置している場合、顔合わせの開催地として中間地点も候補として挙がります。双方の移動負担が平等になるので、どちらかの負担が大きいということもありません。
ただし、初めて訪れる場所が会場になる可能性が高いので、現地のアクセスや駐車場の有無を確認しておくことが大切。どちらかの移動の負担が大きくなっていないかもチェックしたいポイントです。
新郎新婦が暮らしているエリア
どちらの実家も遠い場合は、新郎新婦様が現在生活しているエリアで両家顔合わせを開催する方法もあります。
両家の両親が新郎新婦様の住む地域へ出向く形になり、おもてなしに力を入れることができるでしょう。
慣れた場所での準備は精神的な負担も少なく、両親を安心してお迎えできます。
また、自分たちの生活圏を両親に見てもらうことで、結婚後の生活をより具体的にイメージしてもらえるかもしれません。
しかし、両親の交通費や宿泊費の負担が大きくなる場合は注意しましょう。
特に、交通費の金額に偏りが生じる場合は、事前に交通費や宿泊費の負担について両家で話し合い、合意しておくことが重要です。
結婚式を行う場所
結婚式場が実家から遠方の場合、顔合わせを同じ会場で行うこともおすすめです。結婚式場は両家のアクセスを考慮して決定している場合も多いので、結果として中間地点での開催になることも。
事前に結婚式場の雰囲気を共有できるので、結婚式場を実際に見て確認する良い機会となるでしょう。親御様も事前に結婚式場を見ることができて、安心に繋がります。
オンライン
最近では、新型コロナウイルスの影響などから、オンラインでの顔合わせも一般的になっています。ビデオ通話を利用し、物理的に距離があっても顔合わせが可能です。
この方法では物理的に移動しないため、スケジュール調整が難しい場合でも柔軟に日程を組めるというメリットがあります。また、自宅から参加できるため緊張感が和らぎ、親同士が自然な形で打ち解けやすい点も魅力です。
一方でオンラインでの顔合わせにはデメリットも存在します。例えば、画面越しでは対面ほどの親近感や温かさを感じにくかったり、通信環境によってはスムーズな会話が妨げられる可能性があります。
オンラインで顔合わせを行う場合は、両家で了承が取れてから行うようにしましょう。
両家顔合わせ開催地の選び方
お二人の地元が離れている場合には、両家の意向を尊重し、交通の便やかかる費用を考慮して開催地を選ぶことが重要です。
開催地を決めるときのポイントを解説するので、参考にしてみてください。
年齢を考慮して決める
両親が高齢の場合や体が不自由な場合、顔合わせの場所選びには特別な配慮が必要です。例えば、駅から近い会場や実家から近い場所で開催するのが好ましいでしょう。
移動による体力の消費が懸念される場合は、途中で休めるかどうかもチェックポイント。または実家で顔を合わせるという方法もあります。
アクセスの良い候補地から選ぶ
両家顔合わせをスムーズに進めるためには、アクセスの良い立地を選ぶことが非常に重要。移動が負担にならない場所を選ぶことで、リラックスして参加できる環境を整えることができます。
また、交通アクセスが良い会場での開催は、遠方から両親が来る場合にも嬉しいポイント。駅チカの会場を選ぶことで疲労も少なく会場に到着できます。
かかる費用から考える
交通費や宿泊費の総額を計算し、両家にかかる費用に大きな差がないようにすることも大切です。
費用が平等になるような開催地を選んだり、新郎新婦様が費用を負担することで、両家のバランスを取ることができます。
誰かの負担が極端に大きくならないように開催場所を考えましょう。
両家顔合わせ開催場所の選び方
顔合わせは両家が初めて顔を合わせる大切な場なので、開催場所の選定は慎重に行う必要があります。リラックスして話しやすい環境を整えることで、自然と和やかな雰囲気を作り出しましょう。
以下の項目を参考にどこで開催するか考えてみてください。
個室のあるレストラン
個室のあるレストランは、顔合わせの食事会に最適な場所の一つです。
個室の魅力は、プライベートな空間で会話を楽しむことができる点。他の人の目を気にする必要がないため、初めて両家が顔を合わせる場でもリラックスしやすく、自然な会話が生まれます。
また、特別な日にふさわしい雰囲気のあるレストランを選ぶことが重要です。落ち着いたインテリアや洗練されたサービスが整ったレストランは、両家に心地よい印象を与えます。
和食が好みの場合は料亭を予約しましょう。
コース料理を頼める飲食店
コース料理を頼めば前菜からデザートまでスムーズに運ばれてくるため、会話を途切れさせず自然と和やかな雰囲気を作り出すことができます。また、コースとして料理が組み立てられていることで特別感もあるでしょう。
また、メニューが事前に決まっているので注文内容を悩む時間も節約できます。予算感も事前につかめるのは大きなメリットです。
お昼の時間帯に利用できる
顔合わせは、基本的に昼間に開催されます。お昼の時間帯に開催することで、リラックスした雰囲気の中で食事を楽しみながら会話を深めることができるでしょう。
また、日中であれば遠方から来る両親も移動しやすく、帰宅時間を心配する必要が少なくなります。加えて、日中の明るい時間帯であれば写真映りもバッチリでしょう。
ただし昼間の開催にこだわりすぎて開催が延びてしまっては元も子もありません。全員の予定を合わせることを重視しましょう。
交通費や宿泊費の負担方法
顔合わせは新たな家族同士の大切な初対面の場ですが、交通費や宿泊費が負担になることも。
費用の負担方法にはいくつかのパターンがあるので、誰がどう負担するのかは事前にしっかりと決めることが不可欠です。
交通費や宿泊費をどのように用意し、対応していくべきかを詳しく解説します。
両家の親で負担してもらう
両親が費用を負担する方法は、新郎新婦の金銭的負担を軽減するメリットがあります。それぞれで費用を負担するので、交通手段を自分たちで自由に手配できるのもメリットです。
一方で、新郎新婦が主催の場合は不満につながることも。距離が離れていれば離れているほどその負担は大きくなります。
食事代の負担方法と併せてお車代の負担をどうするか決めるのがポイントです。
新郎新婦が負担する
新郎新婦が両家へ感謝の気持ちを示す方法として、遠方から来る家族のためにお車代を渡すケースもあります。ホテルの手配やお車代を準備することで、おもてなしの一環として喜んでもらえるでしょう。
また、事前に宿泊施設を手配することでスムーズなスケジューリングも可能になります。予算内でできるだけおもてなしができるとよいですね。
食事代とお車代の負担を分担する
一方が遠方から参加する場合におすすめなのが、食事代と交通費、宿泊費を分けて分担する方法です。
交通費や宿泊費について、どちらの親にどのような負担がかかるのか事前に把握しておき、平等になるように費用を負担します。
食事代の合計と交通費、宿泊費の合計がほぼ同じ場合は検討してみてください。
地元に来てもらう側が交通費を負担する
地元に来てもらう場合は、来てもらう側が交通費を負担するという方法が取られることも多いです。
費用の負担を平等にするというよりも、来てもらったお礼の意味合いから用意することも。
いずれにせよ、遠方から来てもらう場合には何かしらの形で費用を補助することが好ましいです。
新郎家側が支払う
結納の慣習より、新郎家側が費用を負担するという考え方も。
結納とは新郎側から新婦側へ結納金を納める儀式で、それに伴う費用も新郎側が負担します。
新郎家側が費用を負担することで、新婦家へのおもてなしと敬意を示すという考え方もあるでしょう。
しかし、近年では結納を行わないケースが増え、顔合わせ食事会としてカジュアルに行うことが主流となっています。
全ての費用を新郎家側が支払うという慣習にとらわれず、両家で話し合って決めることが最も重要です。
交通費・宿泊費はそれぞれで支払う
新郎新婦様が食事代を負担し、両家の親がそれぞれの交通費や宿泊費を折半する、という方法もあります。
特に、結婚の顔合わせを中間地点で行う場合は両家の負担が公平になるため、費用負担のバランスが取りやすいです。
両家の親は自分たちの交通費を各自で支払うことで、お互いに気兼ねなく参加できるというメリットもあります。
費用負担に関しては事前に新郎新婦様から両親に相談し、了解を得ておけば安心です。
交通費や宿泊費のマナー
交通費や宿泊費を負担するときは、なるべくスマートに済ませたいですよね。
渡し方のマナーや当日になってトラブルにならないための方法を紹介するので、参考にしてみてください。
封筒かポチ袋に入れて渡す
お車代を現金を渡す際は、そのまま手渡しするのではなく、封筒かポチ袋に入れるのがマナーです。
お車代は新札で準備し、ご祝儀袋ではなく白い無地の封筒を用意しましょう。
食事の前後や帰り際など、両家が集まっている場所でさりげなく渡すのがスマートな方法です。
事前決済してもOK
両家顔合わせの交通費や宿泊費の支払い方法として、新幹線や飛行機、宿泊場所などを事前に手配して決済しておく方法もあります。
両家顔合わせの当日に現金のやり取りが発生しないため、スムーズに進行できる点がメリットです。
両親も招待されたという気持ちになり、現金で渡されるよりも受け取りやすいと感じる方が多いでしょう。
デメリットとしては、万が一両家顔合わせの日程が変更になった場合にキャンセル料が発生することです。
特に、パックプランを早めに予約した場合は、割安になる反面でキャンセル料がかかるリスクも高まります。
支払い方法について家族に共有しておく
両家顔合わせの費用負担は、当日になってバタつかないように、事前に両家で共有しておくことが大切です。
当日スマートに支払えるよう、どちらが支払うか、どのような割合で負担するかを事前に親へも伝えておきましょう。
誰が負担するのか明確でない場合、両家で負担したがりスマートに支払いができません。
予め決めておいて、お手洗いに行った隙に支払いも済ませておきましょう。
顔合わせとは
顔合わせは、結婚を前提に交際しているカップルが両家の親同士を初めて紹介し合う、大切なセレモニーです。
これは、両家の絆を深めるための第一歩となる場であり、結婚までの準備をスムーズに進めるための重要な機会でもあります。
最近では食事会の形式で行われ、リラックスした雰囲気の中で交流を深めることが多いです。
両家顔合わせとは
両家顔合わせとは、新郎新婦が結婚に向けて両家を正式に引き合わせる場です。顔合わせはプロポーズが成功した後、結婚式の準備が始まる前に実施されることが一般的。
顔合わせでは食事を通じて交流を深めます。親同士がお互いの家族や文化背景を理解し合い、信頼関係を築く重要な機会です。
結納とは
結納とは、二人の婚約について両家がその意向を正式に確認するための儀式や、贈り物のこと。一般的には、男性側が女性側に結納金や結納品を持参し、相手の家族への敬意や感謝の気持ちを示します。
結納品に含まれるアイテムは金銭的な価値のあるもの、めでたい意味合いを持つものなどです。関東と関西で若干品目に違いがあります。
近年では結納の形も変わり、略式結納が主流です。形式を重んじる側面があった一方で、時代の変化に合わせて簡素化されています。
▼略式結納とは
略式結納とは、従来の形式的な儀式を簡略化したもの。
例えば、品目は食事会の席でのやり取りにとどめたり、カジュアルな雰囲気にしたりすることが増えています。
特に若いカップルは結納を重視せず、代わりに相手の家族と親しい関係を築くことに重きを置くようです。
また、結納自体を行わず顔合わせ食事会だけで済ませるケースが増加しています。
顔合わせ食事会とは
顔合わせ食事会は結納を行わない代わりに開催される、両家が挨拶を交わす場です。リラックスした雰囲気で行うカップルが増えており、従来の嫁入り/婿入りといった意味合いよりも顔を合わせる場として機能しています。
レストランやホテルの個室でゆっくり食事をしながら和やかに過ごす時間となるでしょう。兄弟姉妹を呼んで顔合わせを行うこともあります。
兄弟姉妹を呼ぶことについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/4827/
まとめ:ちょうどいい場所で顔合わせを開催しよう
両家顔合わせは、新しい家族の絆を深めるための大切な第一歩です。特に両家が遠方に住んでいる場合、開催場所の選定が重要なポイントとなります。
中間地点やアクセスが便利な都市部のレストラン、または宿泊設備が整った施設を選ぶことで、移動の負担を軽減できるでしょう。さらに、落ち着いた雰囲気の個室や心のこもったおもてなしができる会場を選ぶことで、気兼ねなく交流しやすくなります。
新郎新婦として、素晴らしい顔合わせになるよう心を込めて準備しましょう。しっかりとした計画と気配りで、思い出に残るひとときを過ごせるよう祈っています。