結婚式のセレモニーとして注目されている「植樹の儀」
新郎新婦様が1本の木を植えることで、ふたりの新たな人生の始まりと家族の成長を象徴する演出です。
ゲスト参加型にもできるため、会場に一体感が生まれるのも魅力の一つ。
ガーデンウエディングなどナチュラルな結婚式にもぴったりな演出です。
しかし植樹の儀を見たことがなく、やり方が分からないという方も少なくありません。
「植樹の儀って何?」
「植える木の種類ってオリーブ以外はダメなの?」
「おしゃれに演出するアイデアが知りたい!」
本記事では、元ウエディングプランナーが植樹の儀が持つ意味から準備方法、具体的な流れや演出アイデアまで詳しく紹介します。
他にはないオリジナルウエディングや、お二人らしさのある結婚式にしたい方はぜひ参考にしてみてください。
植樹の儀とは
植樹の儀とは、お二人が選んだ木を一つの植木鉢に植え、夫婦となる誓いを立てるセレモニーです。
オリーブセレモニーと呼ばれることもあります。
結婚式で植えた木は何十年も夫婦を見守るシンボルとなるため、末永く仲良く過ごしたい夫婦におすすめの演出です。
まずは込められた意味や必要なアイテムについて紹介していきます。
植樹の儀に込められた意味
植樹の儀には、新しい家庭を築き共に成長していくという意味が込められています。
苗木の成長をお二人の結婚生活と重ね合わせることで、特別な記念樹になるでしょう。
植樹の儀で人気のオリーブは平和を象徴する木でもあるため、平和を願うという意味もあります。
また、ゲスト参加型にすることで結婚の承認という意味合いも加えられるでしょう。
植樹の儀を行うタイミング
植樹の儀は、挙式のセレモニーとしても、披露宴の演出としても行うことが可能です。
挙式で行いたい場合は、人前式であれば組み込むことができます。
結婚証明書へのサインの代わりに植樹の儀を行うことで、記憶に残るセレモニーとなるでしょう。
一方、披露宴ではゲストと一緒に楽しむ演出として取り入れるのがおすすめです。
ケーキ入刀の代わりの演出や再入場後の演出に適しています。
披露宴での植樹の儀は、アットホームな雰囲気の中でゲストと祝福を分かち合う演出になることでしょう。
植樹の儀に必要なもの
植樹の儀で必要不可欠なものは次の4つです。
- 記念の木となる苗木
- 植木鉢
- 土
- スコップ
これらに加えてゲストに説明するための案内文や、鉢を置く台、手袋などもあるとより丁寧な進行ができます。
他にも会場の雰囲気やお二人の結婚式のテーマに合わせて装飾などを用意すると、オリジナリティあふれる植樹の儀に。
どんなセレモニーにしたいか考えながら必要なアイテムを集めてみてください。
それぞれの用意するときのポイントを紹介していきます。
1.植える木
植樹の儀で用いる木は、セレモニーに込める想いや、結婚式後の育てやすさを考慮して選ぶことが重要です。
代表的なのは、「平和」や「夫婦円満」の意味を持つオリーブ。
その他にも、「永遠の愛」を意味するウンベラータや、「幸せを呼ぶ木」として知られるガジュマルなども選ばれています。
観葉植物であれば室内でも育てやすいため、新居での生活にも取り入れやすいです。
2.植木鉢
植木鉢は植樹の儀の中でも目立つアイテムなので、こだわって選ぶのがおすすめです。
特に決まりはないので、素材や色、大きさにこだわって探してみてください。
鉢の表面にふたりの名前や結婚式の日付をペイントしたり、リボンや布で装飾してもよいでしょう。
ただし、あまり大きくて重たいものを選ぶと持ち帰りが大変なので、インテリアとしても馴染むものがおすすめです。
3.土
植木鉢に入れる土も用意する必要があります。
ホームセンターなどで購入できる土を持ち込む方が多く、自前で用意する方はほとんどいません。
こだわりがなければ選んだ木の種類に合わせて土も購入しておくと良いでしょう。
4.スコップ
スコップも持ち手部分を装飾したり、華やかな色のものを選んだりすることで結婚式らしさのあるアイテムになります。
ゴールドやシルバーのスコップなら高級感もあり結婚式の雰囲気にマッチしやすいです。
スプレーで着色したり、リボンを巻いたりとDIYしやすいでしょう。
植樹の儀のやり方
植樹の儀は、実施するタイミングによってセレモニーの雰囲気やゲストとの関わり方も変わってきます。
挙式と披露宴、それぞれのシーンに合わせた植樹の儀の進行例を紹介するので、参考にしてみてください。
挙式で行う場合の進行例
挙式で植樹式を行う場合、結婚証明書のサインの代わりや誓いの言葉の代わりに取り入れるのが一般的です。
- 司会者から植樹の儀について説明する
- 植木鉢に苗木を植え、土を被せた状態で持ってくる
- 新郎新婦が最後の土を被せる
最後に水をかけたり、ゲスト全員に土を入れてもらうなどの工夫をすることでよりよりセレモニーらしくなります。
植樹の儀はケーキ入刀などと比べるとメジャーな演出ではないため、ゲストへの説明を挟むことが重要です。
植樹の儀がどのような意味を持つのか、なぜ行うのかをアナウンスすることで、ゲストもその意義を理解するでしょう。
披露宴で行う場合の進行例
披露宴で植樹の儀を行う場合は、和やかな演出として楽しむことができます。
- メインテーブル付近やステージ上に苗木の入った植木鉢を用意する
- ゲストに土を配る
- 受付中や歓談時間にゲストに土を入れておいてもらう
- 演出のタイミングになったら新郎新婦が最後の土を被せる
入場後の注目が集まっているタイミングで行うのがおすすめの演出です。
披露宴で行う場合はゲスト参加型にすることでより和やかな演出になります。
植樹の儀をおしゃれに演出するアイデア
植樹の儀は少し工夫を加えるだけで、さらにオリジナリティあふれる印象的なセレモニーになります。
使用するアイテムにこだわったり、ゲストの参加方法を工夫したりすることで、お二人だけの特別な演出にしましょう。
大切なのはお二人の想いや結婚式のテーマに沿ったアイデアを取り入れることです。
いくつかアイデアを紹介するので、参考にしてみてくださいね。
ゲスト参加型で行う
ゲスト全員が参加できるようにすることで、会場に一体感が生まれます。
木に土をかけるアクションはぜひゲストにも参加をお願いしてみてください。
受付でゲスト一人ひとりにコップに入った土を渡したり、スコップ1回分土をかぶせてもらうなどの方法があります。
ゲストはただ見ているだけでなくセレモニーの一部に参加でき、一層意味合いが深まるでしょう。
結婚の承認という意味合いを持たせることもできるので、人前式との相性もばっちりです。
また、ゲストからのメッセージを書いた石やプレートを飾るのもおすすめ。
全員の想いがこもった木はかけがえのない宝物となり、結婚式後もゲストとの温かい時間を思い出すことができます。
ウェルカムスペースに飾る
植樹の儀で使う木を、セレモニーが始まる前からウェルカムスペースに飾っておくのもおすすめです。
植樹の儀について説明するプレートと一緒に置いておけば、ゲストの理解も深まります。
七夕のように木を飾り付けしてもおしゃれになりますよ。
おしゃれなウェルカムアイテムとしてゲストの目を楽しませながら、セレモニーをより意味のあるものにしてくれるでしょう。
オリーブ以外の木の種類で行う
植樹の儀と聞くと、平和の象徴や「夫婦の木」という花言葉から定番のオリーブを思い浮かべる方も多いです。
しかし、植樹の儀で使える木はオリーブだけではありません。
花言葉の他、思い出の木や新居のインテリアに合う見た目の好みで選ぶのも良いでしょう。
庭があるのであれば大きく育つ木も選択肢に入ります。
水合わせの儀も行う
植樹の儀は、日本の伝統的な儀式である「水合わせの儀」を組み合わせることで、より感動的な演出にすることができます。
水合わせの儀とは新郎新婦様のそれぞれの実家で汲んできた水を一つの盃に注ぎ飲む儀式のこと。
異なる環境で育ったお二人が一つになり新しい家庭を築くことを象徴したセレモニーです。
この儀式は、両家の結びつきを深める意味合いも持っているので家族婚などにもぴったり。
植樹の儀で取り入れる際には、土を被せた後に水をかけるのがおすすめです。
それぞれの実家から持参した水を苗木の入った植木鉢に注ぎぐことで、両家の繋がりを長く見守る記念樹になるでしょう。
こだわりの植木鉢を使う
植樹の儀で使用する植木鉢は、ふたりの個性や結婚式のテーマを表現できるアイテム。
適当に用意するのではなく、こだわって探してみてください。
例えば、透明感のあるガラス鉢は抜け感がありナチュラルな雰囲気に合います。
凝った装飾が施された陶器製の鉢や、シンプルな鉢植えなど結婚式場のテーマにも合わせて考えるとよいでしょう。
また、鉢の大きさも重要で、新居での置き場所や今後の成長を考慮し、適切なサイズを選んでください。
植木鉢にはこだわらなくても、装飾にこだわる方法もあります。
リボンやレースで飾ったり、色を塗ることで唯一無二の植木鉢に。
結婚式の日付があるだけでも違って見えるので、ぜひ日付やイニシャルだけでも入れてみてください。
まとめ:植樹の儀で長く記念になる誓いを行おう
植樹の儀は、新しい家族の誕生を祝福し長く結婚生活を見守る記念になる演出です。
挙式だけでなく披露宴にも好きなシーンで取り入れられるため、人と違うことがしたいときにもぴったり。
また、ゲスト参加型にもできるので一体感やゲストからの承認という点にこだわりたいカップルにもおすすめです。
ガーデンウエディングやアットホームな結婚式にしたい方はぜひ検討してみてください。
お二人の幸せな夫婦生活を長く見守ってくれる存在になってくれますよ。