人前式のプログラムが決まってくると、次は式中のBGMを何にしようか迷いますよね。キリスト式や神前式では式のプログラムに合わせてBGMは決まっていることが多いですが、人
前式はプログラムもお二人次第なので、それに合わせてBGMも決めたいところです。
ただ、昨今のウエディングでは著作権による制限もあり、会場によってもBGMの取り扱いが異なります。
本記事では、人前式でのBGMの選び方や元プランナーがおすすめする曲もご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
結婚式とBGMは切っても切れない関係
結婚式をよりいっそう情緒深いものにしてくれる音楽。結婚式の雰囲気を決めるのに音楽は欠かせません。
ただ最近は音楽の著作権への意識が高まり、結婚式で使用するBGMについても制限がある会場もあります。会場によって音楽の取り扱いは様々で、使用できる曲目が決められていたり、CD原盤の用意を求められたりするでしょう。
制限された中で曲を選ぶのには苦労するかもしれませんが、ゲストの立場になってみるとそこまで重要なポイントではありません。自分たちが納得できるかどうか、またお二人の理想とする結婚式の雰囲気に合うかどうかを基準に選んでみましょう。
●結婚式のBGM制限とは
結婚式での音楽の使用は「著作権」による制限があるというのはご存知でしょうか。その対応については会場ごとに異なるのが現状です。たとえば、結婚式に使える曲のリストがありその中から選ぶパターンや、CD原盤を新郎新婦様が用意して持ち込めば使用できるパターンなどがあります。
他にもMP3データがあればなんでもOKというパターンもあるので、担当プランナーさんや会場によく確認したほうがよいでしょう。また、専門の結婚式場よりもレストランの方が制限がゆるい傾向にありますが、これについても今後変化していく可能性はあります。
「著作権」と聞くと難しいイメージがありますが、こちらの記事でもっと詳しく解説していますので是非ご覧ください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/3955/
●ゲスト目線で曲は重要か?
ゲスト目線になってみると意外とBGMは雰囲気程度にしか聞いてないこともあります。雰囲気を掴む上では大事な要素にはなりますが、あまり悩みすぎずに結婚式のシーンに合っているかどうか考えながら決めていきましょう。
人前式に必要な曲
では人前式で実際に必要なBGMの曲はどんなものかみていきましょう。人前式には決まったプログラムはないので、お二人の考えたプログラムに合わせてどんな曲が何曲くらい必要か考えながら読み進めてみてくださいね。
●1プログラム1曲でなくてもいい
好きな曲を選べるとなると、いろいろとリストアップして1曲ずつ使いたくなりますが1つのプログラムに1曲ずつ指定する必要はありません。プログラムの内容によっては数分で終わるものもあり、数分ごとに曲の雰囲気が変わるとせわしない印象になるためです。
例えば、誓いの言葉~指輪交換まで同じ曲を流すなど2つのプログラムで1曲を使用します。そうすると、CDを入れ替えたりするタイムラグが発生せずにスムーズな流れでプログラムを進行できるメリットがあります。
●入退場、誓いのキスはこだわるのがおすすめ
結婚式の入場や退場、誓いのキスなどは式場内は静まりかえり新郎新婦様に視線が注がれるので、BGMがそのシーンの雰囲気を決めます。そういったゲストの注目が集まり盛り上がるシーンでは、BGMをこだわるのがおすすめです。
それ以外のシーンでは、式の進行がすみやかに行われるような主張の強くないさりげないBGMだとメリハリがつくでしょう。
結婚式BGMの選び方
結婚式のBGMについては、ゲストは細かく曲を聞いていることは少なく、覚えていることはあまりありません。
歌詞にまでこだわって選ぶとキリがないので、曲調がシーンに合っているか考えて選ぶのがおすすめです。ただし、別れの曲は避けた方が無難でしょう。
●制限を確認しよう
結婚式におけるBGMの制限は会場によって対応が違います。お二人で選曲を始める前に、会場ではどのようにBGMについてのルールが決まっているかしっかりと確認しましょう。会場によっては曲目リストを提示してくれたりするので、その中からBGMを選ぶと手間が省けます。
また持ち込みの場合には、CD原盤が必要なのか、MP3データの形式でよいのかなど、どのような状態で持ち込めばよいかも確認しておくとよいですね。
●入場曲の選び方
結婚式の入場は、ゲストがその日一番待ち望んで盛り上がる大事な場面です。BGMの盛り上がりとともにドアがオープンして新婦様が入場してくるとグッと印象的なシーンになります。再生から20秒以内に盛り上がる曲だとドアオープンに合わせやすいでしょう。
イントロが長すぎると間延びしてしまったり、入場のタイミングがゲストにわかりにくくなってしまうので、入場するタイミングがわかりやすい盛り上がりを意識した曲を選んでくださいね。
●アットホームな雰囲気にしたいときは
人前式はお二人のプログラム次第でアットホームな雰囲気の結婚式にできるので、BGMもアップテンポやノリノリ系のリズミカルな曲、流行りの曲などを取り入れても良いでしょう。
特に退場シーンでそういう曲を選ぶと、披露宴に向けて楽しい雰囲気がつながっていきます。
●厳粛な雰囲気にしたいときは
バラードやクラシック、ピアノアレンジなどの曲を選ぶと、厳粛な雰囲気の結婚式になるでしょう。結婚式で使いたいと思っている曲がポップな曲調の場合には、ピアノアレンジやオルゴールバージョンがないか探してみるといいかもしれません。
BGMは場の空気を決める上では重要な要素になるので、どういう雰囲気の結婚式にしたいか考えながら選ぶといいですね。
●退場曲の選び方
退場時はゲストの拍手で音がかき消されてBGMが聞こえにくくなるので、再生した頭出しから盛り上がっている曲がおすすめです。退場後は披露宴へと繋がっていくシーンでもあるため、しっとり終わる曲も良いですが盛り上がりがあって華々しく結婚式のフィナーレを飾るイメージの曲を選びましょう。
元プランナーおすすめのBGM
ここからは数々の結婚式をプロデュースしてきた元プランナーがおすすめするBGMを具体的にご紹介します。結婚式で定番の曲やシーンごとに合う曲など、是非参考にしてみてください。
●結婚式でよく使われている定番曲を5曲
▼「Amazing Grace」-Hayley Westenra
イギリスの牧師ジョンニュートンが作詞した讃美歌です。讃美歌の中でもポピュラーで、さまざまなアーティストがカバーしていますが、日本ではテレビドラマ『白い巨塔』の主題歌として使用されたこの曲が有名ですね。
▼「Ave Maria」-Franz Schubert
シューベルトによって作曲された伸びやかで美しい旋律が特徴の曲です。「アヴェ・マリア」とはラテン語で「おめでとう、マリア!」という意味があり、キリスト教式ではよく流れることが多いですが、讃美歌ではないので人前式で流しても違和感はありません。
▼「結婚行進曲」-Mendelssohn
結婚情報誌ゼクシィのCMでも使われた結婚式では定番の曲です。Mendelssohn(メンデルスゾーン)によって劇の中で使用するために作曲された世俗的な音楽なので、どのスタイルの結婚式でも使用できます。
▼「You Raise Me Up」-Celtic Woman
トリノオリンピックで荒川静香さんがフィギュアスケート金メダルを受賞した時のエキシビジョンでこの曲を使用して、一躍有名になりました。バイオリンの音色から始まり、澄んだ歌声が結婚式を清らかな雰囲気にしてくれます。
▼「G線上のアリア」-J.S.バッハ
元はJ.S.バッハが作曲した『管弦楽組曲第3番二長調』という曲ですが、ヴァイオリン独奏用に編曲され「G線上のアリア」という通称で呼ばれるようになりました。
アリアとはオペラなどの中で美しい旋律をゆっくりとしたスピードで1人で歌うための曲です。穏やかで美しいこの曲は、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
つづいては元プランナーおすすめの10曲を雰囲気別に分けてご紹介します。
●透明感のある歌声で清らかな結婚式におすすめの曲
▼「Only Time」-Enya
クラシックや故郷アイルランドの音楽などさまざまな要素を取り入れつつ、多重録音で声を何重にも重ねることで広がりのある幻想的な音楽が表現されています。透明感のある歌声が結婚式を美しく澄んだ雰囲気にしてくれるでしょう。
▼「Far away」-LIBERA
イギリスの少年合唱団で、美しく儚げなボーイズソプラノの天使のような歌声が特徴です。NHKのドラマやユニバーサルスタジオジャパンのCDなどで起用されたこの曲は耳にしたことがある方も多いかもしれません。
●老若男女問わず聞きなれた曲で落ち付いた結婚式におすすめの曲
▼「The Rose」-Bette Midler
アメリカの映画の主題歌で、愛について語る歌詞とスローで静かなメロディは結婚式のBGMにぴったりです。落ち着いたシーンや感動的なシーンで流すとより雰囲気を盛り上げてくれます。多くのカバー曲も出ているので好きなテイストを探してみて下さい。
▼「エトピリカ」-葉加瀬太郎
テレビ番組『情熱大陸』のエンディング曲として、年齢を問わず広く知られている曲でしょう。バイオリンののびやかな響きで暖かく包み込むような名曲ですね。
●映画の壮大な世界観を結婚式でも表現できる曲
▼「Time to say Goodbye」-Sarah Brightman
映画『アマルフィ 女神の報酬』の主題歌として世界的な歌手Sarah Brightman(サラブライトマン)が歌ったこの曲は、元々はイタリア語のオペラの歌唱スタイルで演奏されるポップスでした。オペラスタイルで歌われる優雅で壮大な雰囲気は厳かな結婚式に似合います。
▼「I Don’t Want to Miss a Thing」-Aerosmith
映画『アルマゲドン』の主題歌で有名なこの曲は、映画のシーンとも相まって感動を誘う名曲です。映画好きの新郎新婦様によく結婚式で使用されています。
●定番曲をよりおしゃれな雰囲気にしたい結婚式におすすめの曲
▼「Everythings Gonna Be ALright」-Sweetbox
「G線上のアリア」をサンプリングし、クラシックとヒップホップを融合させた斬新なこの曲によって、「G線上のアリア」は軽やかでおしゃれな楽曲へと生まれ変わりました。自由で楽しい雰囲気の結婚式を作りたい新郎新婦様におすすめです。
▼「Wedding March Part.2」-Q;indivi Starring Rin Oikawa
Mendelssohnの結婚行進曲をサンプリングしハウスアレンジされたこの曲は、クラシックの落ち着いた雰囲気からぐっとオシャレさが際立ちます。この曲を入場曲にすると緊張感のある雰囲気がふっと軽くなり、和やかに結婚式を進められるでしょう。
●アップテンポで楽しい雰囲気をつくれるおすすめの曲
▼「Marry You」-Bruno Mars
2010年にリリースされて以来、結婚式の定番になっているこの曲は明るくノリノリな音楽に「結婚して欲しい」とストレートな歌詞のプロポーズソングです。楽しく幸せな雰囲気が伝わってくるBGMで、結婚式を盛り上げて下さいね。
▼「Sugar」-Maroon 5
結婚式にサプライズで登場するPVが話題になり、実際に結婚式で使いたいと思う新郎新婦様が多いこの曲。ポップなメロディと爽やかな歌声に、思わず手拍子したくなるような楽しい雰囲気にしてくれます。
和婚におすすめの曲とは
ここからは、和装での結婚式をお考えの新郎新婦様におすすめなBGMについてご案内します。和装に似合う雰囲気を作りたいなぁと思いつつも、実際にはどんな曲を選べばいいか迷ってしまうかもしれません。
そこで、和婚のBGMを選ぶコツとおすすめの曲をまとめてみましたので、参考にしてくださいね。
●和婚でも同じように選曲してOK
和婚だからと気にしすぎずに、洋装と同じように選曲して大丈夫です。大事なのはお二人の理想とする結婚式のイメージと選んだ曲の雰囲気が合っているかどうかということ。和装に合わせて厳かな雰囲気の結婚式にしたい場合は、静かで穏やかなBGMにするとよりいっそう和の趣が引き立つでしょう。
和装でも自由な結婚式を作りたい方は、リズミカルな曲を選んでみてはいかがでしょうか。
●困ったら和楽器アレンジ
和装の結婚式でどうしてもBGMに迷ってしまったら、和楽器での演奏にアレンジされた曲を探してみるといいでしょう。特に雅楽は古くから神社やお寺の祭り事の際に和楽器を使って演奏されてきたものなので、和婚に似合います。
また、歌詞の入っていないインストゥルメンタルの曲も重宝します。
●和婚におすすめの曲
▼「夢をはこぶ風」-東儀秀樹
雅楽奏者として有名な東儀秀樹による雅楽の演奏と、ピアノが奏でる美しいメロディがゆったりと優雅な曲で落ち着いた和の雰囲気にぴったりです。
▼「誓いの空」―佐藤和哉
結婚情報誌『ゼクシィ』が和婚の魅力をひろめるために実施しているキャンペーンのテーマソングとして使われているこの曲は、篠笛の独特な響きが会場を一気に和の空気にしてくれます。
▼「万賛歌」-葉加瀬太郎
厳かでどこかオリエンタルな雰囲気から始まり美しいバイオリンへと繋がっていくこの曲は、和の結婚式を盛り上げてくれること間違いありません。特に、きらびやかな色打掛や艶やかな黒振袖などでの入場シーンに合います。
▼「Luv Letter」-DJ OKAWARI
フィギュアスケートの高橋大介さんがエキシビジョンで使用したことでも有名なこの曲は、ピアノを主旋律に美しいメロディでありながら、アップテンポでビートが刻まれ格好いい雰囲気になります。
人前式を曲で盛り上げよう
結婚式で流すBGMはこだわり始めると迷ってしまいますよね。最近では著作権による制限もあり、なかなかイメージ通りのBGMを選べないこともあるかもしれません。特に人前式ではプログラムによって必要なBGMの曲数なども変わりますし、雰囲気も自由に決めることができます。
どんな結婚式の雰囲気にしたいか考えてBGMを選ぶことで、自分たちらしい人前式をつくることができるといいですね。本記事では、元プランナーがおすすめするBGMをいくつかピックアップしてみましたが、参考になりましたでしょうか。
ゲストは意外とBGMのことまで細かく覚えていないことが多いものです。こだわりたいシーンだけ自分たちで選ぶなど、ポイントを抑えて準備を楽しんでくださいね。