結婚式といえば撮って出しのエンドロールを最後に上映するのがお決まりです。
しかし、当日撮影してその場で編集する撮って出しエンドロールは高額なこともあり、なしにしたい方も。
「エンドロールはいらないけど、それだと寂しい?」
「エンドロールなしでも物足りなくない、代わりになる演出は?」
「エンドロールは流したいけど費用を節約したい」
本記事では、エンドロールなしのメリット/デメリットや、代わりになる演出アイデアを元ウエディングプランナーが紹介します。
エンドロールムービーなしの結婚式でも全く問題はありませんが、ちょっとした工夫で大満足の結婚式になるでしょう。
エンドロールムービーで悩んでいるプレ花嫁様は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
結婚式のエンドロールムービーとは
結婚式のエンドロールムービーとは、披露宴の結びに上映される映像のことです。
当日の映像を用いた撮って出しが主流ですが、事前に制作しておくこともできます。
まずはエンドロールとはなにか見ていきましょう。
エンドロールを上映する意味
披露宴を締めくくるエンドロールムービーは、当日列席してくれたゲストへ感謝の気持ちを伝えるためのムービーです。
ゲスト一人ひとりの名前や新郎新婦様からのメッセージ、そして当日の挙式や披露宴の様子をまとめた映像などが流れます。
ゲストへ直接伝えきれない、感謝の気持ちをが伝えられるでしょう。
エンドロールは単なる映像演出にとどまらず、ゲストへのおもてなしと感謝を伝える重要な役割を持ちます。
撮って出しエンドロールと事前制作エンドロールの違い
エンドロールは撮って出しエンドロールと事前制作エンドロールの2種類に分類できます。
撮って出しエンドロールは、当日の挙式や披露宴前半の様子をその場で編集して、披露宴の最後に上映するムービーです。
一方、事前制作エンドロールは、新郎新婦様が事前に用意したムービーのことを指します。
【撮って出しエンドロールと事前制作エンドロールの違い】
撮って出しエンドロール | 事前制作エンドロール | |
特徴 | 当日その場で作成するので特別感がある | 自分達らしさを追求できる |
作成者 | 結婚式場の提携業者 | 外部の業者・新郎新婦 |
制作費用 | 20万~30万円 | 2万円~5万円 |
メリット | ・臨場感がある ・リアルタイムで感動を共有できる |
・自分たちの思い通りに制作できる ・費用を節約できる |
デメリット | ・費用が高い ・内容の指定はほぼできない |
・準備の手間がある ・事前に動作確認する必要がある |
どちらを選ぶかは、当日のライブ感を重視するか、事前の準備で自分たちらしさを表現したいかなどによって変わるでしょう。
エンドロールムービーをなしにするメリット
他のことにお金をかけたい、準備の手間を省きたい、などの理由でエンドロールムービーをなしにするカップルもいます。
まずはエンドロールムービーをなしにするメリットを紹介していくので、参考にしてみてください。
エンドロール制作にかかる費用を節約できる
エンドロールムービーは結婚式場で依頼する場合、20万円以上かかることも珍しくありません。
特に、当日の映像を編集する撮って出しは、当日納品という性質上どうしても高額になってしまいます。
全体の予算を見直す中で、エンドロールを削り他の部分に予算を宛てるというケースも多いです。
エンドロールムービーをなしにすれば、料理や衣裳、ハネムーンなど他の優先度の高い項目に費用をかけることができます。
準備の手間や時間を他のことに使える
エンドロールムービーを自作する場合、想像以上に手間と時間がかかります。
ゲストリストの最終確認、使用する写真の選定、BGMの決定、コメント作成、動画編集などやるべき作業は山積みでしょう。
結婚式の準備はムービー制作以外にもあるため、共働きで忙しいカップルにムービー作成は大きな負担となることも。
ムービー制作に費やす時間と労力を他の結婚式の準備に充てることで、準備の負担を軽減できます。
ゲストとコミュニケーションをとる時間を確保できる
エンドロールムービーの上映時間は2分から5分程度です。
この時間をゲストとコミュニケーションを取る時間に充てたいと考える方もいます。
短い時間のように思えますが、新郎新婦様が披露宴中にゆっくりゲスト一人ひとりと話す時間はかなり少ないです。
そのため、ムービーを流さない代わりに少しでもゲストとの時間を確保したい、と考えるのはおかしいことではありません。
映像を通して感謝を伝えるのも一つの方法ですが、自分たちの言葉で直接伝えたい方には魅力的でしょう。
各テーブルを回って会話を楽しんだり、一緒に写真を撮ったりすることで、より心のこもったおもてなしが実現できます。
エンドロールムービーをなしにするデメリット
エンドロールムービーをなしにすると披露宴の締めがなくなるため、どこか物足りない印象を与えてしまう可能性があります。
ここでは、エンドロールなしのデメリットについて解説するので、対策を考える際の参考にしてみてください。
披露宴の締まりが悪く物足りない印象になる可能性がある
エンドロールムービーには披露宴を感動的に締めくくる役割があり、ないと余韻に浸る間もなくあっさりと終わる可能性があります。
上映しない場合、新郎新婦様が退場後すぐに会場が明るくなり、司会者のお開きの挨拶へと移行するので物足りなさがあるでしょう。
他の結婚式でもエンドロールを上映することが一般的なため、ないと余計に違いが目立ちます。
特に撮って出しエンドロールは結婚式を振り返る時間にもなるので、締まりのない雰囲気になってしまうリスクも。
また、エンドロールがないことで退場後すぐにアナウンスを待たず新郎新婦様を追いかけた海外ゲストの方がいたこともあります。
エンドロールなしにする場合は、代替となる演出を用意したり披露宴の締め方を工夫する必要があるでしょう。
参加してくれたゲストへの感謝が伝わりにくい
エンドロールムービーの役割の一つは、ゲスト全員に感謝の意を示すことです。
新郎様の謝辞などで全体への感謝は伝えられますが、個々のゲストに向けたメッセージを伝える機会は多くありません。
エンドロールではゲストの名前を載せることもあり、自分の名前が流れるのを楽しみにしているゲストもいます。
全員に見える形でそれぞれへのメッセージを用意できるのがエンドロールのメリットです。
エンドロールなしの場合は別の形で感謝を伝えるようにするとよいでしょう。
エンドロールの代わりになる演出アイデア3選
エンドロールの代わりにゲストに感謝を伝え、披露宴を締めくくる演出もあります。
大切なのは、ムービーという形式にこだわらず、お二人らしい方法で気持ちを伝えることです。
ここでは、エンドロールムービーの代わりになる演出アイデアを紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
新郎新婦からゲスト向けにスピーチ
披露宴の結びでは花嫁の手紙と新郎謝辞を行うことが定番です。
しかし、新郎様の謝辞だけでなく新婦様からもゲストへ向けたスピーチを行うことで、心のこもった締めくくりになるでしょう。
エンドロールがなくとも感謝の言葉を直接口にすることで締まりのある挨拶になります。
新郎新婦様からの言葉で締めくくる披露宴は多くないので、ゲストの記憶に残る結婚式になりますよ。
ゲストと盛り上がりながら退場する
退場方法を工夫して大盛り上がりの中退場すれば、楽しい余韻の中で締めることができるでしょう。
例えばゲストの手拍子で退場したり、アームアーチを作ってもらったり、参加型にできると盛り上がりやすいです。
他にもダンスしながら、歌いながらなど新郎新婦様で演出する方法もあります。
しんみりした雰囲気だとエンドロールなしでは締まらない雰囲気になりがちですが、盛り上がっている中ならあまり気になりません。
お二人らしい楽しい披露宴の締めくくりにしてみてください。
集合写真を撮る
披露宴の最後に、会場にいるゲスト全員と集合写真を撮影する演出もありです。
特に少人数の場合におすすめで、高砂ステージやガーデンなどがあるとスムーズに撮影できるでしょう。
ゲストからの注目を集めやすいので、そのまま謝辞や挨拶に移ることも可能です。
ただし、集合写真の撮影は意外と時間がかかることや広いスペースが必要になることから、実現が難しいこともあります。
実施する場合は必ず担当プランナーに相談してください。
エンドロールなしで後悔しないためのコツ
エンドロールなしを選択しても後悔しないためには、感謝の気持ちや締めくくりの雰囲気を他の方法で補う必要があります。
ここでは、エンドロールなしでも満足度の高い結婚式にするための具体的なコツを紹介するので、参考にしてみてください。
司会者と披露宴の締め方をしっかり打ち合わせる
エンドロールなしの場合、披露宴の終わり方にはこだわった方がよいでしょう。
新郎新婦様が退場した後、何の余韻もなくお開きの案内が始まると、ゲストは物足りなさを感じてしまうかもしれません。
これを防ぐためには、司会者と披露宴の締め方について綿密な打ち合わせが不可欠です。
例えば、退場後に司会者からお二人のゲストへの感謝の言葉を改めてアナウンスしてもらうなど。
どのようにすれば感動的な余韻を残せるか、プロである司会者の意見も聞きながら計画しておくことが大切です。
空いた時間を有効活用する
エンドロールムービーをなくした分の空き時間は、単に歓談時間を延ばすだけでなく演出のために使うのがおすすめです。
写真撮影タイムやテーブルラウンド、ゲームやサプライズ演出などゲストが楽しめるプログラムのために活用しましょう。
ゲスト一人ひとりと交流するための時間に充てると、結婚式の満足度も上がります。
席札やプチギフトに手書きのメッセージを添えて感謝を伝える
エンドロールでは伝えられなくなった感謝のメッセージを、別の方法で伝えられれば後悔することも少なくなります。
例えば、ゲストの席札やお見送りのプチギフトにメッセージを書くことで、ゲストに感謝の言葉を綴ることが可能です。
準備には時間と手間がかかりますが、自分のために書かれたメッセージを見つけたときの喜びはとても大きいでしょう。
プチギフトを個別に用意していると渡すときに大変なので、個人へのメッセージは席札に書くのがおすすめです。
エンドロールよりも心に残るおもてなしになりますよ。
お見送りの際にギフトを手渡しする
お見送りの時間は、ゲストに感謝を直接伝えられる最後の機会です。
エンドロールなしの場合は、お見送りをより丁寧に行うことで後悔のない披露宴になるでしょう。
慌ただしくなりがちなお見送りですが、プチギフトを手渡しすることで全員とコミュニケーションを取ることが可能です。
プチギフトを用意しないカップルもいますが、エンドロールなしにするなら用意しましょう。
プチギフトも定番ではない面白いものを選ぶとより印象に残る結婚式になります。
ゲストに喜ばれる面白いプチギフトについて解説した記事もあるので、参考にしてみてくださいね。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/15529/
エンドロール作成費用を抑える方法
エンドロールムービーをなしにする一番の理由は費用であることがほとんどです。
ただ、エンドロールはもっと費用を抑えて作成することができます。
エンドロールの費用がネックの場合は以下の選択肢も考えてみてください。
撮って出しではなく手作りする
エンドロール費用を最も抑えられる方法は、ムービーを自作することです。
最近では、パソコンのソフトがなくてもスマートフォンのアプリで動画編集ができます。
ウエディングムービー向けのテンプレートも豊富に用意されており、専門知識がなくてもクオリティの高いムービーを作成可能です。
ただし、写真選びやコメント作成など制作には相応の時間と労力がかかるので、早めに取り組む必要があります。
また、完成したムービーが結婚式場の機材で問題なく再生できるか、事前の確認が必要なので注意しましょう。
結婚式場ではなく外部の専門業者に依頼する
式場提携の制作業者に依頼するよりも、外部のムービー制作業者に依頼する方が中間マージンが発生しないため安価に制作できます。
数万円程度でクオリティの高いムービーを制作してくれる業者も少なくありません。
自作できる時間はないけど費用は抑えてムービーを流したい場合におすすめです。
ただし、結婚式場によってはムービーに持ち込み料が設定されていたり、持ち込み自体が禁止されている場合があります。
外部業者へ依頼する際は、必ず事前に結婚式場のプランナーに持ち込みの可否や条件を確認してください。
まとめ:エンドロールなしでも感動の締めくくりにしよう
結婚式のエンドロールムービーをなしにするメリット/デメリットや代わりの演出について解説しました。
エンドロールなしの場合、披露宴の締まりが悪くなるといった懸念もありますが、工夫次第で物足りなさを感じることはありません。
費用や準備の手間を節約したり、ゲストとの交流を優先するためにエンドロールなしという選択をするカップルも増えています。
エンドロールを上映するかどうかは、何を一番大切にしたいかで判断すれば後悔のない選択ができるでしょう。
エンドロールなしでもありでも、本記事が後悔のない判断のお役に立てれば幸いです。