結婚式の見積もりを見て、「こんなに高いの?」と驚いたカップルも多いでしょう。
一生に一度の晴れ舞台とはいえ、数百万円という金額を見て不安になるのも当然です。
「どこにそんなにお金がかかるの?」「もう少し抑える方法はないの?」と感じる方も少なくありません。
実は、結婚式の費用が高くなるのにはきちんとした理由があり、工夫次第でしっかり節約することも可能です。
そこで今回は元ウエディングプランナーの筆者が、結婚式の費用が上がる仕組みとコストを抑えるコツを解説します。
最後までお読みいただくことで、納得感のある予算で満足度の高い結婚式を叶えるヒントが見つかるでしょう。
結婚式の費用が高い理由とは

元ウエディングプランナーとして多くの結婚式を担当してきましたが、ほとんどのカップルがまず驚くのが費用の高さです。
とはいえ、結婚式の費用が不当に高いわけではありません。
金額の中には、高品質なサービスを提供し安心安全な一日を支えるためのコストが含まれているからです。
ここでは、現場で見てきた実情をもとに費用の内訳をわかりやすく解説します。
設備や建物の維持費
結婚式場では、いつでも結婚式が行える状態を保つために設備や建物の維持費が欠かせません。
例えば照明や音響機器のメンテナンス、チャペルや披露宴会場の清掃・修繕、ガーデンの整備などが挙げられます。
式場見学やブライダルフェアで理想のイメージを膨らませられるのも、常に維持管理をしているから。
また、フェア以外の日も打ち合わせや準備で式場を使用するため、光熱費などの経費が日々発生しているのも理由のひとつです。
広告費
広告費も、結婚式場にとって大きな出費のひとつ。
ブライダル情報誌や式場紹介サイトへの掲載、SNSや動画広告など、宣伝活動には多くの費用がかかります。
結婚式場を運営するには、一定数の結婚式を継続的に受注することが欠かせません。
そのためにも、さまざまな媒体でカップルに知ってもらう機会を増やすことが重要なのです。
結果的として、広告宣伝のコストが結婚式の費用に反映される仕組みになっています。
人件費
結婚式の費用の中でも、大きな割合を占めるのが人件費です。
結婚式はプランナーをはじめ、専門スキルを持った多くのスタッフに支えられています。
ヘアメイクやカメラマン、シェフやサービススタッフ、司会者など、多岐にわたるスタッフが結婚式には欠かせません。
数十人単位で関わるため人件費は大きくなりますが、満足度の高いサービスを提供するための必要なコストなのです。
準備期間の長さ
結婚式までの準備期間が長いことも、費用を押し上げる一因になります。
式場見学から会場決定、衣裳や装花、演出などの打ち合わせを経て結婚式を迎えるまで、数か月から1年近くかかるのが一般的です。
準備にかかる期間は、設備の維持費やスタッフの人件費に直接影響します。
式場は長期間にわたり一組のための準備を行うため、その時間と手間が結婚式の費用として積み上がるのです。
中間マージン
結婚式の費用には、中間マージンも含まれています。
中間マージンとは、衣装や装花、演出などを外部の業者に委託するときに、式場が提携業者から受け取る手数料のことです。
注文品の費用に手数料が上乗せされるため、料金がやや高めの設定になり割高に感じるかもしれません。
ただし、中間マージンは品質の維持やスタッフのサポート体制を整えるために欠かせないコスト。
大切な一日を安心して任せるための必要経費と言えるでしょう。
土日にしか稼働できない
結婚式の多くは、ゲストが参加しやすい土日に集中します。
そのため式場の稼働日は限られた日数しかなく、平日は準備や打ち合わせに充てられるのが一般的です。
つまり、実際に収益が発生するのは週の2日程度。
限られた稼働日で設備の維持費や人件費、広告費などをまかなう必要があるため、1組あたりの単価が高く設定されやすいのです。
決して割高ではなく、式場運営を継続するために必要な料金体系だと言えるでしょう。
繁忙期と閑散期がある
結婚式には繁忙期と閑散期があり、季節による需要の差も費用に影響する大きな要因のひとつ。
一般的に人気が高いのは気候が穏やかな春と秋で、需要が集中するため予約が取りづらく費用も高くなる傾向です。
一方で、暑さや寒さに影響される夏冬は閑散期になり、結婚式の件数が少なく式場の稼働率が下がります。
年間を通して安定して運営するために、式場では繁忙期の費用を高めに設定して全体のバランスを取っているのです。
結婚式の費用はどこにかかるのか

結婚式の費用が高くなる理由を理解したところで、次に気になるのは「実際にどこにお金がかかるの?」という点ですよね。
見積書の項目は多岐にわたりますが、中でも大きな割合を占める3つの項目について解説します。
料理やドリンク
結婚式の費用の中でも、大きな割合を占めるのが料理とドリンク。
一般的に料理は1名あたり1万5千~2万円程度、ドリンクは3千~5千円程度が相場です。
料飲は人数分がそのまま費用に反映されるため、ゲストが多いほど金額も上がります。
また、価格に含まれているのは食材費や設備費だけではありません。
大勢の料理をタイミングよく提供するためのスタッフや体制づくりにもコストがかかるため、高めの設定になるのです。
衣裳
結婚式で新郎新婦を引き立てるのが婚礼衣裳。
洋装か和装かによって費用は変わりますが、平均相場は新婦の衣裳が20~50万円前後、新郎は10~15万円前後になります。
レンタル料が高めなのは、衣裳スタッフの人件費やサイズ調整、クリーニング代、衣裳の管理費が含まれるためです。
また、複数枚の衣裳を着る場合やブランドドレスを選んだときは、さらに費用が上がります。
晴れ姿を満足のいく形で残すための必要な投資と言えるでしょう。
装花
結婚式の雰囲気を大きく左右するのが装花です。
メインテーブルで約3~10万円、ゲストテーブル1卓あたり約5千~1万円が相場になります。
ウェルカムスペースやチャペル、ブーケやブートニアなども含めると、合計で20~40万円前後になることも珍しくありません。
装花は、使用する花材やボリュームによって費用が大きく異なります。
さらにフローリストの技術料や当日の設営・撤収費も含まれており、見た目以上にコストがかかる部分です。
▼装花について詳しくはこちら
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/
費用を抑えるポイント

結婚式はどうしても費用がかさみがちですが、工夫次第で賢く節約することもできます。
最後に、満足度を落とさずにコストを抑えるポイントを見ていきましょう。
オフシーズンや平日を選ぶ
結婚式は土日や過ごしやすい春秋に人気が集中するため、費用が高くなりがちです。
一方で、平日やオフシーズンは会場側の稼働率が低いため、成約件数を増やす目的で割引や特典が適用されやすくなります。
例えば、料理のグレードアップ、衣裳の半額レンタル、装花のボリュームアップなど、お得なプランが用意されることも。
日程を少し工夫するだけで、数十万単位で費用を抑えられるケースもありますよ。
▼オフシーズンの結婚式について詳しく知る
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/14647/
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/15556/
アイテムを持ち込む
結婚式に必要なアイテムを自分たちで用意して持ち込むことで、費用を抑えることも可能です。
持ち込みしやすいのは、ペーパーアイテムやウェルカムスペースの装飾、衣装小物など。
ただし、式場によっては持ち込み不可や手数料がかかることもあるため、事前に確認が必要です。
手数料を含めるとかえって高くなる場合もあるので注意しましょう。
上手に活用すれば、こだわりの演出を取り入れつつ費用を抑えることができますよ。
装花を節約する
結婚式の装花は会場の印象を大きく左右する分、費用もかさみやすい項目です。
費用を抑えるには、次のような方法があります。
- 季節の花や手頃な花材を選ぶ
- テーブル装花のボリュームを調整する
- 持ち込みの装飾アイテムで華やかさを補う
- 装花の一部を持ち込みする
例えば、ゲストテーブルにキャンドルやテーブルナンバーを添えるだけでも華やかさがアップ。
また、造花のブーケやブートニア、フラワーシャワーは持ち込みやすいアイテムです。
装花の節約方法についてはこちらの記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7211/
値引き交渉を行う
結婚式の費用は、ある程度柔軟に調整してもらえる場合があります。
会場と相談して料金の見直しや割引キャンペーンの活用を検討することで、総額を抑えられるかもしれません。
ただし、値引き交渉を強引に行うのはNG。
式場側の条件や提案と自分たちの希望をすり合わせ、無理のない範囲で調整することが大切です。
交渉のポイントを押さえれば、満足度を落とさずに費用を節約することができますよ。
交渉のコツについてはこちらの記事を参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5960/
プロデュース会社を通じて開催する
式場に直接依頼するのではなく、プロデュース会社を通して結婚式を開催する方法も費用を抑えるひとつの手段です。
プロデュース会社は複数の式場や業者と提携しており、割引価格で衣裳や装花、演出などを手配できることがあります。
また、プランニングの経験が豊富なスタッフが多いのも特徴。
ふたりのイメージに沿って必要かどうか見極めて提案してくれるため、無駄な費用を減らしつつ理想の結婚式を実現できます。
まとめ:結婚式は高いが節約方法もある

結婚式の費用が高いのは、式場の維持管理や広告費、人件費など必要なコストが含まれているからです。
稼働日が限られ閑散期もあることから、年間を通して運営するために1組あたりの単価が高くなる事情もあります。
特に大きな割合を占めるのが、料理やドリンク、装花、衣裳の項目。
しかし、今回紹介した節約ポイントを工夫することで、無理なく費用を抑えることも可能です。
自分たちのこだわりも大切にしつつ、納得感のある金額で満足度の高い結婚式を叶えましょう。




