結婚式について考えるとき、まず悩むのは費用についてではないでしょうか。いくらかかるのか、今の収入であげることができるのか不安の種は尽きないでしょう。人生のビッグイベントではありますが、なるべく予算は抑えたいと考える方がほとんどです。
本記事では元ウエディングプランナーが費用について解説するので、会場選びのしがらみに捕らわれずに、広い視点で結婚式の費用と向き合えます。
結婚式の選択肢は教会でのキリスト教式以外にもあるのです。全体的な相場観のほか、挙式方法や会場タイプ毎にかかる金額を紹介します。組み合わせ次第で安く結婚式をあげることも可能です。
他にも節約方法などを解説しているので、予算を抑えてウエディングパーティーを開くことができるでしょう。
本記事がウエディング開催への後押しになれば嬉しく思います。まずはいくらかかるのか相場観から見ていきましょう。
結婚式にかかる費用って?
結婚式にかかる費用は、地域や招待人数によって大きく変わってきますが、310万円くらいが相場です。ですが、コロナ禍を経て結婚式の規模が縮小傾向にあり平均値としては下がってきているという体感がありました。
250万円~300万円がボリュームゾーンだったのです。招待人数の制限により余儀なく縮小されたケースや中止、延期もあったので一時的にかかるお金は下がっているように見えたでしょう。
最近は開催件数も参加人数も回復傾向にあり、かかる金額の相場も上がると予想しています。そのため、ひとまず300万円くらいはかかるのだと思っておくのがよいでしょう。内訳としては挙式料、飲食代、衣裳代、装花代、ギフト代、ペーパーアイテムといったところです。
この金額を見てしり込みしてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、丸々全てお二人の負担になるわけではありません。ご親族からの援助やゲストからのご祝儀と差し引きした金額が、最終的なお二人のお持ち出し金額だからです。
●ご祝儀の計算方法
ご祝儀の計算方法ですが、参加人数に3.3万円をかけた金額と言われています。これはご家族や上司などが多めにご祝儀を包んでくれることを想定した、一人当たりの金額です。
実際いくらになるかは当日まで分かりませんが、目安として使われます。個人的には結構当たっていると感じますし、思ったより多かったというパターンもたくさんありました。
●ご親族からの援助
親御様やご親族から金銭的な援助があった新郎新婦様も多くいらっしゃいます。だいたい150万円前後の援助があった方が多いです。
初めからあてにしていると痛い目を見る可能性はありますが、自分の子どもの晴れ姿を見たいと考える親御様は多いでしょう。経済的な理由でウエディングを躊躇っているのなら、一度それとなく話題を出してみるのも1つの手です。
●自己負担額はいくらか
自己負担額の算出方法について紹介します。自己負担額は結婚式にかかる総額からいただいたご祝儀と援助された金額を引いた額です。
結婚式にどれだけ妥協できるや招待する人数によっても大きく総額は変わってきます。ただ、思ったよりも開催できそうだと感じてもらえれば嬉しいです。
●結婚式以外にかかるお金
さて、開催が現実的になったところで、ウエディングにまつわる出費は挙式、披露宴だけではないことも忘れてはいけません。以下の付随イベント及び購入が待っています。カットできるところもあるので、あまり失望せず前向きにいきましょう。
- 結納 / 顔合わせ食事会
- 婚約記念品
- ハネムーン
- 引っ越し
- 二次会
ウエディングパーティーにかかるお金について節約術も紹介していきます。お二人のご予算内に収まるウエディングを探していきましょう。
4つの挙式方法と挙式料
式のあげ方は大きく4つあり、それぞれでかかるお金が異なることはご存じでしたでしょうか。特徴や金額の違いを紹介していきます。
●教会式
ウエディングと聞いてまず想像されるスタイルです。キリスト教式とも言われますが、信徒でなくてもあげられます。ステンドグラスと十字架の元で誓いのキスをするーンに憧れがある方も多いでしょう。
教会で式をあげるには挙式料が15万円~25万円ほどかかります。牧師/神父、聖歌隊の手配など演出が多いためです。
●神前式
神社であげる式は神前式と呼ばれます。日本の伝統的な挙式スタイルで、花嫁行列のイメージがあるかもしれません。神社で式を執り行うには初穂料を納める必要があります。10万円~20万円が相場となり、教会式よりは安いです。
●人前式
宗教や型に囚われない、オリジナル挙式にできるのが人前式になります。ゲストに向けて婚姻を宣言するもので、流れも決まりもありません。
挙式料としては10万円~15万円ほどとなり、自分たちで作り上げる側面が大きいので費用も低いです。こだわった演出にすればするほど出費も多くなるので、そこは気をつけてください。
●仏前式
仏閣にて仏様や先祖へ結婚を報告する挙式スタイルです。あまり選ぶ人は多くないですが、和婚で考えている方から細く長く人気があります。
挙式料としては10万円~25万円ほどでそれほど高くありません。ただウエディングに関する施設が充実していなかったり、他の部分で出費が多くなる可能性はあります。
一番手軽なのは人前式での挙式です。どんなウエディングにしたいのかのイメージと、予算に合わせて考えてみてください。
挙式会場の種類について
挙式スタイルによって費用が変わることを紹介しましたが、結婚式を行う会場によっても金額が大きく変わります。ホテルやチャペル以外にも選択肢はあるので、チェックしてみましょう。
●式場・ゲストハウス
まずは専門式場やゲストハウスでウエディングパーティーを行う場合の解説です。結婚式専用の施設になりますので、設備が整っていて雰囲気もよい会場が多くあります。ウエディングというと、式場かホテルであげるものというイメージがあるかたもいらっしゃるでしょう。
総額費用としては、上から下まで幅広く分布しています。安いところを探せば予算を抑えての挙式が可能です。予算分布としては240万~340万円くらいがボリュームゾーンになります。
●ホテル
続いてホテルウエディングについてですが、ホテルでの開催も人気です。設備の充実さに加え、全面的なバックアップを期待できることや宿泊できることが人気な理由でしょう。
予算は少し高めですが、その分充実したサービスを期待できます。予算分布としては260万円~300万円ほどがボリュームゾーンです。
●レストラン
じわじわと開催実績を伸ばしているのがレストランウエディングになります。ウエディングにも対応可能なレストランは増えてきており、クオリティの心配はしなくても大丈夫です。食でおもてなしがしたい方や記念日にまた訪れたい方に選ばれます。
一番安く済むのはレストランでのウエディングです。普段はレストランとして営業するため、専門性は相対的に劣ります。ただ、結婚式のメインは新郎新婦様と料理でしょう。中心となる要素について心配はいりません。
予算分布としては190万円~230万円程度がボリュームゾーンになります。
●挙式会場(神社、仏閣、ガーデン、ロビー等)
その他、神社やガーデンなどでも挙式は可能です。神社で披露宴会場も備えているパターンであれば、240万円~280万円ほどが目安になっています。
ホテルなどの設備の1つとして利用する場合は、挙式料だけ変わってくるというイメージです。教会式の挙式料よりは安いことがほとんどになります。
人数やゲスト層によって変わるご祝儀
ご祝儀は参加人数が多い方が多く集まりますし自己負担額を抑えることが可能です。少人数での開催の場合、費用総額としては低くなります。しかし、人数に対してのコスパという面で考えると必ずしもよいとは言えません。
また、目上の方や親族は友人らよりも多めにご祝儀を包む方が多いです。友人よりも目上の方の割合が多いウエディングパーティーであれば、通常よりも多くご祝儀が集まるでしょう。どうしてもやりくりが難しい場合など参考にしてみてください。
人数は多めに呼んで目上の方や親族の割合が高いと、ご祝儀で集まる金額も高くなります。
費用を抑えるポイント
続いて、結婚式の費用自体を下げる方法についての紹介です。費用抑える方法は大きく3通りあります。
- グレードを上げない
- アイテムを持ち込む
- 日時にこだわらない
予算オーバーする大きな理由の1つが、後から色々とグレードアップしたことによる見積額の上昇です。よくグレードアップされる項目について解説します。
●料理のグレード
後から見積額が上がる項目ランキング堂々の第1位が料理内容です。ゲストは料理も楽しみにしていますから、おもてなしとして力を入れる方が多くいらっしゃいます。また、最初の見積書では必要最低限しか入っていなかったり、内容が不十分なパターンも多いです。
料理内容は直接ゲストの満足度に影響を及ぼす項目になります。初めからグレードを上げた状態での見積書作成がおすすめです。
●衣裳、小物のグレード
衣裳も見積額が上がるポイントになります。これはいかに妥協できるか、どこまで許容できるかの問題です。衣裳に妥協ができないのであれば、小物類を節約しましょう。
●装花のグレード
装花も見積額が上がりやすい項目です。生花は基本的に高いものと考えましょう。グレードを上げなくても数が多いだけで、予算が削られていきます。必要な分だけ、必要な豪華さで準備するのが吉です。
●アイテムを持ち込む
会場側で用意するのではなく、自分たちで用意して持ち込むことが可能なアイテムもあります。特にペーパーアイテムは持込無料のところも多いです。
持込料がかからないものは、持ち込んだ方が安く済む場合がほとんどになります。衣裳小物なども持ち込めないか交渉してみるのもよいでしょう。
●日時にこだわらない
そして、費用を下げるテクニックの1つに日時にこだわらないというものがあります。結婚式もサービスですから、需要の高い日時は価格が上がるのです。需要が高い日時とは、土曜日の午前中や大安の日が当てはまります。
平日が一番安いです。また、土日でも日曜の方が比較的安いことも多くあります。どうしてもこの日のこの時間というこだわりがないのであれば、安くなる日時で会場探しをしてもよいでしょう。
一番安くなる組み合わせとは
結婚式の費用について紹介しました。全体的な相場観や節約方法が参考になれば幸いです。入ってくるお金もあるので、総額だけ見てしり込みせずまずは、会場を探してみてはいかがでしょうか。
一番予算を抑えやすいのはレストランでの人前式挙式です。お金をかけすぎずにアットホームで温かなウエディングパーティーを開催できるでしょう。
結婚式をあげるためにまず必要なのは、新郎新婦様が1歩踏み出すことです。いよいよウエディングを開催できる段階になったら、会場を探していきましょう。よい結婚式になるお手伝いができたら嬉しく思います。