祖父母からいただく結婚祝いには、新生活への温かい応援の気持ちが込められています。
その感謝を伝える結婚内祝いは、マナーを守りつつ喜ばれる品物を選びたいものです。
「身内からもらった結婚祝いにもお返しは必要なの?」
「高額なお祝いを貰ったので、何を返せばいいのか分からない」
「祖父母に喜ばれる内祝いって?」
この記事では、祖父母へのお返しにふさわしいギフトの相場や時期、おすすめの品物を紹介します。
また、感謝の気持ちがしっかりと伝わるメッセージの書き方や文例も解説するので、心のこもった内祝いを贈るための参考にしてください。
祖父母へ結婚内祝いを贈るときの基本マナー

祖父母への結婚内祝いを贈る際には、適切な時期や金額の相場といった基本マナーを押さえておくことが重要です。
タイミングが遅れたり、相場から大きく外れた金額の品物を贈ったりすると、かえって相手に心配をかけてしまう可能性があります。
感謝の気持ちをきちんと伝えるためにも、贈る時期、金額の目安、そして品物にかけるのし紙のルールを正しく理解し、失礼のないように準備を進めましょう。
祖父母にも結婚内祝いは必要か
結婚内祝いは、お祝いをいただいた方へ感謝を伝えるために贈る品物です。
祖父母は身内だからこそ「お返しは不要」と考える人もいますが、基本的には贈るのがマナーとされています。
結婚という人生の節目にいただいたお祝いに対して、二人の門出を報告し、感謝の気持ちを形にして示す良い機会となります。
今後の良好な関係を築くためにも、特別な事情がない限りは結婚内祝いを用意しましょう。
結婚内祝いの相場
結婚内祝いの金額相場は、いただいた結婚祝いの半額(半返し)から3分の1程度が一般的です。
祖父母からは高額なお祝いをいただくケースも多いため、必ずしも半返しにこだわる必要はありません。
例えば、3万円のお祝いなら1万円から1万5千円、5万円なら1万7千円から2万5千円程度が目安です。
相場はあくまで目安であり、最も大切なのは感謝の気持ちです。
祖父母は孫夫婦の幸せを願ってお祝いを贈ってくれているため、高額な内祝いはかえって気を使わせてしまう可能性もあります。
無理のない範囲で、感謝が伝わる品物を選びましょう。
品物を贈るタイミング
結婚内祝いを贈るタイミングは、お祝いをいただいてから1か月以内が目安です。
結婚式の後に贈る場合は、式の後1か月以内に届くように手配します。
結婚式を挙げない場合や、入籍より前にお祝いをいただいた場合でも、いただいてから1か月以内にお返しをするのが一般的です。
もし準備が遅れてしまった場合は、お詫びの言葉を添えたメッセージカードを同封すると丁寧な印象になります。
感謝の気持ちを新鮮なうちに伝えるためにも、早めに準備を始めることが望ましいです。
特に遠方に住んでいる祖父母へは配送に時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
のし紙の選び方と書き方
結婚内祝いの品物には、のし紙を掛けるのが正式なマナーです。
水引は、紅白または金銀の結び切りを選びます。
結び切りは一度結ぶと解けないことから、結婚が一度きりであるようにという願いが込められています。
表書きの上段には「内祝」または「結婚内祝」と書き、下段には新姓のみ、あるいは夫婦の連名を記載します。
連名の場合は、右に夫の名前、左に妻の名前を書くのが一般的です。
毛筆や筆ペンを使い、楷書で丁寧に書くことで、より一層心のこもった贈り物になります。
デパートやギフトショップでは適切に対応してくれるため、購入時に相談すると確実です。
結婚内祝いではNGの品物
結婚内祝いには、お祝い事の贈り物としてふさわしくないとされる、避けるべき品物がいくつか存在します。
これらは縁起が悪いと解釈されたり、目上の方に対して失礼にあたると考えられたりするためです。
祖父母に不快な思いをさせないよう、基本的なタブーを理解しておくことが大切です。
良かれと思って選んだ品物がマナー違反にならないよう、事前に確認しておきましょう。
▼刃物や割れ物
結婚内祝いで避けるべき品物の代表例として、刃物や陶器などの割れ物が挙げられます。
包丁やハサミなどの刃物は「縁が切れる」ことを連想させ、お祝いの贈り物には不向きとされています。
同様に、ガラス製品や陶器なども「壊れる」「割れる」といった言葉につながるため、縁起が良くないと考える人もいます。
ただし、近年では未来を切り拓くといったポジティブな意味合いで刃物を贈ったり、ペアグラスなどを夫婦円満の象徴として贈るケースも増えています。
相手が気にしない間柄であれば問題ないこともありますが、祖父母世代へ贈る際は、伝統的なマナーを尊重し、避けた方が無難でしょう。
▼履物や敷物
スリッパや靴下などの履物、玄関マットなどの敷物は、相手を「踏みつける」という意味合いを持つため、目上の方への贈り物としては失礼にあたるとされています。
同様に、下着類も相手の生活に立ち入りすぎる印象を与えるため、結婚内祝いにはふさわしくありません。
また、現金や商品券は金額が直接的にわかってしまい、目上の方へ贈ると生活の足しにしてくださいという意味に取られかねないため、避けるのが一般的です。
ただし、カタログギフトは品物を選ぶ楽しみがあるため、商品券とは異なり贈っても問題ありません。
祖父母への敬意を示すためにも、これらの品物は選ばないようにしましょう。
祖父母への内祝いにおすすめギフト

祖父母への結婚内祝いは、何を贈れば喜んでもらえるか悩むものです。
身内だからこそ、相手の好みやライフスタイルを考慮して選びたいところ。
ここでは、祖父母世代に人気があり、感謝の気持ちが伝わるおすすめのギフトをジャンル別に紹介します。
二人の門出を祝ってくれた大切な祖父母が、思わず笑顔になるような素敵な品物を見つけるための参考にしてください。
二人の写真入りで記念になるメモリアルギフト
結婚式の写真や前撮りの写真を使ったフォトフレーム、フォトアルバム、カレンダーなどは、孫夫婦の幸せな姿をいつでも見ることができるため、祖父母にとって何よりの贈り物です。
時計やマグカップなどに写真や名前、メッセージを印字できるサービスもあり、世界に一つだけの特別な記念品になります。
こうしたメモリアルギフトは、見るたびに結婚式の日の感動や孫の晴れ姿を思い出させ、長く手元に残る喜びを届けます。
少し贅沢な気分を味わえるグルメやスイーツ
自分ではなかなか買わないような、少し贅沢なグルメやスイーツは、幅広い年代に喜ばれる定番のギフトです。
老舗料亭のお茶漬けセットや有名ホテルのスープ詰め合わせ、ブランド和牛のすき焼きセットなどは、食卓を豊かに彩ります。
甘いものが好きな祖父母には、有名パティスリーの焼き菓子や、縁起の良いバウムクーヘン、上品な和菓子などがおすすめです。
相手の健康を気遣い、減塩や無添加にこだわった商品を選ぶのも良いでしょう。
夫婦二人で楽しめる量や、日持ちのする個包装タイプを選ぶと、より親切な贈り物になります。
毎日使える上質なタオルや寝具などの日用品
上質で実用的な日用品も、結婚内祝いとして人気があります。
特に、肌触りの良い高級なタオルセットは、毎日使うものだからこそ質の良さが実感でき、喜ばれるアイテムです。
木箱に入ったものや、紅白などおめでたい色のセットを選ぶと、より特別感が演出できます。
また、寒い季節には温かいブランケットやひざ掛け、質の良いパジャマなどもおすすめです。
自分ではあまり新調する機会がないものだからこそ、孫夫婦からの贈り物として重宝されます。
祖父母の暮らしに寄り添い、少しだけ豊かにするような品物選びを心がけましょう。
好きなものを選んでもらえるカタログギフト
祖父母の好みがわからない場合や、すでにたくさんの物を持っている場合には、カタログギフトがおすすめです。
グルメ、雑貨、旅行、体験ギフトなど、幅広いジャンルの中から好きなものを自由に選んでもらえるため、相手の好みを外す心配がありません。
近年では、特定のジャンルに特化したカタログも増えており、例えば全国の名産品を集めたグルメカタログや、温泉旅行を選べる体験型カタログなど、祖父母の趣味に合わせられます。
品物選びに迷った際には有効な選択肢ですが、選ぶ手間をかけさせてしまう側面もあるため、メッセージカードを添えるなど、気持ちを伝える工夫を忘れないようにしましょう。
一緒に思い出を作れる旅行券や食事券
品物ではなく「時間」を贈るギフトも、心に残る素敵なお返しになります。
夫婦水入らずで過ごせる温泉旅行のペアチケットや、少し高級なレストランでの食事券は、非日常的な体験をプレゼントできます。
特に高額なお祝いをいただいた場合のお返しとしておすすめです。
また、新郎新婦も一緒に食事に行く計画を立てるのも、二人の元気な姿を見せられる良い機会になります。
贈る際には、祖父母の体力や健康状態を考慮し、移動が負担にならない場所や、バリアフリー対応の施設を選ぶなどの配慮が必要です。
思い出作りという特別な価値を提供する贈り物となるでしょう。
内祝いに添えるメッセージカードの書き方

結婚内祝いを贈る際には、品物だけでなく感謝の気持ちを綴ったメッセージカードを添えることが重要です。
心のこもった言葉があるだけで、贈り物はより一層特別なものになります。
形式的な文章だけでなく、祖父母との思い出や、これからの新生活への抱負などを加えることで、二人の気持ちがより深く伝わります。
ここでは、メッセージを作成する際の基本的な構成と、参考にできる文例を紹介します。
メッセージの書き方
感謝を伝えるメッセージには基本的に3つの要素を含めるとまとまりやすくなります。
- 結婚祝いをいただいたことへのお礼の言葉
- お祝いの品への感想や結婚式の様子
- 今後の抱負や祖父母の健康を気遣う言葉
これにより相手は無事に届いたことや二人が喜んでいる様子を知ることができ安心します。
この3つの要素を盛り込むことで丁寧で心のこもったメッセージが完成します。
定型文に頼りすぎず自分たちの言葉で素直な気持ちを綴ることが大切です。
フォーマルなメッセージ例文
おかげさまで〇月〇日に無事結婚式を執り行うことができました
ささやかではございますが心ばかりの品をお贈りいたしましたのでご笑納ください
未熟な二人ですが力を合わせ温かい家庭を築いていきたいと思っております
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます
季節の変わり目ですのでどうぞご自愛ください
カジュアルなメッセージ例文
この度は素敵なお祝いをありがとう!
いただいたお祝い金で新生活に必要な〇〇を買わせていただきました
大切に使います
ささやかですが内祝いの品を贈ります
気に入ってくれると嬉しいな
これからは二人で力を合わせて笑顔の絶えない家庭を築いていきます
また近いうちに顔を見せにいきますね
これからも温かく見守っていてください
寒くなってきたので体に気をつけて過ごしてね
祖父母への内祝いについてよくある質問

祖父母への結婚内祝いについて、よくいただく質問をまとめました。
高額なお祝いへの対応や、「お返しは不要」と言われた際の対応など、迷いやすいポイントについて詳しく解説しています。
感謝の気持ちを伝えるための参考にしてください。
Q.高額なお祝いをもらった時の内祝いはどうしたらいい?
A.結婚祝いが高額な場合は、3分の1程度のお返しでも問題ありません。
祖父母から10万円を超えるような高額な結婚祝いをいただくこともあります。
新生活を応援したいという気持ちが込められたお祝いに対して、相場通りの半返しをするとかえって祖父母に気を遣わせてしまうかもしれません。
10万円のお祝いであれば3万円程度の品物を選ぶのが一つの目安です。
また、このような場合の結婚内祝いは、相場に縛られすぎず感謝の気持ちを伝える方法を工夫することが求められます。
品物選びだけでなく、他の形でお礼をすることも含めて検討しましょう。
金額よりも、二人の結婚生活が順調であることを報告し、感謝の気持ちを丁寧に伝えることが何よりも喜ばれるお返しです。
例えば、新居に招待して手料理を振る舞ったり、一緒に食事や小旅行に出かけたりするのも素晴らしい贈り物になります。
物として残るお返しも良いですが、一緒に過ごす時間を作ることで、より深く感謝の気持ちを伝えられます。
結婚式の写真やアルバムを特別に作成してプレゼントするのも、二人の幸せな姿を見せることができるため喜ばれるでしょう。
品物と組み合わせる形で、こうした心遣いをプラスすることも検討してみてはいかがでしょうか。
Q.「お返しは不要」って言われたら贈らなくてもいいの?
A.その言葉をそのまま受け取るのではなく、感謝の気持ちとして内祝いを贈るのが丁寧な対応です。
祖父母から「お返しはいらないよ」と気遣いの言葉をかけられることは少なくありません。
これは孫夫婦に負担をかけたくないという優しさからくる言葉です。
高額な品物を避け、相手が気を使わない程度の菓子折りや食品を選ぶなど、配慮を示すと良いでしょう。
品物だけでなく、結婚式の写真や新婚旅行のお土産を渡したり、食事に招待したりするのも喜ばれます。
何よりも、まずはお礼の電話を入れ、後日改めて感謝の気持ちを伝える形を取ることで、祖父母の心遣いを無下にしない姿勢が伝わります。
内祝いを辞退されたときの対応について詳しく紹介した記事もあるので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/14130/
まとめ:喜ばれる内祝いを贈ろう

祖父母への結婚内祝いは、いただいたお祝いへの感謝と、二人の門出を報告する大切な贈り物です。
お祝いをいただいてから1か月以内を目安に、金額の相場である3分の1から半額程度の品物を準備しましょう。
高額なお祝いの場合は金額にこだわりすぎず、食事会や旅行といった体験ギフトを贈るのも良い方法です。
「お返しは不要」と言われた場合でも、感謝の気持ちとして品物を贈るのがマナーです。
品物選びでは、二人の写真が入った記念品や上質なグルメ、日用品などが喜ばれます。
何よりも大切なのは、心のこもったメッセージを添えることです。
本記事で紹介した内容を参考に、祖父母に喜んでもらえる結婚内祝いを贈りましょう。




