結婚式の席次表でつまずきやすいのが「肩書き」の書き方です。
親族や友人、職場の上司など相手との関係性によって表現が異なるため、よくわからないと悩んでしまうかもしれません。
「両親に“様”はつける?」
「友人の肩書きの書き方を知りたい」
「再婚した親の肩書きは?」
本記事では、ゲストの立場や関係性ごとに正しい肩書きの書き方を具体的に解説します。
主賓や職場の方々に対して失礼がないよう肩書きの間違えやすいポイントを押さえましょう。
兄弟の結婚や親の再婚など、家族の婚姻状況によって変わる肩書きや敬称の書き方についても網羅しています。
本記事を読めば、席次表にふさわしい肩書きのマナーがひととおり理解でき、安心して結婚式当日を迎えられるでしょう。
肩書きの基本
席次表には、ゲストがどういう関係の方かが一目で伝わるように氏名の上に「肩書き」を記載します。
肩書きの基本のルールを押さえて、ゲストへの敬意を表しましょう。
肩書きには間柄を書く
肩書きは、新郎新婦様とゲストとの関係性が伝わるように記すのが基本です。
新郎側・新婦側どちらの関係者かも明記しましょう。
新郎新婦様にとってはお世話になった方々ですが、ゲスト同士は初対面ということも多いです。
席次表に肩書きの記載がないと、相手がどのような立場か分からず、ゲスト同士も会話しづらくなってしまうかもしれません。
新郎新婦様との間柄を表す肩書きを添えることで、ゲスト同士も互いの立場を理解し、交流しやすくなるでしょう。
両家で書き方を統一する
肩書きの書き方は、両家で表記をそろえることが重要です。
たとえば、片方が漢字表記で「伯父」、もう一方がひながら表記で「おじ」では違和感が生じてしまいます。
漢字・ひらがな、敬称の有無など、細かな点にも注意が必要でしょう。
打ち合わせの際に両家で肩書きの方針をすり合わせて、統一した肩書きの書き方をしてください。
親族の肩書きや敬称について
親族ゲストの肩書きについては、血縁関係ごとに続柄を表す慣習的なルールが決まっています。
親や兄弟などの近しい関係から遠い親戚まで、関係性ごとに適切な書き方を確認しておきましょう。
また親族については、敬称についても注意が必要なため併せて解説します。
両親に「様」は付けない
両親には「様」という敬称は不要です。
本来結婚式は両家がおもてなしをするものであり、親は主催者側として考えられます。
敬称はゲストに対して用いるものなので、主催者側である両親には省くのが一般的。
むしろ敬称をつけると、ゲスト扱いと感じられ、親との距離を感じさせてしまうかもしれません。
席次表では「新郎父 山田太郎」のようにシンプルに記載しましょう。
兄弟姉妹の肩書き
兄弟姉妹の肩書きは、「新郎弟」「新婦姉」などと記載します。
未婚の場合は、主催者家族の一員として考え、敬称の「様」は省きましょう。
既婚の場合は、独立して新たな家族を築いていると考え「様」をつけるのが一般的です。
兄弟や姉妹の配偶者には、「義兄」や「義妹」という肩書きを使います。
配偶者の実年齢ではなく、血縁関係のある兄弟姉妹に合わせるのがポイント。
たとえば、新郎新婦様より年上であっても、弟の奥様なら「義妹」となります。
【兄弟姉妹の配偶者の肩書き】
兄の配偶者 | 義姉 |
姉の配偶者 | 義兄 |
弟の配偶者 | 義妹 |
妹の配偶者 | 義弟 |
子どもの肩書き
兄弟姉妹の子どもが同席する場合は「新郎甥」「新婦姪」のように記載します。
敬称は年齢に応じて「くん」や「ちゃん」を用いてもよいでしょう。
子どもであっても肩書きの省略は避け、家族全体で分かりやすい表記を意識してください。
祖父母の肩書き
祖父母の肩書きは、父方か母方かに関わらず「祖父」「祖母」です。
祖父母は、同居か別居かにより敬称の有無が異なるため注意が必要。
同居している場合は、主催者家族の一員として「様」を省略します。
別居の祖父母は、ゲストの立場になるため「様」をつけるのが一般的。
ただし父方と母方で表記に差が出るのが気になる場合は、どちらも「様」をつけて統一するのがおすすめです。
遠い親戚の肩書き
結婚式では「いとこ」や「はとこ」までは、具体的な関係性を記載する場合が多いです。
さらに遠い親戚については「親族」と表現してよいでしょう。
どの程度の親戚から「親族」とまとめて記載するか、両家であらかじめ基準をそろえて統一してください。
親戚の肩書きについては、両家の親に意向を確認してみてもいいでしょう。
いとこやはとこは、年齢や性別によって漢字表記が変わるため注意してください。
いとこやはとこの配偶者については、兄弟姉妹のように血縁関係のある方に合わせましょう。
【いとこやはとこの表記の仕方】
新郎新婦様との関係 | いとこ | はとこ |
同じ年齢または年上の男性 | 従兄 | 再従兄 |
同じ年齢または年上の女性 | 従姉 | 再従姉 |
年下の男性 | 従弟 | 再従弟 |
年下の女性 | 従妹 | 再従妹 |
両親が再婚している場合の肩書き
再婚した親を招く場合、現在の関係性に基づいて肩書きを記載してください。
たとえば母親の再婚相手の場合、「新婦義父」と表記する方もいらっしゃいます。
ただしゲストの中には事情を知らず、違和感を感じる方もいるかもしれません。
父や母の表記を使いたくない場合には、「新婦親族」とするのが無難でしょう。
親御様と相談して決めるのがおすすめです。
友人の肩書きについて
友人ゲストの肩書きは、年齢や出会った時期によって書き分けても良いでしょう。
社会人の友人と学生時代の友人では、表現方法も変わってきます。
夫婦で招待する場合の配慮も含め、ふさわしい書き方を確認しましょう。
年代で分けて書く場合の書き方
友人は「新郎友人」「新婦友人」と記載するのが基本です。
ただし、小・中・高校・大学時代の友人など、年代が分かれている場合は補足を加えても問題ありません。
たとえば「新郎の大学友人」「新婦の高校友人」とすることで、他のゲストにも関係性が伝わります。
あまり細かく書きすぎると冗長になるため、全体のバランスを見て判断しましょう。
社会人になってからの友人の場合
社会人になってから知り合った友人は、シンプルに「新郎友人」「新婦友人」で大丈夫です。
職場以外で出会った場合には、「〇〇サークル友人」などのように、関係性を細かくご紹介しても。
夫婦で招待したときの肩書き
ご夫婦で出席してくれる場合にも、基本は夫婦共に「友人」という表記で問題ありません。
ご夫婦のどちらか一方との交友が中心であれば「友人」と「〇〇様御主人」「〇〇様令夫人」のように記載しても良いでしょう。
またお子様も連れての参列の場合には「〇〇様御子息」「〇〇様御令嬢」と表記してください。
職場関係者の肩書き
職場関係の方々はゲストの中でも来賓にあたり、会社名や役職を含めた丁寧な肩書きが求められます。
上下関係や職場の立場を尊重した表記で、失礼のないよう心がけましょう。
上司の肩書き
上司の肩書きは、会社名と役職を略さず正式に記載するのがマナーです。
たとえば「株式会社〇〇 営業部 部長 佐藤太郎様」のように記載しましょう。
肩書きを略すと失礼にあたる可能性がありますので、事前に名刺などで正式名称を確認してください。
「株式会社」が社名の前後どちらにつくかは会社ごとに異なり、間違えやすいポイントなので気を付けましょう。
先輩の肩書き
職場の先輩は「会社名+肩書き」または「職場の先輩」と記載するのが一般的です。
役職がある場合は、上司と同様に明記してください。
役職がない場合は、「先輩」と記載して敬意を表すことができます。
たとえば「株式会社〇〇 営業課 先輩」や「会社先輩」などの表現が適切でしょう。
同僚・後輩の肩書き
同僚や後輩には、「新郎職場の同僚」「新婦 会社同僚」などの表記を用いるのが一般的。
職場名を併記する場合は、「株式会社〇〇 総務部 同僚」のように記載します。
同じ時期に入社した同僚に関しては「職場同期」という表現でもよいでしょう。
後輩の場合には、相手を立てる意味で「会社同僚」とするのが一般的です。
前の会社の人・退職した人の肩書き
前の会社の同僚や退職した人を招く場合、「前職の同僚」「会社の元同僚」などの表記を用いましょう。
退職後の関係であっても、かつての立場を尊重するのがマナーです。
現在の同僚と混同されないよう、明確な表現に配慮しましょう。
取引先や関係企業の人の肩書き
取引先の方を招く場合、「〇〇株式会社 営業部長」など会社名と役職を明確に記載しましょう。
会社名の略称は避け、正式名称を確認してください。
社外の関係者には失礼のないように、丁寧で正確な表記を心がけ今後も良好な関係を築いていけるようにしましょう。
目上ゲストの肩書き
主賓や恩師、媒酌人など、目上のゲストには特に丁寧な肩書きが求められます。
社会的立場や敬意を正確に伝えるため、肩書きの書き方には細心の注意を払いましょう。
基本ルールを踏まえたうえで、失礼のない表現を選ぶのが大切です。
主賓の肩書き
主賓として招いたゲストには、正式な会社名や役職を明記することが基本です。
たとえば「株式会社〇〇 代表取締役社長 山本太郎様」など。
席次表でも最上席に位置するため、表記の誤りには特に注意が必要です。
主賓の肩書きは長くなりやすいため、印刷時に文字が見切れてないかもしっかりチェックしましょう。
恩師の肩書き
学校や塾の先生など、恩師を招く際には「恩師」や「〇〇高校恩師」のように記載します。
肩書きや敬称に「先生」と書くのは避け、名前の後には「様」をつける形が一般的。
肩書きを簡潔に表現しつつ、敬意をきちんと示しましょう。
教員として現職の場合は、勤務先を併記しても構いません。
媒酌人の肩書き
媒酌人を立てる場合は、「御媒酌人」と明記したうえで氏名を記載します。
たとえば「御媒酌人 鈴木一郎様」「御媒酌人令夫人 鈴木花子様」のように表現しましょう。
他のゲストと明確に区別するため、特別な位置づけとして表示してください。
現在は媒酌人を立てない結婚式も多いですが、招く場合は丁寧な表現が必須です。
まとめ:正しい肩書きで席次表を作成しよう
肩書きは、ゲストとの関係性や立場を正しく伝えるための大切な情報です。
日常生活ではあまり使わない表現もあるため、正しいか不安になることもあるでしょう。
本記事では席次表の肩書きについて、親族や友人・職場関係など関係性ごとに解説しています。
迷ったときは「ゲストが見た時にどう感じるか」を基準に考えると、適切な表現を選びやすくなるでしょう。
両家でルールを統一し、読みやすく整った席次表を作成してくださいね。