結婚式場と本契約を交わすときに、会場の雰囲気と見積金額だけ見てサインすると後悔するかもしれません。
見積書をしっかり確認しておらず、「必要な項目が抜けていた」「着たいドレスがプラン外だった」というケースもあるからです。
また、やむを得ない事情で日程変更やキャンセルをする可能性もあるでしょう。
「日程変更はいつまでできる?」「キャンセル料は?」といったことも、契約前に確認しておくことが大切です。
そこで今回は、元ウエディングプランナーの筆者が、結婚式場で本契約をするときの注意点を徹底解説していきます。
結婚式当日を心から楽しむためにも、これから結婚式場を決めるという方はぜひ最後までお読みください。
結婚式場との本契約とは
後悔しない結婚式を挙げるためには、結婚式場との契約がどういうものなのか理解しておくことが大切です。
まずは、仮契約と本契約の違いや、契約の手順について見ていきましょう。
仮契約とは
結婚式場との契約には、「仮契約」と「本契約」があります。
仮契約とは、結婚式の日時を仮で押さえておくことです。
仮契約期間は7~10日くらいで、無料で仮押さえできる式場が多いですが、有料のところもあります。
有料でも、キャンセルすればそのまま返金してくれるところがほとんどです。
もちろん、そのまま本契約すれば申込金に充当されるので、余分に費用が掛かるわけではありません。
本契約とは
本契約は結婚式場と正式に契約を交わすことで、日取りやプラン、特典等が確約されます。
契約書にある規約(もしくは約款)には細かな取り決め事項が書いてあるので、しっかり読み込むことが大切です。
一方で、見積書はあくまで契約時の想定なので、今後の打ち合わせで内容や金額が変わる可能性があることを理解しておきましょう。
また、本契約時は申込金が必要です。
10~20万円くらいで式場によって異なりますが、たいていは結婚式の費用として請求書で相殺されます。
契約するタイミング
結婚式場と契約するタイミングは、結婚式の6~10か月前が一般的です。
その後は衣装合わせを進めつつ、4~5か月前から本格的な打ち合わせが始まるという流れになります。
ただし、人気で予約が取りづらい式場や日取りにこだわりがある場合は、1~1年半前に契約するケースも少なくありません。
また、式場に空きがあれば2~5か月前に契約することもできますが、スケジュールがタイトになることを心得ておきましょう。
契約の流れ
契約までは、次の流れに沿って進めます。
- 式場を見学する
- 見積もりや日程を提案してもらう
- 日取りを決めて仮契約する
- 検討後、本契約する
仮契約段階では、いくつか式場を仮押さえして比較検討して決めてもかまいません。
ただし、他にも検討しているカップルがいるので、仮押さえは2~3箇所くらいにしておきましょう。
また、仮契約なしで本契約してもかまいませんが、見落としがないように一旦持ち帰って検討したほうが安心です。
本契約前に確認すること
後悔しない結婚式にするための重要ポイントは、本契約前に内容を十分確認しておくこと。
一旦契約をしてしまうと、変更したくてもできなかったり追加で費用がかかったりすることが少なくありません。
トラブル回避のためにも、確認事項をしっかりチェックしておきましょう。
見積書の内容
見積書はつい総額に目が行きがちですが、項目ひとつひとつをしっかり確認することが大切です。
初期見積もりでは全体の費用を安く見せるために、最低限のアイテムしか入っていないケースも少なくありません。
最初から希望の内容を入れた見積もりを作ってもらえば、大幅に金額がアップすることも避けられますよ。
▼値引き交渉は契約前に済ませる
結婚式の費用は値引き交渉できますが、ポイントは本契約をする前に行うことです。
本契約後は、提案された見積書や契約内容で合意したことになるので、一切受けてもらえません。
ただし、あまり強引な値引き交渉は心証を悪くしてしまうので、やりすぎは禁物です。
おすすめの交渉フレーズは「なにか特典をつけてくれませんか?」「この式場より安くしてくれたら決めます」など。
また、どの式場でも値引き交渉するのではなく、ある程度候補を絞ってから行いましょう。
▼契約後に見積もりが上がりやすいポイント
契約後に見積もりが上がるポイントは、主に次の3つです。
- 人数の増加
- 商品の追加
- 商品のグレードアップ
人数の増減で、かなり金額に差がでます。
大幅な増加がないよう、招待人数をある程度確定させておくか、多めに見積もっておくとよいでしょう。
演出商品は気になるものをとりあえず入れておけば、全体の予算が把握しやすいです。
グレードアップしやすいドレスや写真、料理、装花などは、真ん中より上のランクにしておくと金額の上がりすぎを避けられます。
プランや特典の適用範囲
プランや特典を利用する場合は、適用範囲を確認しておきましょう。
見積もり内容が変わることで、プランや特典が利用できなくなるケースもあるからです。
例えば、50人以上で適用となるプランで契約した場合、49人になってしまうとプランが利用できなくなってしまいます。
また、特定の商品の付随する特典は、商品を変更するとなくなってしまうかもしれません。
プランや特典が利用できなくなると、正規の料金で請求され総額が高くなることもありうるので注意しましょう。
持ち込み料について
最近は、ペーパーアイテムを自作したり、地元の名産をプチギフトにしたりする方も多いですよね。
これらの商品は持ち込み無料のケースが多いですが、アイテムによっては持ち込み料がかかるため注意が必要です。
また、持ち込み不可のアイテムもあるので、検討している方は事前によく確認しましょう。
持ち込み料金や可不可は、会場ごとにルールが異なります。
絶対持ち込みで用意したいものがある場合は、持ち込みOKで費用がかからない会場で契約するのもありですよ。
プラン内で選べる衣裳の種類
契約したプランで選べる衣裳の数や種類も、しっかりチェックしておきましょう。
「選べる衣裳が少なく気に入るものがなかった」「好きな衣裳を選ぶと追加料金がかかると言われた」という声も少なくありません。
契約前にカタログを見せてもらい、プランの範囲内外や追加料金がいくらになるかも確認しておくと安心です。
また、アクセサリーやベール、グローブなどの小物などが見積もりに含まれていないケースもあります。
プランによって選べるアクセサリーや小物が変わる場合もあるので注意しましょう。
結婚式費用の支払いタイミング
結婚式費用の支払いタイミングを把握しておくことも大切です。
基本的には前払いの式場が多いですが、なかには当日支払いOKのところもあります。
前払いのみの式場でも、相談次第では一部や全額当日払いOKにしてくれることもあるので、契約前に聞いておきましょう。
前払いの場合は、請求書に記載のある期日までに支払いますが、結婚式当日の7~14日前が一般的です。
また、当日払いは結婚式が終わったらご祝儀を数え、その場で支払って帰る流れになります。
結婚式費用の支払い方法
結婚式費用の支払い方法も式場によって異なるので、契約前に確認しておくことが大切です。
前払いのみの式場では現金もしくは振込が多いですが、最近ではクレジットカードOKのところも増えています。
カード払いができると、結婚式前に現金を用意する必要がなくポイントも溜まるため、新郎新婦のメリットが大きいですよね。
また、当日支払いOKの式場では、ご祝儀払いが可能です。
式場によってはブライダルローンを紹介してくれるところもあります。
式場の利用時間
式場を何時から何時まで使えるのかも確認しておきましょう。
披露宴が長引いて契約時間を過ぎてしまうと、超過料金を取られることがあります。
1日1組限定の場合も契約時に時間を決めていたら、基本的には変更できません。
前後の空いた時間で見学会を企画したり、打ち合わせを入れたりしているかもしれないからです。
別会場で二次会を行う予定がある場合は、ブライズルームで支度できるか、何時まで滞在できるかも聞いておくと安心でしょう。
キャンセル料金・延期料金
契約書の規約にはキャンセルや延期の規定も細かく記されているので、必ず読んでおきましょう。
キャンセルの場合は、申込金が戻ってこないことがほとんどです。
さらに、キャンセルのタイミングによって、見積もりの何%がキャンセル料金になるか決まっています。
また、日程の変更は1~2回程度は無料の式場もあれば、延期料金がかかるところもありさまざまです。
台風などの自然災害でもキャンセルや延期料金がかかることがあるので、よく確認しましょう。
ゲストのお車代や宿泊費
結婚式の契約時に見落としがちなのが、ゲストのお車代や宿泊費です。
遠方から来るゲストに対しては、交通費や宿泊費の一部もしくは全額を新郎新婦が負担するのがマナーとされています。
式場で送迎バスや客室を用意してもらう場合は、一緒に見積もりに入れてもらいましょう。
自分たちで手配する場合も、参考として費用を計上してもらうと全体総額が把握しやすくなります。
料金表やパンフレットを一緒にもらっておくと、家族やゲストに案内しやすいですよ。
プランナーについて
結婚式場の決め手として、「対応してくれたプランナーさんがよかったから」という意見もあります。
しかし、契約したときのプランナーがそのまま結婚式まで担当してくれるとは限りません。
筆者は担当が一貫制の式場でしたが、見学から契約までの担当と打ち合わせから当日までの担当を分けているところもあるからです。
結婚式では、担当プランナーとの相性も大切な要素になります。
プランナーの体制についても聞いておき、必要であれば対応してもらえるようにしましょう。
まとめ:契約書にサインしてから後悔しないように備えよう
結婚式場を予約するときは、日取りや見積もり、規約内容をしっかり確認してからサインすることが大切です。
確認不足だと、契約後に変更やキャンセルできなかったり、想定以上の金額になってしまったりするかもしれません。
また、仮契約と本契約の違いや契約の流れも理解しておくと、契約後に後悔せずにすみます。
本記事では、結婚式場で本契約をするときの注意点について解説してきました。
結婚式当日を晴れやかな気持ちで迎えられるように、きちんと理解してから契約に臨みましょう。