「秋らしい装花ってどんな花?」「テーマは何にしたらいいの?」と、秋の結婚式のコーディネートで悩んでいる方も多いでしょう。
季節感を出すには旬の花材を使ったり、秋を思わせる色を取り入れるのがおすすめです。また、会場全体のカラーコーディネートや秋のイメージがあるアイテムを、装花とどう組み合わせるかもポイントになります。
そこで今回は、秋らしい結婚式を表現する装花のアイデアをまとめてみました。装花以外のおすすめ演出も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
秋に使いやすい花材
お花には旬があり、その季節しか手に入らない花材もあります。
旬の花材は見ただけで季節を感じることができるため、秋の花材を使うだけで季節感のあるコーディネートができるのがメリットです。
また、旬の花材はボリュームが良く装花の見栄えが華やかになるので、ゲストへの結婚式の印象を良くしてくれます。
一方で、旬ではない花材を使用するとゲストに違和感を与えてしまい、居心地の悪さを感じさせてしまうかもしれません。
旬以外のお花は適切な時期に仕入れるよりも単価が上がってしまうため、使える花材の量が減りボリュームが小さくなるというデメリットもあります。
●1年を通して手に入りやすい花材
どのお花にも旬がありますが、なかには通年出回っている花材もあります。供給が安定しているため、季節を問わず使いやすい点がメリットです。
ここでは、1年を通して手に入りやすく秋の装花におすすめの花材を、10種類紹介していきます。
▼バラ
一番花の色が豊富なのがバラです。ボルドーやテラコッタ、くすみ系ベージュなど、秋にぴったりの色を持つ品種もたくさんあります。
愛らしいカップ咲きやボリューミーなロゼット咲き、上品な一重咲きなど、咲き方ごとの美しさも魅力です。
▼ガーベラ
カラフルな色と可愛らしい咲き方が特徴です。比較的安価で、装花のボリュームを出しやすいため人気があります。
パステル系の明るい色が多いですが、濃いオレンジや濃いピンク、赤などは秋らしい装花とも相性がいいです。
▼カーネーション
母の日のイメージが強いカーネーションですが、季節を問わず手に入り色数も多いので使いやすい花材です。
ベージュやテラコッタ、赤紫など落ち着いた色もあり、バラより安価なため併せて使うとボリュームアップになります。
▼マム
菊系の旬は秋ですが年間を通して出回っていて、和装やハーベスト系の装花と相性がいいです。
花びらが幾重にも重なるデコラマムやボールのようなピンポンマムは、ニュアンスカラーが人気で装花によく使われます。
▼カラー
長くスラリとした、独特の姿が人気のカラー。定番は白ですが、赤紫や黒系のディープな色もあります。
カラーだけを束ねたアームブーケなど、スタイリッシュな雰囲気を好む花嫁に人気です。
▼トルコキキョウ
八重咲きのトルコキキョウはボリューミーで、バラに似た雰囲気があります。バラとの組み合わせは上品でボリュームアップにもなるため、装花でも人気の高い花材です。
最近は、品種改良でアンティークカラーも増えています。
▼スターチス
色褪せないため、ドライフラワーでも人気です。花穂が固まって咲くスターチスと、細かく枝分かれした先に小さく咲くハイブリッドスターチスがあります。
ハイブリッドスターチスは、かすみ草に似たフォルムの小花で優しい印象です。
▼クラスペディア(ゴールデンスティック)
細長い茎の先端に2㎝~3㎝ほどの丸いボール状の黄色い花がついた、独特のフォルムの花材です。ほかの花材の隙間を埋めたり長くラインを描いたりすることで、装花のアクセントになります。
乾燥に強く長持ちするため、ドライフラワーでも人気です。
▼ヒペリカム
スプレー状に分かれた茎の先端に、1㎝くらいの実が複数ついています。枝ものですが茎が細いため、アレンジの大小に関わらず使いやすい花材です。
赤やピンク、白、グリーンと、色のバリエーションもあります。
▼ユーカリ
シルバー系のグリーンでくすみ色の花材と相性がいいユーカリは、大人っぽい雰囲気にぴったりです。
細かい葉のグニユーカリや、丸みのある大きめの葉のユーカリポポラスなど、葉の形や大きさの違う品種がいろいろあります。
●秋が旬の花材
次は秋が旬で装花に人気のある花材を厳選して、10種類紹介していきます。
▼ダリア
一輪が大きく華やかなダリアは、装花のメインに使うととても目を惹きます。
赤白ピンク、黄色オレンジと明るい色が多く、花びらが尖ったカクタス咲きや丸いボール咲きなど、特徴のある姿は和装とも好相性です。
▼コスモス
秋の草花を代表するコスモスは、細い茎の先にひらひら揺れる繊細な花びらが特徴です。
白、ピンク、淡い黄色の定番のコスモス以外にも、ほんのりチョコレートの香りがする黒っぽいチョコレートコスモスも人気があります。
▼秋色アジサイ
アンティークっぽいくすんだ色のグラデーションが魅力です。褪せた色そのままにドライフラワーにもできます。
一輪をそのまま使ってボリューム感を出したり、小分けにして使うこともできます。
▼ワレモコウ
秋を代表する草花のひとつで、スプレー状に分かれた枝先に1㎝~2㎝くらいの赤褐色の穂をつけます。
1つ1つが小さいため装花では脇役になりますが、茎を活かして長くアレンジすると独特の存在感があります。
▼アマランサス
垂れさがる茎に、いくつもの花穂がモコモコとついた個性的な花材です。花が付いた部分は長いものだと1m近くあり、ワイルドな印象もあります。
切り花では、くすんだ黄緑やボルドーが定番です。
▼プロテア
オーストラリアやアフリカ原産のワイルドフラワーの一種です。花が大きく一輪の存在感が強いため、ワイルドでボタニカルなアレンジに人気があります。
くすみ系の色が多く、秋の装花にも似合います。
▼セルリア
同じくワイルドフラワーの一種で、綿毛のような花をとげとげした苞が花びらのように囲っている個性的な姿です。
くすんだ白でクラシカルな雰囲気のあるブラッシングブライドという品種は、ウェディングに高い人気があります。
▼ビバーナムティヌス
枝分かれした先端に、光沢のある実が密集した花材です。葉は濃いグリーンで、実の色は薄い赤紫から秋が深まると濃い青に変化します。
メタリックな質感は、クラシカルで大人っぽい雰囲気によく似合います。
▼パンパスグラス
ススキを大きくしたような、ふさふさした白銀色の穂をつけた花材です。クリームやピンクがかった色もあります。
穂の色合いとふんわりなびく姿が温かみがあり、秋冬のコーディネートに人気です。
▼紅葉した枝もの
ドウダンツツジやキイチゴ、雪柳やヒペリカムなど、普段鮮やかなグリーンの枝ものが秋には紅葉して出回ります。
ほんのり色づいた葉を添えるだけで、一気に秋のイメージになるでしょう。
秋らしい結婚式にするには?
秋らしい結婚式にするには、ゲストがぱっと見て秋を感じるような工夫を取り入れるのがポイントです。
ここでは、秋を感じつつおしゃれに見える空間にするためのアイデアを、4つの項目に分けて紹介していきます。
●装花
会場のイメージを印象付ける装花に秋の花材を取り入れると、会場の雰囲気が一気に秋らしくなります。
ダリアやマムなどの秋が旬の花材は、豊かな秋の彩りを表現してくれるでしょう。
くすみ系のバラや秋色アジサイなどは、クラシカルな落ち着きで空間をおしゃれに見せてくれます。
誰もが秋を思い浮かべる特徴的な花材を使うのもポイントです。
おしゃれな花嫁に人気の高いパンパスグラスは、ふんわりとした穂が特徴で秋の草原をイメージさせてくれます。
●テーマカラー
結婚式のテーマカラーを秋らしい色に統一すると、会場全体が秋の雰囲気になります。
装花やテーブルクロス、テーブルランナーにナフキン、ペーパーアイテムなど、全体をテーマカラーで合わせるのがポイントです。
メインカラーをトレンドのテラコッタにして全体を淡いくすみカラーでまとめると、クラシカルな秋のコーディネートになります。
黄赤やブラウン、オリーブなどのアースカラーをベースに取り入れると、それだけでも秋のこっくりとした魅力が表現できるでしょう。
●装飾
大人っぽいコーディネートを意識するなら、ポイントにゴールドを取り入れるのもおすすめです。
ゴールドの縁取りのある花器やランタンにオフホワイトのキャンドルの組み合わせは、大人の上質なコーディネートになります。
マクラメを使った装飾も、温かみがあって秋のウェディングによく似合うでしょう。席札立てを松ぼっくりにしたり、装花の周りに木の実を散らすだけでも秋らしくなりますよ。
●料理
料理に旬の食材を使うのも、季節感があっておすすめです。栗やさつまいもを使った料理やデザートを用意すれば、味覚でも秋を楽しんでもらえるでしょう。
テーマカラーを黄赤やブラウン系にして、見た目も食材の色とリンクさせると会場が秋色に染まります。
ウェディングケーキにイチジクやぶどう、ベリー類をあしらったり、マロンクリームでデコレーションすると、秋らしいおしゃれなケーキになりますよ。
テーマ別で会場装飾のアイデア紹介
ここからは、テーマ別に秋らしい会場装飾のアイデアを紹介していきます。
●ハロウィン
ジャックオランタンをイメージしたおもちゃかぼちゃを装花に添えれば、簡単にハロウィンをテーマにできます。
コウモリやおばけのモチーフ、オレンジカラーのロゼットなどをゲストやスタッフに身に着けてもらえば、ゲストも巻き込んだコーディネートの完成です。
オレンジではなく、白や黒、グレーでコーディネートすれば大人っぽいハロウィンになります。
ウェルカムスペースにテイクフリーのお菓子を設置して、ハロウィンの雰囲気を楽しんでもらうのもおすすめです。
●ハーベスト
実りをイメージしたハーベストをテーマにするのも秋らしくなります。
受付やウェルカムにはかかしのウェルカムドールやガーランドフラッグ、かごいっぱいの秋野菜や果物を飾ってゲストを迎えましょう。
メインテーブルやイス、ショープレートは全て木製に、装飾には木箱やレトロなミルク缶なども使い、収穫祭をイメージしたコーディネートにします。
ライスシャワーやミートカットなど、食にこだわった演出を取り入れるのもおすすめです。
●紅葉狩り
ゲストテーブル装花に切り株を使ったり、装花の周りにどんぐりや松ぼっくり、色づいた葉を散らせば、自然のアイテムを取り入れた秋らしいコーディネートになります。料理のお皿に紅葉や秋の実をあしらうのも素敵です。
メインテーブルのバックには、紅葉した枝を用いた装飾で紅葉狩りを演出しましょう。
プロジェクションマッピングで舞い降りる落ち葉の演出を入れたら、森の中に入り込んだような風景が会場全体に広がり没入感も高まります。
●ボーホー
ボーホーとは、伝統にとらわれない自由なボヘミアンと都会のスタイリッシュなSOHOを掛け合わせたスタイルを言います。温かみのある雰囲気が秋のウェディングと相性がよく、おしゃれに敏感な花嫁に人気です。
パンパスグラスやユーカリなどをベースにしたくすみ系の装花に、マクラメのタペストリー、流木などでナチュラルシックな装飾を。
アンティークな家具やレザーのソファ、ゴールドプレートを合わせると、洗練されたコーディネートになります。
秋らしい結婚式をあげよう
気候が穏やかな秋は、ウェディングに人気の季節です。
実りの季節でもあり秋の花材や食材が豊富なので、旬のものを取り入れるだけでも秋らしいコーディネートになります。
季節感のあるおしゃれな装飾にするなら、ひとつひとつをどう組み合わせるかもポイントです。
今回紹介したアイデアも参考に、秋だからこそ取り入れられる装飾や演出を使って印象深い結婚式を挙げましょう。