結婚式の披露宴ではお色直しをするのが一般的でしたが、近年はその価値観も多様化しています。
アットホームな雰囲気を重視するカップルを中心に、あえてお色直しをしないスタイルが選ばれるようになってきました。
親族のみの食事会や少人数でのウエディングパーティーなどで、自分たちらしい選択肢として定着しつつあります。
しかし、お色直しをしないことを披露宴が終わってから後悔する可能性もゼロではありません。
「お色直しなしってゲストはどう思うの?」
「ウエディングドレス1着だけだと味気ない?」
「中座なしでも披露宴を盛り上げるには?」
お色直しなしの披露宴を成功させるためには、後悔しないための工夫が欠かせません。
本記事ではお色直しなしのメリット/デメリットの他、ドレス1着でのアレンジ方法や演出のアイデアを紹介します。
お色直しなしのパーティーもウエディングプランナー時代に担当したことがあるので、ぜひ参考にしてみてください。
お色直しなしの披露宴がおすすめのカップル

お色直しなしがおすすめなカップルについて紹介するので、お色直しするかどうか考える際の参考にしてみてください。
主に以下のように考えているカップルにはお色直しなしがおすすめです。
自分たちの優先順位を明確にすることで、最適な選択ができるでしょう。
ゲストとの歓談や交流を大切にしたいカップル
結婚式当日、主役である新郎新婦がゲストと過ごせる時間は意外と限られています。
お色直しなしなら中座の時間をなくせるので、その分をゲストとの歓談や写真撮影の時間に充てることが可能です。
一人ひとりの顔を見て直接感謝を伝えたり、思い出話をしたりする時間を十分に確保できます。
ゲストへのおもてなしを最優先し、アットホームで和やかなパーティーを実現したい場合は選択肢に入ってくるでしょう。
1着のドレスを長く着ていたいカップル
時間をかけて選び抜いたウエディングドレスに強い愛着があり、「このドレスで一日中過ごしたい」と願う花嫁は少なくありません。
お色直しをしなければ、挙式から披露宴のお開きまで、運命のドレスを身にまとって過ごすことができます。
お気に入りのドレス姿をゲストにじっくりと見てもらえるだけでなく、その姿で過ごす時間を心ゆくまで満喫できるでしょう。
ドレスへのこだわりが強いほど、お色直しをしないことも選択肢となります。
お色直し用の衣裳代を節約したいカップル
お色直しなしにすることで、カラードレスや和装にかかる数十万円の費用を節約できます。
結婚式には多額の費用がかかるため、賢く節約したいと考えるカップルにとって、お色直しなしは非常に有効な手段です。
節約分を新婚旅行のグレードアップや、新居の家具家電の購入費用など、二人の新しい生活のために使うこともできます。
衣裳代よりも優先して予算をかけたい項目がある場合は、お色直しなしにしてもよいでしょう。
結婚式でお色直しをしないメリット

結婚式でお色直しをしないメリットとして、ゲストと過ごす時間を確保できることが挙げられます。
他にもメリットはあるので、お色直しなしにするかどうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
ゲストと過ごす時間をたっぷり確保できる
お色直しには、着替えやヘアメイクのチェンジを含めて30分程度の中座時間が必要です。
お色直しをしない場合、この中座の時間が不要になるためゲストと過ごす時間を格段に増やすことができます。
通常の披露宴ではゲストと話せる時間は限られており、時間の確保は切実な問題です。
じっくり時間を取って交流したいゲストが多いほど、時間の捻出は必須事項になっていくでしょう。
誰とどのような時間を過ごしたいかを考えたとき、ゲストとの交流を最優先する場合はお色直しを無くすことで時間を確保できます。
衣裳にかかる費用を節約できる
結婚式の費用の中でも衣裳代は大きな割合を占める項目なので、お色直しなしにするだけで30万円~50万円ほど節約できることも。
お色直しをしなければ、衣裳代の他、小物代や着付け代、ヘアメイク料金なども節約可能です。
お色直しをする場合でもヘアメイクを共通にしたり、新郎のタキシードを1着にすることで費用は抑えられます。
ただし、一番費用がかかるのが衣裳本体なので、大幅に節約するとなると衣裳は1着にするのが一番の節約方法です。
披露宴がスムーズに進行する
お色直しではヘアメイクが気に入らずリテイクしたり、お手洗いに時間がかかって進行が押してしまうことも多いです。
具合が悪くなった場合も中座時間が休憩時間になるため、戻るのに時間がかかってしまうことも。
お色直しがなければ進行が押してしまう可能性を抑えられますし、前半の演出が押した場合のクッション時間にもできます。
披露宴は演出が入るほどトラブルの発生確率も上がりますが、お色直しがないだけでスムーズに進行する確率も上がるでしょう。
結婚式でお色直しをしないデメリット

お色直しなしにはメリットがある一方で、決断する前によく考えておきたいデメリットも存在します。
これらのポイントを事前に把握し対策を考えておくことで、後悔のない選択にすることができるでしょう。
一生に一度の着用機会を逃す
ウエディングドレスやカラードレスは、人生でそう何度も着用の機会があるものではありません。
特に婚礼用の衣裳はその日の主役のために特別仕様となっていることも多く、お色直しなしにすると貴重な機会を逃すことに。
結婚情報誌やSNSなどで様々なドレスを見るうちに、「カラードレスも着たい」という憧れを抱く花嫁は少なくありません。
お色直しをしないと決めた場合、この夢は叶わなくなるでしょう。
前撮りをする場合でも、フォトスタジオにあるのはあくまで撮影用のドレスであり当日のドレスとは質が異なります。
結婚式が終わってから「やっぱりあのドレスも着てみたかった」と後悔する花嫁も少なくありません。
自分の気持ちに正直になり、ドレスへの憧れがどの程度強いのかをじっくり考えることが大切です。
披露宴の雰囲気を変えにくい
お色直しの再入場には、披露宴の雰囲気を転換させ、後半に向けて会場を盛り上げる演出としての役目もあります。
お色直しがないと披露宴が歓談中心の穏やかな時間になるため、進行にメリハリがつきにくいです。
ゲストによっては、プログラムが単調だと感じたり、中だるみした印象を持ったりすることも考えられます。
そのため、お色直しをしない場合はゲストを飽きさせないために、演出にも工夫が必要です。
写真のバリエーションが少なくなる
結婚式の写真は一生の思い出として残る大切なものですが、お色直しがなければ写真や映像に残る姿も1パターンに限られます。
後からアルバムを見返したときに物足りなさを感じてしまうかもしれません。
写真のバリエーションが少なくなることで寂しいと感じ、後悔につながるケースもあります。
和装やカラードレスを着ることで異なる雰囲気の写真を残せるため、写真映えを重視する場合はお色直しをした方がいいでしょう。
お色直しを見たかったと言われる可能性がある
新婦のお色直しを楽しみにしているゲストは意外に多く、結婚式の後に残念がる言葉が聞こえることもあります。
親しい友人や親族からの「お色直しはしないの?」「カラードレス姿も見たかった」といった一言がきっかけで後悔することも。
ゲストに悪気はありませんが、ゲストの期待と自分たちの希望との間でどのように折り合いをつけるかを考えておく必要があります。
ウエディングドレス1着で印象を変えるコツ

カラードレスを着なくても、ウエディングドレス1着だけで印象を大きく変えることは可能です。
ヘアスタイルや小物などを少し変えるだけで、お色直しをしたかのようにイメージチェンジできるでしょう。
お気に入りのドレスはそのままに、お色直しするコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ヘアスタイルやメイクで雰囲気を変える
花嫁姿はヘアスタイルやメイクを変更するだけでも印象が変わります。
特にアップスタイルからダウンスタイルにすると、がらりとイメージを変えられるのでおすすめです。
メイクに関してもリップの色をチェンジするだけで顔の印象が変わるでしょう。
ヘアやメイクのチェンジは衣装替えよりも短時間で済むためゲストを待たせる時間も最小限に抑えられます。
アクセサリーやブーケを変える
イヤリングやネックレス、ヘッドドレスといったアクセサリーを変更するのも、手軽で効果的なイメージチェンジの方法です。
パール系のアクセサリーからクリスタルやビジューの輝く大ぶりなアクセサリーに変えるだけで、一気に華やかなパーティー仕様に。
また、ブーケを持ち替えるのもおすすめです。
白いブーケからカラフルなブーケに変えるだけで、ブーケが差し色となり印象が大きく変わります。
小物のチェンジは時間がかからないので、ゲストとの時間を大切にしたいカップルにもおすすめです。
オーバースカートやサッシュベルトでドレスをアレンジする
ドレスそのものにアレンジを加えることもできます。
ドレスの上から着用できるアイテムを用意したり、2wayドレスを選ぶことで着替えずにドレスを変えることが可能です。
オーバースカートを重ねればドレスのシルエットを変えられますし、サッシュベルトを巻けばドレスのアクセントになります。
取り外し可能な袖やボレロを付け加えるアレンジも人気で、同じドレスとは思えないほど印象を変えることができるでしょう。
初めからドレス1着でお色直しすることを前提にしたドレス選びも視野に入れてみてくださいね。
お色直しがなくても披露宴を盛り上げる演出アイデア

お色直しなしの披露宴が中だるみしないか心配な場合は、演出を工夫することでリスクを避けることができます。
ここでは、お色直しがなくても披露宴を盛り上げるための具体的な演出アイデアを紹介するので、参考にしてみてください。
着替えなくても中座を行う
たとえお色直しをしない場合でも、一度中座した方が披露宴にメリハリが生まれます。
中座は新婦にとって、ドレスの重さから解放され一時的にリラックスできる貴重な時間になるからです。
また、新郎新婦がトイレ休憩を取れるタイミングでもあり、ゲストにとっても食事や歓談を楽しむ小休憩になります。
慌ただしい披露宴の合間に小休憩があることで、気持ちをリフレッシュして後半の披露宴に臨めるでしょう。
ヘアメイクやアクセサリーを変えるだけでも印象は変えられるので、イメージチェンジしてから披露宴に戻るのもおすすめです。
中座を挟むことで、お色直しをしなくても披露宴にメリハリをつけることができます。
中座の代わりにフォトラウンドを行う
お色直しの再入場ではフォトラウンドを行うのが定番ですが、中座がなくてもフォトラウンドを行うことは可能です。
歓談の時間だけでは話しきれなかったゲスト一人ひとりと言葉を交わしながら、確実に記念写真を残すことができます。
ポーズを指定したくじ引きを用意したり、フォトプロップスなどの小物を使ったりすると、より一層盛り上がるでしょう。
適度に動きのある演出なので、中だるみしがちな披露宴を引き締める効果も期待できます。
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ゲスト参加型の演出や余興を取り入れる
ただ歓談時間が続くだけでは話題が尽きてしまったり、つまらない印象になってしまう可能性もあります。
おすすめなのは動きのある演出や余興です。
例えば、ゲストが席を立って自由に楽しめるデザートビュッフェは、会場に動きが出て雰囲気を変えるのに最適な演出。
色とりどりのスイーツが並ぶ光景は見た目にも華やかで、ゲスト同士の会話のきっかけにもなります。
また、新郎新婦に関するクイズ大会や、景品をかけたビンゴゲームなど、ゲストが参加できる余興を取り入れるのもおすすめです。
会場全体が一体となって楽しめる時間を設けることで、中座がなくても飽きさせない、メリハリのある披露宴になります。
プロフィールムービーを上映する
通常、お色直しの中座中に上映されることが多いプロフィールムービーを、歓談時間の一部として上映するのも効果的です。
食事や歓談を楽しみながら、ゲストはお二人の生い立ちや馴れ初めの映像を見ることができます。
ムービーの内容がその後の会話のきっかけとなり、ゲスト同士の交流が深まることも期待できるでしょう。
歓談が中心の披露宴において、合間にゲストの注目を集める時間を作ることで進行に程よいアクセントを加えられます。
会場を暗くして全員で注目して見るのもいいですが、歓談中に流しっぱなしにするのもおすすめです。
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ウエディングドレスが映える結婚式場を選ぶ
お色直しをしない場合は、ウエディングドレスと披露宴会場の相性がより重要になってきます。
会場の雰囲気がドレスと調和することで、お色直しをしなくても十分に華やかで思い出に残る披露宴になるでしょう。
自然光が差し込む明るい会場やナチュラル、モダンな雰囲気の会場がドレスを主役にしたコーディネートに似合いやすいです。
会場見学の際には、どのようなドレスにしたいかなど具体的なイメージをプランナーに相談してみてください。
まとめ:お色直しなしでも結婚式を盛り上げよう

お色直しをしない場合のメリット/デメリットや、中座がなくても披露宴を盛り上げるコツについて紹介しました。
結婚式でお色直しをしないことには多くのメリットがありますが、披露宴の演出には工夫が必要になります。
また、お色直しをしなくても花嫁の印象を変えることは可能です。
自分たちが結婚式で何を一番大切にしたいのかを明確にし、後悔のない選択をしましょう。
本記事が理想の結婚式の参考になれば幸いです。
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