こだわって用意した、結婚式の会場装花。挙式や披露宴の雰囲気づくりに欠かせないアイテムですが、短時間しか楽しんでもらえないのはもったいないですよね。
しかし、「ゲストにお花を配って喜んでもらえる?」「二次会に持っていきたいけど可能?」など、悩んでいる方もいるでしょう。
一方で、装花を持って帰っても「どう飾ったらいいのか分からない」「長持ちさせる方法が知りたい」という声も少なくありません。
今回は、式場専属のフラワーコーディネーターとして数多くの結婚式に携わってきた筆者が、装花の持ち帰りについて解説します。
持ち帰りやすいアレンジのアイデアや、自宅で装花を楽しむ方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
結婚式の装花は持ち帰り用に準備する?
結婚式の装花は空間を彩るものなので、持ち帰りを前提に用意するわけではありません。しかし、終わった後に残っても困ってしまうので、大抵の式場では持ち帰りができるようになっています。
お開き後に装花を小分けにし、新郎新婦からの幸せのお裾分けとして配ることが多いでしょう。
装花を持ち帰る人はどれくらいいるか
結婚式のゲスト全員が、装花を持ち帰るわけではありません。どちらかというと、女性ゲストや家族で参加している方の持ち帰りが多いです。
また、家族が喜ぶからと、既婚の男性ゲストが持ち帰ることもあります。数としては、ゲストの半分から3分の2くらい用意しておけば足りるでしょう。
装花を持ち帰れないとケチに思われる?
装花の装飾スタイルによっては、花束やアレンジにできず、持ち帰りができないこともあります。
結婚式に出席するたびに装花を持ち帰っている方だと、「お花は持ち帰れないの?」と残念がる方も。しかし、持ち帰れないことをケチだと思われることはありません。
装花を持ち帰るメリット/デメリット
装花は、結婚式が終われば役目を終えるもの。しかし、ゲストに持ち帰ってもらうことで、こだわって選んだお花を長く楽しんでもらえます。
引出物やプチギフトと同様に、ゲストに感謝を伝えるアイテムとしても活躍してくれますよ。
メリット
用意した装花を持ち帰ってもらうことは、新郎新婦にとっても嬉しいこと。持ち帰った装花は、自宅で飾ったり別の場所で活用したりできます。
1.幸せのお裾分けになる
装花の持ち帰りは、特に女性のゲストに喜んでもらえます。
結婚式という幸せな空間を彩ったお花たちは、新郎新婦からの幸せのお裾分け。
しばらく飾っておけるので、見るたびに楽しかった結婚式の余韻を感じてもらえるでしょう。
2.二次会でも活用できる
結婚式の装花は、二次会に持っていくことも可能です。
こだわって選んだ装花なら、二次会でも飾ってみんなに見てもらいたいですよね。
装花の一部を二次会に、残りをゲストの持ち帰り用にと分けることもできます。
3.装花を処分せずにすむ
装花が会場に残ってしまうと、あとは処分するだけ。
きれいなお花で飾り付けても、短時間で捨てられてしまってはもったいないですよね。
新郎新婦だけでなく、フラワーコーディネーターとしても、家でも飾ってもらえたら嬉しいです。
デメリット
「お花をもらえるのは嬉しい」「毎回、持って帰る」という方も多いですが、そうでない方もいます。場合によっては、新郎新婦に負担が掛かってしまう点も、デメリットになるでしょう。
1.男性ゲストや一部のゲストには需要がない
独身の男性ゲストやお花に興味がないゲストには、持ち帰りを断られるケースもあります。
全員に配ろうとすると余りやすいので、少し数を減らして用意してもらうといいでしょう。
欲しい人中心に配れば、複数もらってくれる方もいますよ。
2.帰宅までに時間がかかると傷んでしまう
二次会も参加する方や遠方から来ている方は、帰宅までに時間がかかります。
お花が傷んでしまうから、持ち歩くのに荷物になるからと、諦める方もいるでしょう。
保水をして持ち運びやすく包んでもらうなどの工夫もおすすめです。
3.袋代やアレンジ代がかかる場合がある
式場によっては、持ち帰り用の袋やアレンジに費用がかかるケースもあります。
また、持ち帰りについて相談なく、式場の判断で行うところも。
打ち合わせのときに、装花の持ち帰りや別途費用について確認するとよいでしょう。
装花を持ち帰ってもらうためのアイデア
結婚式に慣れていないと、装花を持ち帰ることができることを知らない方もいます。また、積極的ではない方だと、遠慮して持ち帰らないこともあるでしょう。
ここでは、ゲストにスムーズに装花を持ち帰ってもらうためのアイデアを紹介します。
司会者にアナウンスしてもらう
装花を持ち帰れることを、司会者からアナウンスしてもらいましょう。新郎新婦からの幸せのお裾分けだと言ってもらうと、持ち帰るゲストも喜んでくれます。
選んだお花にこだわりがあるなら、一緒に伝えてもらうのもいいでしょう。
スタッフから積極的に配ってもらう
ゲストが自分から手に取るのは、遠慮してしまうかもしれません。結婚式場のスタッフから積極的に配ってもらうと、ゲストも持ち帰りやすいですよ。
友人席を中心に配ってほしいなど、要望があればお願いしておくのがおすすめです。
装花を持ち帰れることを事前に伝えておく
装花を持ち帰ってもらえるか心配なときは、ゲストに事前に伝えておくのもいいでしょう。
特に、参列者に結婚式に慣れていない方が多い場合は、あらかじめ伝えておくことで、ゲストも困惑せずに装花を受け取れます。
一輪ずつ包装して全員にプレゼントする
お見送りの際に、新郎新婦がプチギフトと一緒に配るのもおすすめです。一輪ずつ包装してもらえば新郎新婦も渡しやすく、ゲストもそれほど荷物にならないので受け取りやすいでしょう。
包む時間がかかるので、新婦の手紙あたりで装花を下げてもらい、裏で準備をしておいてもらうと、送賓時もスムーズです。
そのまま持ち帰れる装花装飾にする
装花の装飾を、持ち帰りやすいように作ってもらうのもよいでしょう。自宅で飾りやすいデザインや持ちやすい形にすることで、ゲストも受け取りやすくなります。
▼かご、ボックスに花を活ける
かごやボックスを使ったアレンジメントは、持ち帰ったらそのまま飾れます。
花瓶が必要ないので、花を飾る習慣がないゲストも受け取りやすいでしょう。
水を含んだスポンジに花を挿してあるので、持ち帰りまで時間がかかる場合も安心です。
▼小さいブーケを束ねてゲストテーブル装花にする
小さく束ねたブーケを並べて、ゲストテーブル装花にしてもいいでしょう。
束ねてあれば、ゲストも持ちやすいのでおすすめです。
メイン装花も、瓶をランダムに並べてブーケをアレンジすれば、持ち帰りやすくおしゃれな装花になります。
装花を持ち帰った後のアレンジ方法
せっかく持ち帰ってもらった装花。自宅でも楽しんでもらいたいし、持って帰ってよかったと思ってもらいたいですよね。
十分に楽しんでもらうためには、装花を渡すときに花の扱い方を伝えるのもいいでしょう。装花のおすすめのアレンジも含め、解説していきます。
▼花の取り扱いメッセージを添えるのもおすすめ
持ち帰りの装花に、取り扱いのメッセージを添えるのもおすすめです。
装花を入れる袋にあらかじめカードを入れておいたり、アレンジメントやブーケに差し込んだりしておくとスムーズに渡せます。
アレンジ方法は好きなやり方を選べるように、いくつか記載しておくとよいでしょう。
花瓶に活ける
持ち帰った装花を飾る一番簡単な方法は、花瓶に活けることです。しかし、花を飾る習慣がないと、花瓶を持っていない可能性もあります。
小ぶりの花瓶に小分けにした装花を、器も一緒に持ち帰りができるようにすると、帰宅してすぐに飾れるので便利です。
ドライフラワー
バラやカスミ草など、ドライフラワーにしやすい装花の場合は、自宅でもドライフラワーにして楽しんでもらうのもよいでしょう。日陰の風通しがいい場所に吊るしておくだけなので簡単です。
最初から麻ヒモで束ねた装花なら、持ち帰ってそのまま吊り下げることができますよ。
押し花
押し花にしてフレームに飾ったり、結婚式のアルバムに挟んだりするのも、長く楽しめるのでおすすめです。ティッシュや新聞紙で包み、本の間に挟んで重しを載せておくだけ。
周りに乾燥剤を置いておくと効果的です。持ち帰ってすぐに行うと、色もきれいに出やすいですよ。
ハーバリウムを作る
最近では、100円ショップにもハーバリウム用の瓶やオイルが売っています。持ち帰った装花をドライフラワーにしたら、ハーバリウムに挑戦してみるのもよいでしょう。
ハーバリウムはオイルによって花の色がきれいに見えるので、結婚式の思い出を鮮やかに残せます。
生花を長持ちさせるには
持ち帰った生花を長持ちさせるには、新鮮な水を十分吸わせてあげることが大切です。
ボウルに水をためて、水中で茎の先端を2㎝~3㎝くらい切ってあげましょう。その後は、すぐにたっぷり水が入った花瓶に入れて飾ります。
涼しくて風通しのよい場所に飾り、茎のカットと水替えを毎日行うことで、生花を長く楽しめますよ。
まとめ:装花を持ち帰れるようにして幸せのお裾分けを行おう
結婚式の装花は、結婚式場の装飾としてだけでなく、ゲストへのギフトとしても活躍してくれます。また、一部をそのまま二次会に持って行き、二次会の会場に飾るのもおすすめです。
装花は結婚式を彩ることが目的なので、最初から持ち帰るために作っているわけではありません。しかし、工夫次第で持ち帰りやすいようにアレンジすることもできます。
こだわって用意した装花を、ぜひふたりの幸せのお裾分けとしてゲストに配りましょう。