冬と言えば、真っ白な雪やクリスマスのカラフルな装飾、お正月のおめでたい空気感などをイメージする方が多いでしょう。せっかく冬に結婚式を行うなら、冬を感じられる装花で彩りたいですよね。
「冬らしい結婚式にするにはどうすればいい?」
「クリスマスの装飾を上手に取り入れたい」
「冬の装花ってポインセチア以外にあるの?」
今回は、式場専属のフラワーコーディネーターとして数多くの装花を手掛けた筆者が、冬婚にぴったりの装飾を紹介します。
季節感を取り入れた装花にするには、旬のお花や冬をイメージできるアイテムを取り入れるのがおすすめです。
冬婚におすすめのテーマや装花のアイデアも解説していくので、冬の結婚式を予定している方はぜひ参考にしてください。
冬婚にぴったりな結婚式の装飾にするには
冬らしい結婚式を作り上げるには、全体のカラーや装飾でのコーディネートがポイントです。ここでは、冬らしい結婚式にする色合わせや、クリスマスの装飾のアイデアを紹介していきます。
1.冬を連想させるカラーを取り入れる
結婚式の装花を、冬を連想させるカラーでまとめましょう。特別なアイテムを取り入れなくても、ホリデーシーズンらしい雰囲気にすることができますよ。
冬をイメージしやすいカラーコーディネートを、3パターン紹介します。
▼シルバーの差し色で雪を表現
白をベースにし、差し色でシルバーを入れることで、冬の雪や氷をイメージした装花やコーディネートができます。
白のお花にシルバー系の実物や葉を添え、テーブルクロスも白で統一して静謐な冬の一日を。
花器やキャンドルホルダーでシルバーをアクセントにすることで、上質な結婚式を演出できるでしょう。
▼グレートーンで統一した厳かな冬
冬をイメージしたときに、寒色系で色のない白とグレーの世界を思い浮かべる方も多いでしょう。
白いお花にグレイッシュなユーカリなどの葉、テーブルクロスやナフキンなどもグレートーンで統一して。
アイボリーな白樺の枝など、葉のない枝ものを装飾に取り入れることで、冬の厳かな森を演出できます。
▼ワインレッドで暖かくモダンに
ワインレッドは温かみがあり高級感も感じさせてくれるので、大人の落ち着いた結婚式にしたい方におすすめです。
寒さの厳しい冬だからこそ、屋内の暖かさをイメージさせる色が季節を感じさせてくれます。
ワインレッドの高砂装花にゴールドのアイテムを添えて、上品な空間を演出しても素敵です。
2.クリスマスの装飾を取り入れる
クリスマスと言えば、ツリーやリースなどさまざまなアイテムが想像できますよね。結婚式の装飾に取り入れて、クリスマスパーティーらしい冬の結婚式を演出しましょう。
ここでは、おすすめのクリスマスの装飾アイデアを紹介します。
▼ウェルカムスペースにクリスマスツリーを
クリスマスツリーをウェルカムスペースに飾ってゲストをお出迎え。
オーナメントにふたりへのメッセージを書いてもらい、ツリーにそれぞれ飾ってもらう演出もおすすめです。
挙式中に披露宴会場のメインテーブル横に移動してもらえば、パーティ中もクリスマス感を楽しめるでしょう。
▼ブーケをクリスマスリースに
クリスマスリースをイメージしたウエディングブーケもおすすめです。
ヒムロスギやクジャクヒバなどの明るいグリーンに、定番のポインセチアや松ぼっくりのクリスマスカラーで鮮やかに。
大人っぽい雰囲気にするなら、白にシルバー系の実や葉を合わせて落ち着いたトーンにするのも素敵です。
▼ミニツリーを模したゲストテーブル装花
ゲストテーブル装花には、ミニツリーをイメージしたアレンジメントを飾りましょう。
ミニツリーの周りにも、オーナメントや松ぼっくりをランダムに配置すれば、華やかな装花になります。
そのまま持ち帰りができるアレンジメントは、ゲストにお家でも楽しんでもらえるのでおすすめです。
▼メインテーブルにはキャンドルやオーナメントを装飾に
メインテーブル装花は、小ぶりなアレンジメントや、小瓶に活けたお花をランダムに並べましょう。
装花の間には、キャンドルやランプ、オーナメントなどを装飾し、クリスマス感を演出。
ポインセチアを飾ったり天使のオブジェを置いたりしても、クリスマスっぽい装飾になりますよ。
▼松ぼっくりの席札スタンドなど小物にも工夫を
松ぼっくりを席札スタンドにしたり、ナプキンをクリスマスカラーのリボンで結んだりと、小物も工夫してみましょう。
テーブルナンバーは、アンティーク感のあるゴールドのフォトフレームでおしゃれに。
装花にガーランドライトを絡めて光らせると、よりクリスマスの雰囲気が演出できますよ。
3.結婚式のテーマに冬を取り入れる
結婚式ではテーマが決まっていると装飾の方向性も統一でき、理想の空間を演出できます。どんなテーマを取り入れればいいのか、おすすめなども後の項目で紹介しているので、チェックしてみてくださいね。
4.冬に合う装花を利用する
冬の花と言えばポインセチアですが、それ以外にも冬に似合う花があります。色合いや旬かどうかで選ぶのがよいでしょう。
後の項目で冬に似合う花材を10種類紹介しているので、参考にしながら装花を決めてみてください。
冬の結婚式におすすめのテーマ
結婚式の装花は、テーマを取り入れると印象深くなります。冬の結婚式でテーマ選びに困ったときは、季節感を取り入れるのがおすすめです。
冬はクリスマスやお正月など、装飾で雰囲気を出しやすい季節。ゲストにも伝わりやすく、雰囲気も盛り上がるでしょう。
1.冬の行事
冬らしい結婚式の装花にするには、季節特有の行事をテーマにするのが一番です。クリスマスやお正月、節分など、冬は楽しくおめでたい行事が多いため、結婚式のテーマにも取り入れやすいでしょう。
ここでは、それぞれの行事をテーマにした結婚式のイメージを紹介します。
▼クリスマス
冬の結婚式で一番テーマにしやすいのが、12月のクリスマス。
装花をクリスマスカラーにしたり、松ぼっくりなどのアイテムを飾ったりと、雰囲気を作りやすい点もおすすめです。
サンタの帽子やトナカイのカチューシャで登場するなど、遊び心も入れるとより楽しめるでしょう。
プチギフトを靴下に入れるのも個性がある演出になります。
クリスマスがテーマの結婚式については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/11197/
▼お正月
1月の結婚式では、新年を祝うお正月をテーマに。
松やナンテンを使った装花を竹の器に飾るなど、和を意識した装飾がおすすめです。
ケーキカットの代わりに鏡割りをしたり、フラワーシャワーを折り鶴シャワーにしたりと、とことん和風にこだわるのもいいでしょう。
▼節分
2月の節分は、邪気を祓い健康を願う日本古来の行事。
新郎新婦の新しい門出に、節分を取り入れるのもおすすめです。
豆まきをするのもいいですが、控えめに福豆を飾るだけでも節分感がプラスされます。
和婚であればなおさら、ウエディングケーキを恵方巻きにしても楽しめるでしょう。
2.冬の風物詩
特別なイベントではなくても、冬の風物詩をテーマにするだけで季節感のある結婚式になります。冬をイメージする色の装花や、冬らしいアイテムを取り入れるなど、ゲストに伝わりやすい工夫をするのがポイントです。
▼雪・氷
冬の風物詩といえば、雪や氷。
白やシルバーといった色味や、雪の結晶などの模様、雪だるまなどのアイテムで冬を表現できます。
白や水色のドレスを組み合わせれば、より冬のイメージを強調できるでしょう。
真っ白のチャペルや会場も、冬をテーマにした結婚式にマッチしやすいですよ。
▼こたつ
寒い冬は、暖かい部屋でくつろぎたいもの。
装花やテーブルクロスなどのアイテムに、赤やオレンジ、黄色といった暖色カラーを使うのもおすすめです。
装花をマグカップにアレンジすれば、こたつでくつろいでいるかのような、暖かい空間を演出できるでしょう。
▼ウィンタースポーツ
ウィンタースポーツが好きな新郎新婦は、スキーやスノーボードのアイテムを取り入れるのもおすすめです。
スノーボードをウェルカムボードにしたり、ゴーグルやニット帽を飾ったりするだけで簡単に演出できます。
ゲスト装花にミニチュアを飾るのも面白いですよ。
冬婚にぴったりな装花
最後に、冬婚にぴったりな装花について解説していきます。冬らしさを演出する工夫や、おすすめの花材を紹介していくので、参考にしてくださいね。
1.冬らしさのある装花とは
装花で冬らしさを演出するには、冬が旬のお花を使ったり冬をイメージする色を取り入れたりするのが大事です。
秋色のように思われがちですが、白やくすみ系、ダークレッドなどの濃い色も冬らしく見えます。
また、グリーンも明るい色ではなく、濃い緑やシルバー系のグリーンを合わせると冬らしい装花になるでしょう。
2.冬婚に使いたい花材10選
ここでは、冬婚におすすめの花材を10種類ピックアップしました。
冬らしい結婚式のテーマに合わせて、ぴったりのお花を選びましょう。
- バラ
- チューリップ
- スイートピー
- アネモネ
- アマリリス
- クリスマスローズ
- シロタエギク
- コットンフラワー
- シルバーブルニア
- ユーカリ
2-1.バラ
カラーバリエーションの豊富なバラは、冬婚にも大活躍。
ピュアホワイトやダークレッド、シルバー系のくすみカラーなど、テーマに合わせた色が選べます。
エレガントな見た目のバラをたっぷりと使った装花は、大人ウエディングにもぴったりです。
2-2.チューリップ
チューリップは春の花ですが、切り花では11月後半から3月の冬の時期に出回ります。
白や紫、ワインレッドのチューリップは落ち着いた冬のイメージにぴったりで、春を待ち焦がれる冬の結婚式を演出できるでしょう。
また、赤色のチューリップには「愛の告白」、ピンクのチューリップには「誠実の愛」といった花言葉があります。
花言葉からお花を選ぶのも素敵です。
2-3.スイートピー
スイートピーの切り花も、チューリップと同じ時期に出回ります。
真っ白な装花に添える白のスイートピーが、ひらひらと舞う雪を演出してくれるでしょう。
ネイビーやダークレッドなど、染めたスイートピーもおすすめです。
2-4.アネモネ
アネモネも旬は春ですが、冬に切り花が出回るお花です。
濃い色の芯に、白や紫、赤紫などの寒色系のカラーバリエーションは、しっとりとした冬の装花に使いやすいでしょう。
独特な花姿は、おしゃれに敏感な花嫁にも人気です。
2-5.アマリリス
アマリリスは、太い茎にユリのような大輪のお花を咲かせます。
白や赤の単色、白から赤へのグラデーションがかった花びらは、冬のクリスマス装花を豪華に演出してくれるでしょう。
胡蝶蘭に並ぶスタイリッシュな花姿は、和モダンなテイストにも似合います。
2-6.クリスマスローズ
白やグリーン、赤紫など、冬に似合うカラーの多いクリスマスローズ。
原種のニゲルが、クリスマスの頃に花を咲かせることが名前の由来です。
一重咲きのバラにも似た繊細な姿で、エレガントに冬の結婚式を彩りましょう。
2-7.シロタエギク
シロタエギクは、表面に霜を降らせたようなシルバーグリーンが特徴です。
白やくすみ系のお花に合わせることで、冬のイメージを印象付けてくれます。
中でも、細かく切り込みの入ったシルバーレースは、雪の結晶のようです。
2-8.コットンフラワー
綿の実がはじけて、コロンとしたふわふわの姿が印象的なコットンフラワー。
柔らかく白い綿が雪のようで、冬らしい装花には欠かせません。
パンパスグラスでは秋っぽすぎると感じる方はこちらをチョイス。
ドライフラワーにしやすいので、枝のままでも実だけを飾りに使うのもおすすめです。
2-9.シルバーブルニア
銀色がかった白い実を固まってぎっしりつける、シルバーブルニア。
丸い実のかわいらしさとマットな質感が、冬の装花にぴったりです。
シルバーブルニアも簡単にドライフラワーにできるので、いろいろな場所に使いやすいでしょう。
2-10.ユーカリ
シルバー系の葉を持つユーカリは、冬婚の装花にぴったりのグリーンです。
白銀色が美しい丸葉ユーカリやアレンジしやすいグニユーカリ、存在感のあるポポラスなど種類も豊富。
数種類のユーカリを合わせるだけでも、ナチュラルでおしゃれな装花になります。
まとめ:冬婚にぴったりの装飾アイデアで季節感ある結婚式にしよう
冬の結婚式を印象付けるためには、クリスマスなどのイベントをテーマにすること。もしくは、冬らしい色合いでコーディネートすることがポイントです。
赤や緑、ゴールドなどのクリスマスカラーで彩れば、楽しいパーティが演出できます。
大人ウエディングにするなら、白やグレー、シルバー系の色で統一するのがおすすめです。トレンド感を意識しながらも冬婚らしい空間が出来上がるでしょう。
冬らしい花材を選ぶことで、季節感のある装花にすることもできます。冬婚にふさわしい素敵な装花で、結婚式の空間を飾りましょう。