秋は春と並んで結婚式のベストシーズンなので、お呼ばれする機会も増えてきます。
「秋のお呼ばれドレスをどう選んだらいい?」
「季節感も取り入れたおしゃれな着こなしがしたい」
「寒い夜にも耐えられるお呼ばれコーディネートは?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。そこで今回は、数多くの結婚式を手掛けた元ウエディングプランナーの筆者が、秋のお呼ばれドレスについて解説していきます。
コーディネートのポイントも紹介するので、秋にぴったりなドレスの選び方やコーデの仕方を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
秋の結婚式でのお呼ばれドレスの選び方
秋の結婚式にぴったりなお呼ばれドレスを選ぶポイントは、服装のカラーと素材です。秋を思わせる色や素材のドレスを選ぶだけで、一気に季節感のある着こなしになります。
また、ドレスのデザインも重要です。年代に合わせたデザインのドレスを選ぶことで、こなれ感も演出できます。
ここでは、この3つのポイントから、ドレス選びのコツを紹介していきましょう。
気候に合わせて選ぶ
秋は気候が穏やかな日が多く過ごしやすいですが、肌寒さを感じる時間も。9月はまだ暑い日が続きますが、日が落ちると少し肌寒くなってきます。
10月になるとさらに朝晩の寒暖差が広がり、11月は日中も外では寒さを感じるようになるでしょう。そのため、時期や時間に合わせた寒さ対策が必要になります。
羽織ものを合わせるか長袖のドレス、丈の長いドレスも視野に入れて選んでみてください。
ドレスカラーの選び方
秋のお呼ばれドレスには、濃さや深みのあるこっくりした色合いが良く似合います。
ブラウンやマスタード、カーキやオリーブなどのアースカラーは、秋にぴったりの定番色です。女性らしさを感じられるテラコッタやワインレッド、上品さのあるネイビーも人気があります。
また、グレイッシュでくすみ系のダスティカラーも、秋のお呼ばれドレスにおすすめです。フェミニンなパステルカラーも、ダスティカラーなら落ち着いた女性を演出できます。
- ネイビードレスの例
- ワインレッドドレスの例
- マスタードカラードレスの例
▼ネイビードレスの例
ドット柄が全身にあしらわれたネイビーのパーティードレス。
大胆な襟のデザインとドットが重たくなりがちなネイビーを軽やかに見せてくれます。
▼ワインレッドドレスの例
深みのあるカラーが秋のお呼ばれにぴったりなAimer (エメ)の1着。
アシンメトリーのスカート裾がエレガントさを演出してくれます。
▼マスタードカラードレスの例
総レースで可憐な雰囲気漂うドレスです。
秋らしい遊びのあるイエローでありながら、レースの繊細さが結婚式に上手く馴染ませてくれるでしょう。
ドレス素材から選ぶ
秋のお呼ばれドレスにおすすめの素材は、艶やかなサテンや、暖かみを感じるベロア。光沢のあるサテンは高級感があり、羽織ものとの組み合わせによってオールシーズン使えるので、1着持っていると便利です。
厚みのあるベロアは、寒さを感じる秋後半に。柔らかく艶のある生地が、落ち着いた大人の女性によく似合います。
また、まだ暑さが残る9月は、袖ありデザインや秋らしい色なら、レースやオーガンジーのドレスもよいでしょう。
結婚式場の雰囲気から選ぶ
結婚式の多様化に伴い結婚式場の種類も変化しています。どんな結婚式場なのか、その雰囲気に合わせてコーディネートするのもコツです。
ホテルなど格式高い場所であれば、かしこまった服装がぴったり。一方で、二次会やレストランなどカジュアルな場所であれば、多少の着崩しはOKです。
挙式から参列するのであればきっちりと着こなすなど、どこに参加するのかも服装を決めるポイントになります。
年代に合わせて選ぶ
年代別のコーディネートのポイントや、おすすめのアイテムを紹介します。
▼10代、20代女性の場合
10代、20代の女性には、落ち着いた秋の雰囲気を取り入れながら、若々しさや甘さを感じるデザインのドレスがおすすめです。
体のラインが出すぎないデザインが、よく似合うでしょう。
くすみ系のラベンダーカラーやモーブピンクは、ロマンティックな装いをしたい時に。
ブルーグレーやライトカーキは、清楚な女性を演出してくれます。
ミディ丈のふんわり広がるフレアスカートや、チュールを重ねたレイヤードスカートも、フレッシュさが感じられるでしょう。
大人っぽくしたい時は、グリーンのドレスもおすすめです。
甘さのある繊細なレースと程よいフレアのエレガントさが、バランスよく仕上がっています。
ボレロの背面のペプラムや、丸みのあるフロントラインもフェミニンさをUP。
▼30代、40代、50代女性の場合
30代の女性には、デザイン性が高くトレンド感たっぷりのドレスがおすすめです。
ドレッシーなパンツドレスや、総レースの甘めドレスも、こなれた感じで着こなせるでしょう。
40代や50代の女性は、トレンドを押さえつつ落ち着きのあるデザインがおすすめです。
特に親族であればロング丈のドレスで優雅に装いましょう。
明るい色を選ぶなら、きちんと感のあるデザインで。
ボルドーやダークグリーンなどの濃い色を選ぶなら、細やかな刺繍やエレガントなデザインで大人の洗練された女性を演出しましょう。
Iラインのシルエットが上品さを演出しつつ、立体感のあるコードレースが華やかな印象のドレス。
ストールはドレスを引き立てるシンプルなデザインながら、ラメ糸が織り込まれているのでパーティシーンにぴったりです。
秋の結婚式でのお呼ばれコーディネート
洗練された秋の装いを演出するには、ドレス選びだけでなく小物類とのコーディネートも欠かせません。
ここでは、秋のお呼ばれコーデをおしゃれに見せるポイントを紹介します。また、やりがちだけれど結婚式のマナー的にNGなポイントもまとめました。
マナーもわきまえたワンランク上のコーデで、秋の結婚式をおしゃれに楽しみましょう。
秋らしいアクセサリーと小物の選び方
秋を意識したパーティドレスを選んだら、アクセサリー小物にも気配りしたいところ。それぞれどんなデザインが似合うのか解説していきます。
▼バッグのマナー
バッグは、秋らしい暖かみを感じられるスエード調がおすすめです。
ゴールドの装飾やビジューの付いたデザインが、秋のお呼ばれコーデを華やかに彩ってくれるでしょう。
▼アクセサリーのマナー
秋色のこっくりカラーやダスティカラーのドレスに華やかさをプラスするには、パールのアクセサリーがおすすめです。
顔周りを明るく見せてくれるだけでなく、女性らしい上品さも演出してくれます。
特に、パールとゴールドを組み合わせたクラシカルな雰囲気のアクセサリーは、秋の装いによく似合うでしょう。
羽織ものの合わせ方
会場内は空調が整っていても、独立したチャペルやガーデンがある会場は、外に出る機会もあります。
また、昼間は暖かくて上着がいらなくても、夜は急激に冷え込むことも。
暑さの残る時期は薄手のストールを、秋が深まったらボレロやジャケットを合わせるとよいでしょう。
落ち着いた色が多い秋の装いには、明るいグレーやベージュ、ゴールド系がおすすめです。
どんな羽織ものを合わせればいいのか紹介していきます。
- ショール、ストール
- ボレロ
- ジャケット
- コート
▼ショール、ストール
温かさ | ★★☆☆☆ |
挙式/披露宴に着てもいいのか | ★★★★★ |
持ち運びの便利さ | ★★★★★ |
ショールやストールは、かっちりしすぎないのが魅力です。
ひざ掛けにすることもできるので、シーンに合わせた使い方ができます。
ラメ入りや総レースを選べば、結婚式の装いをよりドレッシーに仕上げてくれるでしょう。
▼ボレロ
温かさ | ★★★☆☆ |
挙式/披露宴に着てもいいのか | ★★★★★ |
持ち運びの便利さ | ★★★★☆ |
ボレロは、袖ありで丈の短いジャケットの一種です。
さらりと羽織ることができて、防寒対策だけでなく、きちんと感も演出できます。
襟なしで前開きのデザインが多く、女性らしいエレガントな装いができるでしょう。
▼ジャケット
温かさ | ★★★★☆ |
挙式/披露宴に着てもいいのか | ★★★★☆ |
持ち運びの便利さ | ★★★☆☆ |
ジャケットは、結婚式中だけでなく行き帰りの防寒にも便利です。
袖を曲げやすい柔らかい素材を選ぶと、アレンジしやすく長時間でも疲れにくいでしょう。
上品に装うなら、ノーカラーやドレープのあるジャケットがおすすめです。
▼コート
温かさ | ★★★★★ |
挙式/披露宴に着てもいいのか | ★★☆☆☆ |
持ち運びの便利さ | ★☆☆☆☆ |
冷え込む朝晩にはコートがおすすめです。
コートにもマナーがあるため、カジュアルな素材は避け、シンプルで落ち着いた色味のものを選びましょう。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7309/
コートを着るほどではないが肌寒いという場合にはカーディガンがおすすめです。
パーティー中は預けておいて、行き帰りに羽織りましょう。
秋の結婚式における服装NG
結婚式にはフォーマル感が求められるため、カジュアルに見えるアイテムや素材はNGです。また、上品なアイテムでも、結婚式にはふさわしくないものもあります。
せっかくの結婚式で失礼な装いをしないために、マナーもしっかり抑えておきましょう。
タイツを履く
いくら寒くても、タイツではなくストッキングを合わせるのがマナーです。生地に厚みのあるタイツはカジュアルに見えてしまうため、フォーマルな場にはふさわしくありません。
ストッキングだけでは心もとない場合は、ロング丈のドレスやパンツドレスを選ぶといいでしょう。足裏にカイロを貼るなど、見えない部分での防寒対策もおすすめです。
ニット素材のものを身に着ける
ニット素材もカジュアルに見えてしまうため、フォーマルな装いが求められる結婚式にはNGです。式場への行き帰りに着るコートやマフラーなども、網目のあるニットではなく上品に見えるウール素材を選びましょう。
防寒着は受付で脱ぐので問題ないのではと思いがちですが、結婚式は式場に脚を踏み入れる時から始まっているからです。
羽織ものなしでノースリーブのドレス
基本的に昼の結婚式では肌を過度に露出するのはマナー違反。そのため、ノースリーブドレスで出席する場合は羽織ものを羽織るのがマナーです。
コートを着てきて暑くても、挙式会場や披露宴会場では肌を隠すようにしてください。半袖より袖が長いドレスであれば羽織ものはなくても大丈夫です。
全身黒コーディネート
コーディネートに迷うと、つい黒でまとめたくなりがちですが、すべて黒での装いは喪服をイメージしてしまうので避けましょう。
黒のドレスを選ぶときは、レースや刺繍、たっぷりのドレープなどで華やかさがあるものがおすすめです。また、アクセサリーや羽織もの、バッグを明るい色にすることで、暗くなりすぎずに洗練されたコーデになります。
ファー(毛皮)を使ったコーディネート
パーティシーンにはファーの羽織りやバッグを合わせることもありますが、結婚式では避けましょう。
その理由は、ファーの毛が飛んで料理に入ってしまうのを防ぐため。さらに、殺生を連想させるので、おめでたい席にはふさわしくないとされているからです。
同じ理由で、レザー素材やアニマル柄も結婚式ではタブーとされています。
月別のおすすめコーディネート
秋と一口に行っても、夏の気配が残る9月と冬の足音が聞こえる11月では気温が違います。月別におすすめのコーディネートを解説するので、参考にしてみてください。
9月の結婚式におすすめのコーディネート
9月はまだ暑さが続く時期なので、薄手のサテンやオーガンジー素材のドレスがおすすめです。透け感のある半袖や7分袖なら、羽織ものなしでドレスだけでも差し支えありません。
朝晩に冷え込みを感じ始める9月は、二の腕をふんわり包んでくれる軽めの羽織ものがおすすめです。
レースやシフォンなど、薄手のストールやボレロを選ぶとよいでしょう。
透け感のある生地が、まだ暑さを感じる時期に程よく防寒の役割を果たしてくれます。
普段着る機会のないドレスは、レンタルもおすすめです。アクセサリーやバッグもセットになったレンタルは、コーディネートを迷うこともありません。
▼おすすめのブルーグレードレス
DorryDoll のブルーグレードレスは、刺繍が施されたシアー感のあるトップスがおしゃれ。
柔らかく揺れる細かなプリーツスカートは、女性らしい上品さを演出してくれます。
▼薄手のストールやボレロがおすすめ
繊細なレースで、ほどよい透け感のあるストール。
羽織ったストールを軽く絞ってリボンを結べば着崩れしにくくなるので、肩からずり落ちるのが気になる方でも安心です。
リボンの絞り具合で雰囲気が変わるのも、おしゃれ。
10月の結婚式におすすめのコーディネート
10月もまだ暑さが残る日もありますが、朝晩との寒暖差も感じ始める季節。7分袖や長袖のドレスで季節感を出したり、羽織もので調整したりしましょう。
日中でも日によっては肌寒さを感じ始める10月は、秋らしさを取り入れたジャケットやボレロがおすすめです。
サテンやオーガンジー、シルクなど、ハリがあって上品な生地が、季節感を演出しつつしっかり防寒してくれます。
▼おすすめのローズピンクドレス
袖にふくらみがあり、体のラインを強調しすぎないコクーンドレスは、上品な大人の女性を印象づけてくれます。
大胆なダマスク柄のレースは、秋にふさわしい高級感が魅力です。
さらに、くすみ系のローズピンクカラーや背中のリボンが可愛らしく、かっちりしていながらこなれ感も演出してくれます。
▼季節感を取り入れたジャケットやボレロがおすすめ
シックな黒に、連なるパールが上品なボレロです。
袖に透け感があるものの、ハリのあるオーガンジーがきちんと感を演出。
ふんわりした袖は、袖付きのドレスでも動きやすいでしょう。
身頃は裏地付きで、防寒対策もばっちりです。
11月の結婚式におすすめのコーディネート
11月は、日中でも肌寒く感じられる時期。長袖にロングスカートやパンツドレスなどで、暖かみを感じる装いを心がけましょう。脱ぎ着しやすい羽織ものも用意しておくと、式場内での移動時に便利です。
また、長袖のドレスでもアウターを用意しておくとよいでしょう。長めのサイズがドレスとの相性も◎。式中に外に出る可能性も考慮して、フォーマル感があり脱ぎ着しやすい羽織ものがあると便利です。
▼おすすめのブラウンドレス
おすすめするのは、シンプルなシルエットでありながら、デコルテの斜めの切り替えや袖のシャーリングが個性的なドレス。
繊細なレースを重ねた上品なブラウンカラーは、落ち着いた大人の女性を印象づけてくれます。
背中のV字カットや長く垂れるリボンも、個性を際立たせてくれるでしょう。
▼暖かめのジャケットやコートがおすすめ
洗練された大人のフォーマル感を演出してくれるのは、ノーカラー、ノーボタンのすっきりしたデザイン。
袖にスリットが入ったケープ風のシルエットは、おしゃれさと長袖ドレスでも動きやすい実用性を兼ね備えています。
まとめ:秋の結婚式に呼ばれても完璧な服装で楽しもう
徐々に涼しくなっていく秋は、結婚式のお呼ばれ服を選ぶのも難しい季節。秋らしい着こなしをするには、こっくりカラーやダスティカラーに、サテンやベロアなどの生地を選ぶと失敗しません。
ドレスのデザインは、袖ありやロング丈のドレスを選べば、寒さ対策にもなり秋らしさも感じられるでしょう。ドレスが落ち着いた色になりやすいため、小物に明るい色をチョイスすることで、華やかさもプラスできます。
今回紹介したドレスも参考に、秋を感じるおしゃれな着こなしで結婚式を楽しみましょう。