結婚式の服装について、基本は抑えながらもちょっと挑戦したいときがあるでしょう。本記事ではドレスアップのマナーについて触れながら、どんな点に気を付ければアレンジを行っていいのかを紹介しています。
元ウエディングプランナーから見た、最近のゲストの服装の移り変わりも反映しているので参考になれば幸いです。
当日は他人の目を気にしすぎることなく、自信を持ってパーティーに臨みましょう。
お呼ばれドレスの基本
ドレスアップのマナーの基本は「相手を不快にさせないこと」です。気遣いのある服装ができれば問題ありません。
結婚式の主役は新郎新婦様です。そのためゲストの服装には礼節と会場に華を添える役割が求められます。
新郎新婦様は正礼装を着用しますから、セミフォーマルと呼ばれる準礼装がゲストの格好としてふさわしいでしょう。
●色は華やかなもの
先にも触れましたが、ゲストのドレスには会場に華を添える役割があります。明るい色合いのものを選びましょう。
白色は花嫁の色なので、被らないようにします。写真を撮ったときに白っぽくみえる明るいグレーやベージュも控えましょう。
ブラックも人気ですが、黒一色では喪服のように見えるのでNGです。上手く着こなして、華やかに見えれば問題ありません。
主役の花嫁が不快に思わない色を選びましょう。
●デザインについて
準礼装ですが、実は時間帯によって求められるスタイルが異なります。昼は控えめに、夜は華やかなデザインが求められるのです。
結婚式であれば夕方までの開催がほとんどですから、肩を出さないデザインのドレスがよいでしょう。オフショルダーの場合はジャケットやボレロを羽織り、肌を露出しないようにします。
背中、胸元が広く開いているものも相応しくありません。スカート丈は膝あたりまでが好ましいです。
●素材について
正式なパーティーの場ですので、カジュアルな素材は避けます。ドレッシーな印象を与えるものにこだわりましょう。
サテンやシフォン、レース等が適しています。コットンやリネンなどカジュアルに見える素材は避けた方が吉です。
これってOK? ドレスのマナー応用編
結婚式への参加を重ねていくと、いつもと違う服装がしたくなってくるのではないでしょうか。相手への気遣いを忘れなければ、多少はお手本のコーデから外れても大丈夫です。
本項目も参考に、安全圏なドレス以外にも挑戦してみてはいかがでしょうか。
●パンツスタイルについて
ドレッシーな印象を与えるのであれば問題ありません。
ただし準礼装には当てはまらないので、格式高い会場や雰囲気のときと主賓として招かれたときには避けるべきです。
友人としての参加で、和やかなパーティーになる場合に限っての着用が望ましいでしょう。
●平服でお越しくださいとは
「平服でお越しください」と案内される結婚式もありますが、私服で来て欲しいという意味ではありません。この場合の平服とは、略礼装のことを指します。
ちょっといいディナーに行くときのデート服と考えるのがちょうどいいかもしれません。綺麗めなワンピースを選んでください。
●二次会のみ参加のとき
夕方以降の開催であれば、カクテルドレスが好ましいです。披露宴の時よりも華やかな服装が許されます。
キラキラと輝く装飾も露出もOKですが、披露宴からの参加者が多い場合は浮く可能性もあるので注意が必要です。
●パーティーの雰囲気に沿ったデザイン
フォーマルなシーンでは気を遣いすぎるくらいでちょうどよかったりしますが、カジュアルなパーティーであれば肩肘張らなくても大丈夫でしょう。
友人中心のガーデンウエディングやレストランウエディングはカジュアルになりやすいです。招かれた結婚式の雰囲気に合わせて少しチャレンジングなドレスを着てみてはいかがでしょうか。
結婚式にぴったりなアクセサリー
アクセサリーなしで出席しては少し寂しくなってしまいます。気分と雰囲気を盛り上げるためにも着飾りましょう。
●生花は花嫁のみ
おめでたい場でとびきりのおしゃれをしたくても、花嫁が一番でなくてはなりません。生花の飾りは花嫁専用なので避けましょう。
本物にそっくりすぎる造花だと、生花だと勘違いされ誤解を生む可能性がありますので、造花を付ける場合は注意してください。
それを見た花嫁がどう思うかに配慮することが重要です。
●白パールが定番
結婚式のアクセサリーといえば、白パールが定番でしょう。上品で使いやすい宝石です。
イミテーションパールのクオリティも上がっており、手軽に手に入るようになりました。まだ持っていない場合は1セット持っておくことをおすすめします。
●イヤリング・ピアス
大振りで目立つものは避けましょう。一粒タイプのものがおすすめです。花嫁と丸被りになっても気まずくありません。
また、揺れるデザインのものは大きいと目を引きます。また「家庭が揺れる」と無闇に解釈する人がいないとも限りませんので、避けるのが無難です。
ピアス・イヤリングについて詳しくは以下の記事でも解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5914/
つま先まで意識して参加しよう
ドレスアップはつま先まで意識を向けて行いましょう。ストッキング、靴のデザインまで意識を向け、直前になって慌てて用意することがないように準備してください。
靴についてはパンプスが無難な選択肢です。細ヒールで5㎝以上の高さがあるもの、つま先と踵が覆われていることが基本になります。
ただ、最近のゲストの足元事情を振り返ると、気にしていない人が一定数いることも事実です。3㎝ヒールかなと思うこともしばしばあります。
新郎新婦様が足元までチェックしているかというと、そうでもありません。見ているのは他のゲストです。
参加するメンバーの顔ぶれも思い出しながら、どの靴にするか選んでみてください。
●妊娠中・子育て中で高いヒールは履きたくない
妊娠中・子育て中にも関わらず高いヒールを履く必要はありません。危ないです。新郎新婦様も望んでいません。ローヒールの靴を履いていきましょう。
また、妊娠・子育て中で特別な配慮が必要な場合は遠慮なく新郎新婦様に伝えてください。会場側でできるかぎり対応してくれるはずです。
●ストッキングは肌色
タイツや黒のストッキングはNGとなります。フォーマルな場での服装として肌色のストッキングが好ましいです。
寒さ対策としては、ストッキングを重ね履きしたり、カイロを足元に仕込むという手があります。
パーティーに相応しいヘアスタイル
ヘアスタイルはアップへアが基本です。食事の場でもあるので清潔感を意識してください。
ショートの場合はきちんと感が出ているかどうか、他人から見てセットしていないように見えないかを気にしましょう。
美容院でセットしてもらうのが安心です。また、格式高い場所ならセットしてもらうのが当たり前と思われていることもあります。花嫁がどう感じているかさりげなくリサーチしてみてもよいでしょう。
●帽子について
室内・食事中は脱帽するべきと考える人が多く、していかないのがおすすめです。ヘッドドレスについても避けるのが無難でしょう。
映像の放映時に後ろの人の視界を遮ったり、帽子だと思って脱帽を求めるゲストがいるかもしれません。
パーティーバッグのおすすめ
パーティー会場におけるバッグのマナーの1つとして小さければ小さいほどいいというのが挙げられます。
ゲストとホストの交流の場でもある会場にはなるべく荷物を持ち込まないのがマナーです。男性は手ぶらが最もよいとされています。
とはいえドレスにはポケットがありませんので、小さなパーティーバッグを持ち込みましょう。普段使いしているものではなく、上品なデザインのものを用意してください。
●サブバッグを活用
パーティーバッグには厳選された精鋭しか入ることができませんので、その他の荷物をサブバッグに入れます。サブバッグはクロークに預け、パーティー会場には持ち込まないのがマナーです。
よくブランド店の紙袋をサブバッグにする方がいますが、紙袋はNGなので気を付けてください。パーティーバッグと同じように上品なテイストを忘れないようにしましょう。
和装の時のマナー
日本人は公の場に着物で来る傾向が高いそうです。せっかくの結婚式だから着物をレンタルしていこうと考えているかたもいらっしゃるかもしれません。
着物でもドレスと同じく白や黒一色を避け、華やかな色合いのものを選べば間違いありません。選ぶときに店員さんに相談してもよいでしょう。
●未婚なら振袖がおすすめ
振袖は未婚女性の正礼装です。成人式の時に購入したものを着るという方も多いでしょう。華やかさがあり、結婚式の場に相応しいです。
同じく正礼装の黒留袖は、新郎新婦様の母親がよく来ているので避けましょう。親族と間違われてしまいます。
●既婚なら色留袖がおすすめ
黒留袖と同じように裾にだけ柄が入っているのが色留袖です。紋入りの方が格式が高くなりますが、ゲストの立場であれば紋無しであっても問題ありません。
未婚でも着ることが可能です。色留袖ではおしとやかすぎると感じる方は、訪問着の方がバリエーションが豊富なので訪問着で探してみるとよいでしょう。
気遣いをもって服装を決めよう
結婚式での服装マナーについて解説しました。大切なのはマナーに縛られることではなく、新郎新婦様が不快に思わないということです。
迷ったときはどう思われそうか、なぜそれがいいと言われているのかを考えてみるといいかもしれません。
他人を気遣いながらも自分らしさを出した服装で結婚式に出席できることを祈っています。