結婚式は数少ない振袖を着て行ける機会ですから、お呼ばれには振袖で参列したいと考える方も多いです。
振袖は格が高く華やかな装いなので、着ていくと新郎新婦様に喜ばれるでしょう。
しかし、結婚式における服装には様々なマナーがあり、特に白色は花嫁の色だから避けるべきと言われていますね。
ウエディングドレスと被るから、という理由ですが白地の振袖の場合はどうなのかという質問もよく耳にします。
「白地の振袖は避けるべき?」
「白の振袖でもOKなコーディネートは?」
「結婚式における振袖のマナーが知りたい」
この記事では、結婚式に白地の振袖で参列する際のマナーや注意点、コーディネートについて解説します。
晴れの日に華を添えるためにも、鮮やかな振袖での出席を検討してみてくださいね。
結婚式に振袖で参列するときのマナー
まずは振袖の基本的なマナーを紹介します。色・柄を問わず基本的なマナーとなりますので、確認しておきましょう。
振袖は未婚の若い女性の正礼装
振袖は未婚女性の第一礼装であり、既婚の場合は着用できません。厳密な年齢制限はありませんが、一般的に20代を中心に着用されることが多いです。
30代以上の未婚女性が着用する場合には落ち着いた色柄を選んだり、訪問着を選ぶことがおすすめ。
アクセサリーについて
和装の場合、洋装ほどアクセサリーを身につけることは一般的ではありません。和装では、着物そのものの華やかさや、帯揚げ、帯締め、半襟といった小物のコーディネートを楽しむことが重視されます。
アクセサリーを付ける場合は、控えめなデザインのものを選びましょう。指輪については、結婚指輪や婚約指輪のみOKとされています。
また、生花の髪飾りは花嫁の特権とされているため、ゲストが使用するのはマナー違反です。
振袖の種類について
振袖は未婚女性の第一礼装であり、結婚式のようなお祝いの席にふさわしい華やかな装いです。
振袖には袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類があり、それぞれ着用シーンが異なります。
結婚式に参列する際には、その種類ごとの特徴を理解し、適切な振袖を選ぶことが大切です。
ここでは、各振袖の種類について詳しく解説していきます。
1.大振袖
大振袖は振袖の中でも最も格式が高いとされており、袖が非常に長いのが特徴です。
この長さから引き振袖やお引きずりとも呼ばれており、その名の通り裾を引きずるように着用します。
特に立ち姿は優美で婚礼衣裳として花嫁が着ることが多いため、参列者の立場で着ることはNG。
2.中振袖
中振袖は大振袖と小振袖の中間の長さの袖を持ち、袖の端がくるぶし付近にくるため、立ち姿が美しく見えるとされています。
大振袖の次に格が高いとされており、成人式や結婚式のお呼ばれ、結納、お見合いなど、幅広い場面で着用可能です。
特に未婚女性の第一礼装として、華やかさと品格を兼ね備えた装いとして重宝されています。
友人や同僚の結婚式に参列するときは中振袖が基本となり、「振袖」と聞いたときに想像する一般的な振袖です。
3.小振袖
小振袖は、振袖の中でも袖の長さが最も短く、軽やかな印象を与えるのが特徴です。
卒業式で袴と合わせるスタイルが一般的で、振袖の中では気軽なカジュアル寄りの分類となっています。
格式高いホテルや専門式場での披露宴では、格の高い中振袖を選ぶのが無難です。
年齢に合ったデザインを選ぶ
結婚式に参列する際の振袖選びでは、年齢に合わせたデザインを選ぶことも大切です。
一般的に、10代から20代前半の未婚女性には、華やかで明るい印象の振袖が人気を集めています。
一方、20代後半になると、少し落ち着いた雰囲気の振袖が人気です。
レトロモダンなデザインや落ち着いた色合いが似合うでしょう。
30代前半で着用する際には、深みのある落ち着いた色合いに、シックな古典柄やモダン柄を組み合わせたものがおすすめです。
金糸や銀糸が織り込まれた帯や、帯締めなどの小物でアクセントを加えることで、地味にならず洗練された印象になります。
年齢に合った振袖を選ぶことで、より一層お祝いの席にふさわしい装いとなるでしょう。
結婚式のスタイルに合わせる
お呼ばれされた結婚式のスタイルに合わせて振袖を選ぶことにより、会場と統一感のあるコーディネートになるでしょう。
フォーマルな披露宴や格式高い会場での挙式には、吉祥文様や古典的な柄が描かれた振袖が似合います。
一方で、レストランウェディングなどカジュアルな雰囲気の結婚式には、洋花をモチーフにした振袖もおすすめです。
例えば、モダンな柄は会場の雰囲気に自然になじみ、華やかさを添えてくれるでしょう。
会場の雰囲気や新郎新婦様の意向も考慮して振袖の柄を選ぶことで、より一層お祝いの気持ちを伝えることができます。
自分らしい振袖を選ぶときの判断ポイントになるので、意識してみてください。
体に合った振袖を着る
成人式に合わせて誂えた振袖も、時間が経ってサイズが合わなくなっているという場合もあるかもしれません。
仕立てた頃と比べてサイズが大きく変わっていないかもチェックポイントです。
サイズが合っていないと丈が足りなかったり、だらしない着付けになってしまいます。
場合によっては仕立て直したり、レンタルしたり、お呼ばれドレスで行くことも検討してみてください。
結婚式では避けた方がいい振袖について
結婚式に振袖で参列する際、基本的には色や柄を気にする必要はありません。しかし、いくつか避けた方が良いとされる色柄やコーディネートも。
白の振袖以外で避けるべき振袖について見ていきましょう。
赤い振袖
赤い振袖は華やかで人気があり、成人式でよく選ばれる色の一つです。しかし、結婚式にゲストとして参列する場合、赤い振袖には注意しましょう。
花嫁が色打掛にお色直しする場合、赤い打掛が人気だからです。そもそも、打掛を着ようと思ったら赤色以外の選択肢がほとんどありません。
もちろん、花嫁のお色直し衣裳について事前に確認できていれば、被りを気にする必要はないでしょう。しかし、サプライズにしている場合も多いので和婚の場合は特に注意する必要があります。
色打掛も赤い振袖もどちらも華やかなので、衣裳被りのようになってしまうのが心配であれば避けるのが無難です。
蝶が描かれた振袖
振袖に描かれる柄には、それぞれ意味や願いが込められています。蝶の柄は美しく華やかですが、ひらひらと舞う様子から「遊び人」「移り気」といった意味になることも。
蝶がメインになっているような着物は避け、古典柄や花がメインの柄を選ぶようにしてください。
結婚式に白ベースの振袖を着て行くときの注意点
白地の振袖は柄の色合いが美しく映え、着物姿を一層引き立ててくれますが、花嫁の色である白には配慮が必要です。基本的に問題はありませんが、白ベースの振袖を選ぶ際には、いくつか注意しておきたい点があります。
ワントーンコーデにしない
白地の振袖を選ぶ際に最も注意したいのが、白色のワントーンコーディネートです。最近の成人式では、地模様のみの白の振袖に白い帯や小物を合わせた、ドレスのようなコーディネートも人気があります。
しかし、結婚式において白一色の装いは、花嫁の白無垢やウエディングドレス連想させるでしょう。特に白無垢は全身を白で統一した婚礼衣裳であり、被っていると思われる可能性が高くなります。
結婚式はあくまで新郎新婦様が主役ですので、ゲストは一歩控えめな装いを心がけるのがマナーです。白振袖を選ぶ場合は、帯や帯揚げ、重ね襟などに鮮やかな色を取り入れ、白一色にならないように工夫しましょう。
柄が入っているものを選ぶ
柄が多く描かれている振袖であれば白地の面積が少なくなり、第一印象が白一色になるのを避けることができます。
地模様だけのものではなく、色とりどりの柄が広範囲に描かれている振袖を選ぶと安心です。
華やかな柄が入ることでお祝いの席にふさわしい装いになりますし、花嫁や留袖の親族と間違えられる心配もなくなります。
古典柄であれば吉祥文様など縁起の良い意味合いを持つものが多く、よりお祝いの場にふさわしいでしょう。
柄のない白一色の振袖はそう多くありませんが、薄いグレーなどで書かれていると一見無地に見えることも。
柄の色合いが鮮やかなものを選ぶのがおすすめです。
白地の着物はマナー違反だと思う人もいる
結婚式において白いドレスは花嫁の色とされており、ゲストは着用を避けるのが洋装のマナーです。
一方和装においては、白地の着物がマナー違反ということにはなりません。
しかし、洋装マナーのイメージが強く和装でも白は避けるべきだと考える人もいます。
マナー違反ではないとしても、ゲストの中に誤解する方がいたり、新郎新婦様や親族に不要な心配をかけてしまう可能性も。
事前に花嫁が白無垢を着ると知っている場合は、配慮して白地の着物を避けるという選択をする方もいます。
もし白地の振袖を着たい場合は、白の面積が少なく華やかな柄のデザインを選ぶと安心です。
ご家族や新婦様に相談できるのであればしましょう。
知識や情報を知っていても、本人がどう思うのかが分からなければ相応しい服装とは言えません。
結婚式におすすめの白色振袖
結婚式に白ベースの振袖で参列したい場合、どのようなデザインを選べば良いのかご紹介。白地の振袖と一口に言っても、柄の種類や色使いによって印象は大きく変わります。
具体的にレンタル可能な振袖を紹介していくので、参考にしてみてください。
古典柄の振袖
古典柄の振袖は上品で格式高い雰囲気を演出でき、結婚式のようなお祝いの場にふさわしいです。古典柄には、松竹梅や鶴亀などの吉祥文様や、御所車、扇など古くから縁起が良いとされる柄が多く用いられています。
流行に左右されず、親族や年配の方からの印象も良いでしょう。白ベースに古典柄が描かれることで柄の色合いが鮮やかに引き立ち、華やかながらも落ち着きのある着こなしに。
レトロで個性的な振袖
現代的な感性で描かれたレトロモダンな振袖は、おしゃれで個性的なスタイルを好む方におすすめ。古典柄に比べて自由な発想でデザインされており、大胆な構図や色使いが特徴です。
白地であっても柄の方が目立つので、周りの視線も気になりにくいでしょう。ただし、あまりに奇抜すぎるデザインや、お祝いの場にふさわしくない柄は避けてください。
帯や小物で差し色を効果的に使うことで、レトロモダンな振袖の個性をより引き出すことができます。
白地の振袖に合うメイクやヘアセット
振袖に似合うヘアメイクは洋装とは異なります。振袖に似合うメイクとヘアセットについてご紹介するので、参考にしてみてください。
マットなベースメイク
和装に合わせるベースメイクは、ツヤ肌よりもマットな質感に仕上げるのがおすすめです。陶器のようななめらかな肌を目指しましょう。
Tゾーンなどのテカリやすい部分はフェイスパウダーでしっかりと抑えると、写真撮影の際も安心です。ハイライトを入れる場合も、控えめに使用し、部分的なツヤに留めるのが和装には似合います。
はっきりとしたアイメイク
目元をはっきりとさせることで、顔全体のバランスが良く見えます。着物が華やかなので釣り合うようなはっきりめのメイクがおすすめです。
眉毛はなだらかな曲線を描くナチュラルな形に整え、アイラインをまつ毛の生え際を埋めるように引きます。アイシャドウの色は、振袖に使われている色や帯の色と合わせるように意識しましょう。
単色で仕上げるよりもグラデーションを作ることで目元に奥行きが出て、より魅力的な仕上がりになります。
鮮やかなリップ
華やかなリップメイクを目指しましょう。リップの色は、振袖に使われている色や肌の色に合うものを選びます。
グロスを重ねて艶感を出すのも素敵ですが、マットな質感のリップも和装には馴染みます。なりたいイメージや振袖の雰囲気に合わせて、リップの色や質感を調整してみましょう。
アップへア
着物にはすっきりとまとめたアップスタイルが基本です。うなじを見せることで、和装特有の美しさを引き立てることができます。
ショートヘアの方でも毛流れを整えたり、ヘアピンを使ってまとめることできちんと感のあるヘアセットに。古典的なまとめ髪からルーズなアップ、シニヨンなど、振袖の雰囲気や好みに合わせて選べます。
ただし、花嫁よりも目立つ高すぎる位置でのアップや、ボリュームのあるヘアセットは避けましょう。
差し色を使ったヘアアクセサリー
ヘアアクセサリーを着ける場合、白色ではなく帯や小物に使われている色のアクセサリーがおすすめです。そうすることでヘアアクセサリーだけが浮くことなく、全体の着こなしに統一感が生まれます。
和装に合うヘアアクセサリーとは、つまみ細工の飾りや簪、水引を使ったアクセサリーなどです。生花やパールを使った髪飾りは花嫁が使用することが多いため、ゲストは避けましょう。
華美すぎず、上品なデザインのアクセサリーを選び、振袖姿をより魅力的に演出してみてください。
まとめ:白地の振袖を着る時はコーディネートに気を付けよう
結婚式に白地の振袖を着ていくことは、必ずしもマナー違反ではありません。しかし、花嫁の色である白色には特別な配慮が必要です。
特に、全身を白でまとめたワントーンコーディネートは、花嫁の白無垢と紛らわしくなるため避けます。白地の振袖を選ぶ場合は、柄が豊富に入っているものを選び、白の面積が少なくなるように工夫しましょう。
また、帯や小物に鮮やかな色を取り入れることで白一色になることを防げます。お祝いの場にふさわしい華やかな装いにもなるのでおすすめです。
場が華やぐ振袖を着ていくと新郎新婦様に喜ばれます。白の振袖を着ていくか迷っている場合は、本記事も参考にコーディネートして参列してみてくださいね。