日本の伝統や風情が感じられる和装での結婚式に憧れる方も多いでしょう。衣裳を和装にするだけでなく、会場装花やアイテムにも和を取り入れるのが、統一感のある結婚式にするポイントです。
そこで今回は、元フラワーコーディネーターの筆者が、和婚におすすめの花材や装花のアイデアを解説していきます。
また、ゲストからも感嘆の声が上がる印象的な結婚式にするためには、装花以外での工夫も欠かせません。
和婚や和モダンを演出するコツも紹介するので、ぜひ最後までお読みくださいね。
和婚におすすめの花材10選
和婚にするなら、装花に和をイメージしやすい花材を取り入れるのがポイントです。
まずは、おすすめの花材を10種類紹介していくので、装花を決める時の参考にしてください。
ダリア
優美で気品のある姿が魅力の大輪のダリアは、和婚の華やかな雰囲気に似合います。
和装の柄にもよく使われる牡丹に似ていて、和の雰囲気に馴染みやすいこともおすすめの理由です。
鮮やかな色が多くバリエーションも豊富で、色打掛の柄に合わせたコーディネートも楽しめます。
ピンポンマム
菊は、日本で古来から尊ばれてきた花。特にピンポンマムは、ボール状の丸い形が和婚の装花に可愛らしさを演出してくれます。
また、白や黄色、グリーンなどはっきりした色が多く、和婚を華やかに引き立ててくれるでしょう。
「君を愛す」という花言葉も、結婚式にぴったりです。
ユリ
「純潔」「無垢」などの花言葉と、上品な美しさを持つユリは、結婚式にふさわしい花。
特に、白いユリの凛とした姿は和装の気品を一層引き立ててくれるので、格式のある式場にもぴったりです。
また、ピンクはエレガントに、黄色やオレンジは鮮やかに会場を彩ってくれます。
コチョウラン
蝶が舞うように優美なコチョウランは、和装のたおやかさを引き立ててくれる花。高貴な印象もあり、和婚の気品や格式を一層高めてくれます。
「幸福が飛んでくる」という花言葉も、結婚式にぴったり。上品な雰囲気にしたい時は白、温かみを添えたい時はピンクがおすすめです。
シャクヤク
シャクヤクは高貴さや美しさを象徴し、縁起がよいとされる花。着物や帯の柄によく用いられるため、和装と馴染みも深いです。
また、大輪で花びらが幾重にも重なる美しい姿は、和婚を一層華やかに彩ってくれます。白や濃いピンク、淡いピンクが、結婚式装花に人気です。
グロリオサ
ユリに似た細長い花びらが反り返るように咲くグロリオサは、南国風に見えますが和のテイストとも相性のよい花。
鮮やかな赤に黄色の縁取りが入った色が、品のよい白無垢や豪華絢爛な色打掛によく合います。
メインで使うよりは、ユリやダリアに合わせて入れるのがおすすめです。
サクラ
和婚の装花にサクラを取り入れることで、日本の伝統美を表現することができます。
着物の柄にも使われるため和装と相性がよく、上品で優しい雰囲気を彩ってくれるのが魅力です。
また、サクラは物事の始まりや繁栄を象徴する花。ふたりの門出を祝う結婚式にぴったりです。
コデマリ
細い枝に小さな毬のような白い花をたくさんつけるコデマリ。
アーチを描きながら枝垂れるような姿がたおやかで、和婚の装花を品よく見せてくれます。
枝の流れを利用して動きを出すと、華やかさも演出してくれるでしょう。
花言葉は「優雅」「品位」などで、和装にぴったりです。
紅葉
サクラとともに、日本の四季を彩る紅葉。鮮やかな赤や黄色が、華やかな和婚によく馴染みます。
秋の落ち着きを演出してくれるので、季節感だけでなく大人っぽい雰囲気を取り入れたい方にもおすすめです。
装花に一枝挿したり、紅葉を周りに散らしたりしてもよいでしょう。
苔
苔は日本庭園や盆栽などで古くから馴染みがあり、伝統美を象徴する植物。
苔の落ち着いた色や雰囲気は和装とも相性がよく、装花に上品さを加えてくれます。
器の中に苔庭を表現したり、苔玉を飾って愛らしさのある雰囲気にしたりと、使い方によってさまざまな演出が可能です。
和婚を演出するコツ
和をイメージする花だけでなく、ほかのアイテムも使って会場全体を和テイストにすると、統一感のあるコーディネートができます。
ここでは、アイテムを使って和婚を演出するコツを5つ紹介しましょう。
和風の小物と合わせる
簡単に和婚を演出するなら、装花に和風の小物を合わせるのがおすすめです。
例えば、次のようなアイテムを装花に入れたり、周りに配置したりすれば、一気に和の雰囲気が取り入れられます。
- 水引
- 組み紐
- 手毬
- 折り鶴
水引で輪を作ったり、組み紐を花に絡ませたりして、装花に添えましょう。ゴールドやシルバーを使うと、上品で高貴な雰囲気になりますよ。
いくつか組み合わせて使うと、より和の雰囲気が際立ちます。
和柄のテーブルクロスを敷く
和柄のテーブルクロスを敷いて、和を演出するのもおすすめです。面積が広く会場全体の印象を左右するので、和の印象を強めたい時によいでしょう。
少し雰囲気を和らげたい場合は、無地のランナーを敷くか、ランナーを和柄にしてテーブルクロスを無地にするのもありです。
また、赤や紫、黒、ゴールドなど、装花とのコントラストがはっきりしやすい色にすると、それぞれが際立ち華やかになります。
重箱をフラワーベースに使用する
テーブル装花で和婚を演出するなら、フラワーベースに重箱を使うのもおすすめです。重箱には「幸せを積み重ねる」という意味もあるので、結婚式にもぴったり。
二段や三段を少しずらして重ね、上段や隙間に花をアレンジすると、豪華なテーブル装花になります。華やかにするなら朱色、落ち着いた雰囲気には黒色がよいでしょう。
また、小ぶりの装花にしたいなら、お酒の升を使うのもありです。
竹に装花をアレンジする
竹を使った装花も、和の雰囲気を演出できます。
竹をくり抜いたものをフラワーベースにすると、ナチュラル感のある装花になるので落ち着いた雰囲気にしたい方におすすめです。
また、メインテーブルの両側に竹を立てたり、背面に竹を並べたりして花を装飾すると、豪華なフォトブースになります。
七夕の時期なら、立てた竹にゲストからのメッセージを吊るしてもらうと、季節感のある演出ができるでしょう。
ペーパーアイテムやウェルカムグッズに和柄を使う
ペーパーアイテムやウェルカムグッズに和柄を使うだけでも、和の雰囲気を感じる結婚式になります。
席札や席次表を和柄にするだけでなく、メニューやドリンク表を縦書きの毛筆フォントにして、和にこだわってみましょう。
ウェルカムスペースには、和装の前撮り写真や吊るし飾りを置くのもよいですね。
また、受付プレートに両家それぞれの名前が入った扇子を使うのもおすすめです。
和モダンを演出するコツ
和婚では、和風をスタイリッシュに仕上げた和モダンのコーディネートも人気があります。
和モダンを演出するコツも5つ紹介するので、参考にしてください。
レトロな小物と合わせる
和モダンとは、日本の伝統と現代的なデザインを合わせたスタイルのこと。和と洋をミックスしたレトロな小物を合わせると、和モダンを演出できます。
例えば、竹細工やすりガラスを使ったキャンドルホルダーは、レトロ感満載。さらに、キャンドルの温かみのある灯りが、結婚式をロマンチックに演出してくれます。
また、モダン柄の毬やアイアンを使った花器も、和モダンのコーディネートにおすすめです。
水中花にする
水中花とは、水の中に花を沈めて飾るアレンジのこと。円柱や球形のガラス花器に花を入れて水中花にすると、和モダンな雰囲気になります。
使う花は、デンファレやバンダ、カラーなど、和装に似合うスタイリッシュでモダンな花がおすすめ。
グリーンを水中で絡ませたり、花器の間に流して置いたりしてもおしゃれです。
また、水の上にキャンドルを浮かべて、幻想的な雰囲気を演出するのもよいでしょう。
幾何学模様を装花に取り入れる
和風のフラワーアレンジに幾何学模様を取り入れると、一気にモダンな雰囲気になります。
竹を細くしたような見た目のトクサをまっすぐ立てたり、三角や四角に折って挿したりするだけでも和モダンに。
ニューサイランやタニワタリなど線を強調した葉も、まっすぐ立てたり丸めたりと、モダンなアレンジができます。
白いミツマタや、金銀に塗った枝を使ってもスタイリッシュな装花になるのでおすすめです。
ドライフラワーを使う
和モダンには、くすんだ色合いのドライフラワーも良く似合います。
カスミソウやスターチスなどの小花を中心としたアレンジは、優しい雰囲気にしたい方におすすめです。
また、プロテアやピンクッションなどインパクトの強いドライフラワーは、洗練されたスタイリッシュなコーディネートができます。
ナフキンや装花に添える組み紐、水引などをゴールドにして合わせると、華やかさも加えられますよ。
全体の色数を抑えてシンプルにする
和モダンを演出するには、全体の色数を少なくしてシンプルにまとめるのもポイントです。
全体を2~3色に抑えると、洗練されたコーディネートになります。
テーブルクロスやナフキンも装花と同系色やコントラストの少ない色にすると、統一感のある大人の雰囲気を演出できるでしょう。
例えば、全体を白グリーンでまとめて、ポイントに赤や黄色などを入れると、上品な和モダンコーデになります。
まとめ:和風のコーディネートで式場をまとめよう
結婚式では、日本の伝統を感じられる和風テイストも人気です。
和柄の図案によくある花や和と馴染みやすい花を使うことで、統一感のあるコーディネートができます。
今回は、和婚におすすめの花や飾り方、和風や和モダンを演出するコツを解説してきました。
花だけでなく、和を感じられるアイテムを組み合わせることで、おしゃれな空間演出ができます。
和装のデザインやテーマに合わせて装飾を工夫し、印象に残る和婚をコーディネートしましょう。