結婚式でサプライズされたら一生の思い出に残りますよね。サプライズムービーとは当日失敗する可能性が低く、人気のある余興演出です。
しかし、結婚式でサプライズを行った経験がある人の方が少なく心配に思う方もいるでしょう。
「結婚式のサプライズムービーの作り方が知りたい」
「喜ばれるムービーの内容って?」
「作成するときに注意するポイントは?」
結婚式ムービーの作成にも関わっていた元ウエディングプランナーが、結婚式のサプライズムービーについて解説します。本記事ではサプライズムービーの作り方や新郎新婦様に喜ばれるムービーのアイデアを紹介していくので、参考にしてみてください。
また、ムービー作成における、著作権などの注意点についても併せて紹介しています。本記事を参考に、早速動き始めてもらえれば嬉しいです。
結婚式のサプライズムービーの作り方
サプライズでムービーを作成することにしたものの、どんな内容にしようかと悩んでしまいますよね。ウケ狙いの面白系でいくのか、真面目な感動系で涙腺を狙うのか迷いどころです。
定番のアイデアでさっそく作成してもいいですが、まずは新郎新婦様と結婚式についての情報を整理してから取り組むことをおすすめします。まとめた情報を基に大まかな方向性を決めてから、アイデア出しに移りましょう。
以下の手順も参考にどんなサプライズムービーにするのか考えてみてください。
1.結婚式について情報収集する
事前に知っておくべき結婚式についての情報を以下まとめました。新郎新婦様に聞いてみたり、会場のHPを見たりして情報を集めましょう。
▼結婚式について
- 披露宴or1.5次会or二次会
- 時間帯
- お二人が目指す雰囲気
- 招待されたゲスト層
- 披露宴会場の雰囲気
- スクリーンの大きさ、数
- 使える時間
▼新郎新婦様について
- 希望するテイストがあるのか
- 普段のお人柄
- 好み、嫌いなもの
- NGについて
上記の情報を集めてみて、大まかな方向性を決めます。NGについても事前に分かっているとより安全です。
以前、出会いのきっかけについては秘密にしたい新郎新婦様がいらっしゃいました。しかし乾杯の挨拶を務めたご友人が出会いについて話してしまい、新婦様の表情が険しくなってしまったことがあります。
また、結婚式について「家族や友人に感謝を伝える結婚式」というコンセプトであれば、面白系ではなく感動系の方が雰囲気に合います。「快活なお二人の結婚式二次会で、飲みまくり同窓会パーティー」であれば身内ネタ満載のお笑い系でもよいでしょう。
真面目かおふざけか、笑いを入れる具合はどのくらいかをざっくりと決めてください。
2.サプライズムービーの構成を考える
大まかな方向性が決まったところで、アイデア出しへと移ります。定番のアイデアに飛びつく前に、新郎新婦様の好きなものを再確認しましょう。
何よりお二人のために作る動画ですから、各所に好きなものを散りばめるのがおすすめです。お二人の好きなものは何でしょうか。
釣りが好きであれば人物などを釣り上げるシーンで、笑みがこぼれるでしょう。ディズニー映画『リトル・マーメイド』が好きであれば、フォークで髪を梳かすシーンをさりげなく入れてあると、気づいたときに嬉しく思ってもえらえます。
小ネタ的に入れてもいいですし、最初から最後まで好きなもので構成しても喜ばれるでしょう。アイデアのベースは以下を参考に、オリジナルなお二人へのサプライズムービーを作成してみてください。
3.動画素材を集める
素材集めは思い出深い写真や動画を集めることも基本ですが、友人や親御様からのメッセージを集めることもおすすめです。撮影する場合は事前に協力をお願いし、撮影期間を十分に設けておきましょう。
クオリティの高い動画素材を集めるには時間が必要です。また、意外な人物からのサプライズメッセージは新郎新婦様だけでなくゲストにも好評なので、ぜひ検討してみてください。
4.動画編集・動作確認
結婚式のサプライズムービーを成功させるためには、動画素材が集まったらすぐに編集作業に入ることが重要です。サプライズムービーの作成には大きく分けて3つの方法があります。
- 提携業者に依頼する
- 外部業者に依頼する
- 自作する
それぞれのメリット/デメリットなどを紹介していきます。サプライズムービー作成の手間と時間、コストをよく考えて自作するのか委託するのかを決めましょう。
いずれの方法を選ぶにしても、完成後は必ず動作確認を行い、映像がスムーズに再生されるか、音声がクリアかどうかチェックしてください。
▼提携業者に依頼する場合
結婚式場と提携している業者に依頼することで、簡単にプロ仕様のムービーが作成可能です。
・発注の手間を省くことができる
・高品質なムービーが手に入る
・セット割引が用意されていることもある
・自分の細かい要望が反映されにくいことがある
結婚式のサプライズムービーを結婚式場の提携業者に依頼することで、手軽に高品質な映像を手に入れることができます。しかし、選択肢が限られる点や細部の要望が通りにくい場合があるため、事前の確認と相談が重要です。
▼外部業者に依頼する場合
提携外の業者に依頼する場合は、著作権などの手続きもまとめて任せられるクリエーターを頼りましょう。最近は業者に依頼する以外にも、「ココナラ」等で個人へ委託することもできるようになりました。
事業者も個人で活動するクリエーターも、各人で特色があります。作りたい動画に合わせてどこに依頼するのか決めるのがよいでしょう。
・テンプレートが豊富
・手間をかけずにハイクオリティな動画が手に入る
・動画作成の時間が取れなくてもOK
・納期に合わせて素材を用意する必要がある
・ピンキリである
・映像の持ち込みに持込料がかかることもある
外部業者は豊富な選択肢と高いクオリティが魅力ですが、納期やコストといった面がデメリットです。
▼自作する場合
自分自身で編集ソフトを使いこなすことができれば、低コストでオリジナルの動画を制作することができます。しかし、自作の場合は編集スキルが求められ、クオリティ面や時間の確保が課題となることも。
・誰でも自分のスタイルに合わせて自由に作成できる
・コストを抑えられる
・手作りならではの温かみがある
・動画編集スキルが向上する
・時間と労力がかかる
・計画的に進める必要がある
クオリティがネックですが、アットホームな雰囲気の結婚式であればむしろ素人感のある動画の方がしっくりくるという場合もありえます。使える時間や労力を算出した上で判断してみてください。
結婚式のサプライズムービーのアイデア
定番のアイデアを以下紹介していきます。内容についても、定番のアイデアをベースにしつつ、オリジナリティを出せるように紹介しました。
これらをベースにしたり、参考に構成を考えるのがおすすめです。一番のおすすめはリモートでたくさんの人が参加可能なリレー形式ですが、自作になりますから力量とコストを鑑みて選んでみてください。
1.メッセージリレー
リレーのようにメッセージ動画が繋がっていくムービーです。お手軽でありながら気持ちのこもったムービーが出来上がります。
・動画を繋ぎ合わせるだけで完成する
・完成まで時間がかからない
・参加のハードルが低く、参加者を多く募ることができる
・SNSリレーを参考にできる
・参加者が得意なことを思い切り表現できる
・編集者が腕をふるう場面はあまりない
・メッセージ動画のクオリティが低いと全体が低クオリティに見える
たくさんの人に参加してもらいたい場合におすすめです。
▼友人から新郎新婦へのサプライズの場合
友人からサプライズとして贈る場合は、ユーモアのある内容でも喜ばれます。以下のアイデアも参考にしてみてください。
- 普通のメッセージリレーかと思いきや、実は同時にお二人にまつわるもの縛りで絵しりとりがなされていた
- スケッチブックにメッセージを書いていく動画で、最後に使ったスケッチブックをプレゼント
- 動画の参加者が花を一輪差し出す動作を入れて、最後に実際に花束をプレゼント
- あえてクオリティを下げて、10秒でメッセージを書いてもらう
もう一度初めから見直したくなるようなサプライズムービーの参考になれば幸いです。
2.面白いパロディ動画
比較的笑いが取りやすいのがパロディムービーです。いかに原作に近づけられるかに挑戦してもいいですし、オマージュ程度に抑えるのも手でしょう。
注意点は内容と音楽の著作権です。結婚式場に必ず確認をしてください。
また、完成度を高めようとすればするほど手間がかかっていく傾向にあります。スケジュール管理に気を付けましょう。
パロディ元となる作品ですが、面白さや再現のしやすさのほかに、新郎新婦様が好きまたは知っているか、ゲストにネタが伝わるかも吟味して決定してください。結婚式のシーンがある映像作品はヒントの宝庫なので、困ったらディズニープリンセスの映画がおすすめです。
完成度を追い求めるあまり、本来の新郎新婦様へお祝いの気持ちを伝えるという目的を見失わないでくださいね。
▼新郎から新婦、新婦から新郎へサプライズの場合
新郎新婦様同士でサプライズを行うことも多いです。サプライズの最後に花束を渡したり、顔を合わせる時間があると収まりがよくなります。
3.ダンス動画
参加者の負担がかなり高いですが、ダンスを収めたサプライズムービーも人気の演出です。ただ、ダンスを普段から嗜まれている場合を除いて、おすすめできません。
練習の時間も必要ですし、大人数で撮影するならスケジュール調整も必要になります。一人ずつお祝いの気持ちをダンスで表現してリレー形式にするなど、工夫しましょう。
上記の方法であれば踊りのジャンルが違っていても共演しやすいですね。前後の人の動画が繋がるような編集にしても面白いでしょう。
隣の動画の人とハートを作ったり、ボールをパスしたり、水をかけたり表現できることはたくさんあります。また、簡単な振り付けをお探しでしたら、「TikTok」などのショート動画で探すのがおすすめです。
▼ムービー後に花束を渡すのもおすすめ
サプライズムービーの終わりには実際にダンサーが披露宴会場に入ってくる、という演出もサプライズ感が強いです。花束などのプレゼントを持って入場しましょう。
4.新婦様の取扱説明書
ユーモアを織り交ぜた新婦様の取扱説明書風の動画も非常に人気のあるアイデアです。新婦様の特長や性格に基づいた説明を盛り込むことで、ゲストを笑わせつつ、新婦様を魅力的に引き立てることができます。
特に新婦友人からのサプライズとしておすすめ。作成する際には新婦様についてリサーチし、それらを元にユーモア満載の取扱説明書を作成しましょう。
商品説明風の動画だとさらにそれっぽくなります。ナレーションや字幕を効果的に使用し、視覚的にも楽しめる構成にすることがポイント。
ただし、新婦様が不快に感じないような内容を心掛けることが重要です。
5.インタビューリレー
インタビューリレー動画は、友人や家族に新郎新婦様に関するエピソードを語ってもらう形式で進行する動画です。この形式では、さまざまな視点からの思い出話や、お祝いの言葉やメッセージが盛り込まれるため、ゲストからの注目度も高くなります。
インタビュー形式なので、カメラの前で答えるだけでよく、参加のハードルが低い点も魅力です。さらに、ニュース風の画面にするなど編集に工夫を凝らすことで、動画のクオリティと楽しさを一層引き立てることができます。
サプライズムービー作成時の注意点
サプライズムービー作成時に気を付けてほしいポイントは以下の5つです。
動画作成業者ではなく、自作のムービーですと「知らなかった」せいでサプライズが台無しになってしまうことも。それぞれ意識した方がいいポイントを紹介していきます。
1.サプライズムービーの内容について
まず内容についてですが、身内ネタだけに走るのはやめましょう。新郎新婦様へ宛てたサプライズムービーといえど、招待されたゲストみんなで見るものです。
ゲスト層の年齢が高めなら、最近の若い人の流行り等は分からないかもしれません。新郎新婦様に喜んでもらえる内容にすることは大前提ですが、誰でも楽しめる内容を考えることをおすすめします。
2.音楽・人物・デザインの著作権について
結婚式場での放映となる場合、音楽の使用に制限があります。事前に確認するとともに、作成中も意識を向けてください。
参加者の肖像権やパロディ動画の著作権についての取り扱いについても解説していきます。
▼音楽の再生について
結婚式場で音楽を再生する場合は申請が必要になります。結婚式場で音楽を再生することは、商用利用に当てはまるからです。
著作権フリーのBGMを利用することをおすすめします。どうしても使いたい曲がある場合は式場プランナーへ相談しましょう。
手続きを行ってくれるか、NGが出るかは式場次第です。完成してからNGを出されたなんてことがないように事前に確認してください。
また、曲をムービーの中に落とし込むことは無断転載に相当します。著作権を侵害することになりますので、こちらの点も注意しましょう。
結婚式場によっては、無音のムービーを持ち込み、当日原盤CDの再生と同時にムービーを放映するという技が使えるところもあります。この方法なら音源のコピーは行っていませんから、そこで引っかかることはありません。
著作権について知らなかったでは済みませんので、事前に確認しましょう。
結婚式での音楽と著作権については、以下の記事で詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/3955/
▼参加者の肖像権について
動画撮影に協力してくれた人には、必ず結婚式場で動画が放映されることを伝え許諾を得ましょう。特に過去の動画を引っ張り出してきた場合などは、本人の知らないところで勝手に動画が使われることの内容にしてください。
▼デザインの著作権について
パロディムービーが著作権的に放映可能かどうかは結婚式場によります。厳しい会場だとNGを出されることもあるので、必ず先に確認してください。
責任をとるのは新郎新婦様ですから、くれぐれも慎重に作成しましょう。
3.プランナー、新郎新婦への確認事項について
音楽の確認以外にも、サプライズムービーの放映についてはプランナーと綿密に連携することがおすすめです。サプライズともなればなおさら失敗できません。
ムービーの放映前後にマイクでしゃべるのか、ご友人よりプレゼントを渡したりするのか、当日の流れも打ち合わせします。そして、事前の再生確認はもちろん、スクリーンの比率も確認しましょう。
ムービーの放映自体がサプライズの場合、機材関係についての確認はプランナーへ行う方がネタバレの危険がありません。少しでもこれはどうだろう?と疑問に感じたらすぐに確認することがおすすめです。
4.取り掛かるタイミングについて
ムービー作成は意外と手間がかかるので、早めに動き始めましょう。特に、友人にも協力してもらう場合は、動画提出の締め切りは守られないものだと思った方がいいです。
全員が約束通りに動くとは思わない方が上手くいきます。
5.撮影指示について
いざ撮影しようという段階になって初めて分かる疑問点もあります。あらかじめ指示を出せておけるとスムーズです。
▼カメラの向き
結婚式場のスクリーン比率も考慮してカメラの向きを指示しましょう。縦動画の台頭により、縦で動画を回すことの方が多い人もいます。
基本的には横向きで撮ってもらいましょう。
▼画質
結婚式場のスクリーンは大きいので、画質が悪いと粗さが目立ってしまいます。スマホで撮影する場合は外カメラで撮ったり、4Kで撮ってもらうなど画質にこだわってもらいましょう。
まとめ:余興にはサプライズムービーで忘れられない結婚式にしよう
いかがでしたでしょうか。結婚式でサプライズムービーを放映する場合のアイデア、自作の場合の注意点をご紹介しました。
大切なのは、新郎新婦様へのお祝いの気持ちを忘れないことです。クオリティやオリジナリティというのは二の次で、お二人をお祝いする気持ちが伝わることが一番大切。
この目的を見失わなければ、どんなムービーだろうと思い出のサプライズになること間違いなしです。早速、新郎新婦様や結婚式場へ確認しつつ、サプライズムービーの構想を練っていきましょう!
素敵なサプライズムービーになることを祈っています。