結婚式の共同作業について、ケーキ入刀じゃない演出がしたいと思っていませんか。特に和装婚で考えている場合、選択肢が狭まり自由にセレモニーなんてできないと思われがちです。実際は動きにくさこそあるものの、和装だからという理由でできない演出はほとんどありません。難しいのなら、別の方法で目的を達成しましょう。本記事がセレモニーで工夫を凝らすヒントになれば幸いです。
水合わせの儀とユニティキャンドルに両家から受け継いだものを1つにする、という共通項があるように、洋装向けの共同作業にも和装婚に生かせるアイデアが眠っています。海を越えた先で同じ意味合いの儀式が存在するとは面白いと思いませんか。ケーキ入刀以外の演出を紹介した後に、和装向けに特化した演出をまとめました。たくさんの事例を知ることで、新たな道が開けることでしょう。ただ、大切なのはお二人がやりたいことをやるということです。なんのためのセレモニーにしたいのか、そこがしっかり定まっていれば楽に決まります。2人のこれからを宣言するために行うから、ゲスト参加型にする必要はない、といった具合です。お二人の希望通りのセレモニーになるよう、陰ながら応援しています。
共同作業を取り入れる意味
そもそも共同作業を行う理由とは何でしょうか。共同作業といえばケーキ入刀ですが、ケーキ入刀にはこれからの未来の幸せを願う、ゲストへの幸せのおすそ分けといった意味合いが含まれます。
全体的に今後の幸せを祈ってのセレモニーですが、これから2人で生きていくという未来へ向けての宣言に近いです。そのため、既存の枠に囚われない、ケーキ入刀&ファーストバイトではない共同作業の演出を選ぶ新郎新婦様も増えてきました。
流行りに敏感な新婦様などは、海外ウエディングの事例を参考に他の人とは被らない演出を結婚式に取り入れています。斬新なアイデアで、記憶にも残る結婚式を実施していました。
自由度が増すにつれ様々なセレモニーが行われるようになり、オリジナルのセレモニーを結婚式に行う2人も増加中です。ぜひお二人だけの演出を考えてみてください。
ありきたりになったケーキ入刀&ファーストバイト
もはや行うことが当たり前になっているケーキ入刀&ファーストバイトですが、ゲストはもう見飽きてしまっています。もちろん「お二人が」ケーキ入刀をするのは初めて見ますので、盛り上がらないことはありません。ただ、何回も結婚式に参加するうちに「またか」と思われ始める可能性は十分にあります。
ケーキ入刀がここまで一般的になったのは、結婚式はケーキでお祝いという風潮が続いているからです。始まりは繁栄を意味する麦と塩のビスケットだったという話もあります。ビスケットはフルーツケーキになり、それがシュガーケーキへと変容していきました。
ケーキ入刀の起源は諸説ありますが、古代ギリシアの貧しい夫婦が1つのパンを分かち合って愛を誓ったという逸話が有力な説です。食べ物に困っていた2人は、将来食べるものに困らないように、分け合えるほどの富が得られるようにと願ってパンを分かち合ったのではないでしょうか。
背景や歴史を知るとオーソドックスな形式も悪くないなと思えますね。実際多くの人がこのセレモニーを選んできたからこそ、今も歴史が続いています。
けれどこの世は無常です。ビスケットがウエディングケーキになったように変化がとまることはありません。最近で言うと、派手で高層なイミテーションケーキからシンプルで飾り気のないネイキッドケーキへと流行りが変わっています。
ケーキ入刀がありきたりになった今こそ、新しいセレモニーが定番になるときではないでしょうか。古臭さがあるわけではありませんが、迷っているのであれば新たな共同作業に挑戦してみることをおすすめします。
定番のケーキ入刀&ファーストバイトにしたいけど、アレンジを加えたいという新郎新婦様は以下の記事も参考にしてみてください。
ケーキ入刀以外の演出
それではケーキ入刀以外の共同作業のアイデアについて、紹介していきます。ケーキに入刀するという縛りがなくなり、なんでもアリな様相を呈しているのが現状です。
ここにあるものはあくまで参考で、お二人の好きなもの、共通の趣味などからセレモニーのヒントを探すことをおすすめします。
例えばディズニー映画が好きなのであれば、『アラジン』のアリ王子のように金銀財宝(を模したお菓子)をゲストへ投げてお金に困らせないことをアピール、でもいいのです。映画では逆効果になってしまったシーンですが、安定した暮らしをしていきますという意味を込めて行うというもの面白いでしょう。魔法の絨毯に乗ってセレモニー、が叶うのはまだ先の未来になりそうですね。
オリジナルの共同作業を行うときの注意点としては、希望する演出ができるかどうかプランナー・会場とよく相談することです。物理的に可能なのか、そして時間が足りるかどうかが肝になります。
ケーキ入刀をおすすめされるのは、時間がかからないからというのが理由の1つです。限られた時間で実現できそうか、という視点も持ちつつセレモニーを考えてみてください。
以下時間がかからなそうなものを中心に紹介していきます。
●カラードリップケーキ
カラードリップケーキはウエディングケーキにチョコレートやストロベリーなどのソースを上からかけるセレモニーです。ケーキ入刀に代わる新たなセレモニーの有力候補になります。
ソースをかける前とかけた後でケーキの雰囲気が変わる、フォトジェニックな演出です。ソースがケーキを伝っていく様子にわくわくするゲストも多いでしょう。
また、派生系としてケーキに粉砂糖をふりかけて完成させるというセレモニーにすることもアリです。特にクリスマスの時期に、ブッシュドノエル風のケーキに粉砂糖をふりかければ、雪のように見えます。粉砂糖をふるいにかけるあの瞬間が好きな方は取り入れてみてはいかがでしょうか。
●サングリアラウンド
大きな瓶へゲストにフルーツ入れてもらい、最後お二人がワインを注いでサングリアを完成させるセレモニーです。最近人気が出てきました。
各テーブルを回りながらフルーツを集めるので、時間がかかります。長めにテーブルラウンドの時間を取り、その際一緒に行うのがおすすめです。
できあがったサングリアは、その日のうちに消費しないと酒税法に抵触するので作りすぎには注意してください。式の後半に行ってしまうと余る危険もあるので早い段階で実施しましょう。
また、ワインではなくサイダーを注げば、お子様にも嬉しいフルーツポンチに大変身します。他にもフルーツではなく、グミを投入したり好きなものでアレンジができるポテンシャルの高さが特徴です。
●バルーンスパーク
バルーンリリースの一種で、小さな風船がたくさん入った大きい風船を割ることで小さい風船を飛ばす演出です。
お腹の子が男の子か女の子か、サプライズするのにバルーンスパークを行う新郎新婦様もいらっしゃいます。
リリースせずとも会場にバルーンがあるだけで華やかさが出るので、装飾として置いておくだけでもおすすめです。
風船の中に手紙やお菓子を隠しておいて、ゲストに割ってもらいプレゼントするというアイデアもあります。透明で中身が見える風船だと、うっすら見えるプレゼントに期待がふくらんでしまいそうです。
●サンドセレモニー
オリジナルのサンドアートを作成するセレモニーです。ゲスト参加型のセレモニーを行いたい新郎新婦様に人気があります。
カラフルな砂がまだらに重なりできあがった模様は、この世に2つとないデザインです。結婚式後もインテリアとして飾れますし、傾ければまた新しいアートを見せてくれるでしょう。
動かしているといつか全て混じり合って1つになりますが、それは今まで別の人生を歩んでいた2人が一緒になったことを表します。
●植樹
結婚という記念日に木を植えるセレモニーです。鉢植えの木に土をかけ、水をあげるところまで行う人が多くなっています。
ゲストにも土を入れてもらうように手配する新郎新婦様が多いです。受付時間中などであらかじめやっておいてもらえば時短になります。
お世話に手間のかからない観葉植物などを選べば、長く生活を共にすることができるでしょう。結婚式後は視界に入るたびに当日を思い出す、素敵なアイテムになってくれます。
●ユニティキャンドル
両家から受け継いだろうそくの火を、新郎新婦様が新しい1つのろうそくに灯すセレモニーです。家族版聖火リレーだと思ってください。
キャンドルサービスの由来はこのセレモニーにあります。欧米では定番の演出で、チャペルで挙式を挙げた後などにおすすめです。
もし『塔の上のラプンツェル』が好きであれば、コロナ王国の太陽の文様を施したランタンへの点火も素敵ですね。
以上ケーキ入刀以外の演出を紹介しました。上記も参考にしつつ、お二人らしいセレモニーを探してみてください。
まずは、できそうかどうかよりもやりたいことベースで模索すれば、オリジナルの忘れられない結婚式になります。
和装に合うのはどんな共同作業か?
さて、和装を予定している方にはどんなセレモニーがいいのでしょうか。前項で紹介した方法でももちろんいいのですが、もっと日本っぽい感じでやりたい方もいらっしゃいます。
和婚がテーマであれば、共同作業も和をイメージした方がいいでしょう。どんな結婚式にしたいのか、なぜ和をテーマにしたのか、から辿っていくとオリジナルの共同作業にたどり着けます。
以下のアイデアを参考に、考えてみてもらえれば幸いです。
●水合わせの儀
両家それぞれから汲んできた水を、1つの盃に注ぎ合わせ飲むという儀式です。和婚版ケーキ入刀とも言える、定番の演出になります。
2人で持ち寄ったものを1つに、という点でサンドセレモニーやユニティキャンドルに似ているものを感じられるでしょう。また、2人で注ぐという点でカラードリップケーキや植樹とも繋がっていると言えます。
異なる2つが合わさって新たな1つが生まれる、という結婚式への意識は万国共通のようです。海を越えた先の文化と共通点があるということは、海外ウエディングのアイデアも和婚で活かせるということになります。
水合わせの儀も持ち込むアイテムや演出の方法次第でいくらでも化けるポテンシャルのセレモニーでしょう。和装でも行いやすいのが嬉しいポイントです。
●鏡開き
鏡開きとはお正月に行う鏡餅を割る行為、ではなく酒樽の蓋を木槌で開封するセレモニーのことを指します。こちらも和婚では定番の演出です。和装では少し動きにくいのですが、日本らしい雰囲気を壊しません。
丸い蓋を2人で開くことに意味があるので、酒樽でなくでも大丈夫です。お酒が苦手であれば中身をサイダーにしたり、お菓子を詰めてみたりアイデアはいろいろあります。
例えばチョコレートでできた樽を割っても盛り上がるでしょう。和洋折衷な結婚式にするのであれば、ここで洋の雰囲気をさりげなく混ぜることができます。
木槌で壊す点に注目して、疫病等を模したオブジェの破壊という演出も面白そうです。貧乏神・疫病神を叩いて蹴って追い出す神社もあるくらいなので、無理のある演出ではありません。
●画竜点睛 達磨の目入れ
達磨に目を描き入れるセレモニーです。
達磨は願いを込めながら左目を入れ、願いが叶ったら右目を入れるのが通常の目入れ作法になります。結婚式においては、両目を同時に入れて大丈夫です。
ブライダル用の達磨も購入できますので、達磨の目入れを行ってみてはいかがでしょうか。用意するものが達磨と目入れようのペンだけなので、お手軽です。
また、銀婚式や金婚式に合わせて達磨を増やせるというのも、長い夫婦生活に彩を添えてくれます。
●書初め
2人のこれからを書初めで宣言してみてはいかがでしょうか。
書道の心得がないと勇気の要りそうな演出ですが、書いたものを家に飾れます。また、文字にして改めて誓うことでより特別な日になるでしょう。
ただ、大事な衣装を汚さないように最大限、注意してください。
iPad などで書きながらプロジェクターを通じてスクリーンに映し出す、という風にすれば汚れない&見てもらえる演出にすることができます。
2人だけのオリジナルセレモニーを行おう
いかがでしたでしょうか。結婚式の共同作業のアイデアをご紹介しました。和装・洋装問わず、オリジナルのセレモニーを行うのであれば、自分達のやりたいことをベースに内容を決めていくことをおすすめします。
本記事で紹介したアイデアはあくまで参考に、お二人らしい演出ができましたら幸いです。