結婚式は人生の大きな買い物です。金銭的な援助がないと開催すら難しいこともあるでしょう。でもいざ支援しよう/してもらおうとしてもよく分からないことが多いのではないでしょうか。
本記事では、支援額の相場の他、支援するときに気を付けることや、費用の負担方法について紹介しています。新郎新婦様から説得する際のコツも紹介しているので、これから探りを入れる方にも参考になるでしょう。
トラブルが起きた際も、解決するヒントを紹介しているので和解に導きやすくなります。親子の二人三脚で理想のウエディングを叶えましょう。
親から援助をする時に
援助をするのが親の務め、ではありませんが実際に7割近くの新郎新婦様が、親御様からの金銭的な援助を受けています。
支援額の相場や渡すタイミングなどを紹介するので、参考にしてみてください。
●支援額の相場
金額はそれぞれの家庭毎に大きく差があります。50万円~150万円がボリュームゾーンです。
経済状況など、どれだけ支援できるかはそれぞれですので、あくまで参考となります。両家で金額をそろえることも多いです。
●支援の切り出し方
支援したいという気持ちがあっても、言い出しにくいこともあるでしょう。普段から結婚式の話題が出たときに、軽く言っておくと布石になって言いやすいです。
タイミングとして一番多かったのは、結婚の報告があったときでした。子から親へ言い出しにくいことも考慮して、先に親御様から切り出すことも多いようです。
お祝いの言葉と共に結婚資金を貯めてあるということを伝えればよいでしょう。支援については両家で行うものなので、一旦相手の家族がどう出るか様子を見るのがおすすめです。
具体的にどう支援していくかは両家ですり合わせした方がいいので、切り出す時には支援意思があることを伝える程度にしましょう。
●渡すタイミング
実際に支援金を渡すタイミングですが、大きく事前か当日かに分けられます。
当日渡すのは、援助を断られたので多めにご祝儀を渡す場合です。あまり多額だと受付係の重荷になるので、ご祝儀袋が分厚くならない程度にしましょう。
事前に支援金として渡したい場合、式場への最終支払の前に渡します。衣裳代として渡す場合など、用途が決まっている時はその支払いに間に合うように渡しましょう。
●贈与の仕方
直接手渡しの他、振込にする方も多いようです。渡し方に希望がないか本人に確認してみるのが安全です。
また、式場に直接振り込むというパターンも0ではありません。振込人の名義などに気を付けて振り込み、プランナーにも一応伝えておくと安心です。
手渡しが一番ありがたみもありますし、温かさが伝わります。
子からお願いする時に
子どもから援助のお願いをする時には、まずお二人で話し合ってから行いましょう。説得が必要になった場合に備えて、納得してもらう理由も用意しておくのがおすすめです。
●まずは二人ですり合わせ
親御様に支援をお願いする前に、お二人で同じ意見を共有しましょう。もしかしたら、自分たちだけの力で結婚式をあげたいと考えているかもしれません。
支援してもらうにしても全額持ってもらったり、一部だけだったりと選択肢は広いです。どんなイメージを持っているのか、どうしていきたいのかをすり合わせましょう。
事前に親御様から申し出があった場合もその情報を共有します。多めに出したいと考えているなど希望があればそれも考慮してください。
●切り出し方
お二人から話を切り出す際は、両家の顔合わせなどで親御様が揃った場で行うのがおすすめです。その場でどうするかを相談できます。
根回しなどは各自で行い、スムーズに話が進むようにできるとなおよいでしょう。
事前の確認は正直に結婚式の費用について相談がある、と切り出します。援助の意思の確認と金額感、両家で金額を揃えたいかどうかを確認しましょう。
●説得方法
金銭的に開催が厳しいのに、支援を見込めない場合は説得を試みることになります。説得する時に意識したほうがいいことは以下です。
- 支援金の使用用途
- 最低でいくらあればいいのか
- 支援がなかった場合にどうするか
なぜ支援が必要なのかと合わせて、上記を明確にすれば状況の判断がしやすいでしょう。
費用の分担方法について
支援額について決める際の指標にもなるのが、費用の分担方法です。結婚式にかかる費用のうち、どの部分をどのように振り分けるのかについても決めましょう。方法は3通りあります。
●折半する
いくら負担するのか一番わかりやすい方法です。同じ額だけ両家で負担するので、今後の付き合いという面でもメリットがあります。
ただ、折半が必ずしも最善策とは限りません。
新郎側が多く出すべきと考えたり、招待人数に偏りがあったり、衣裳にこだわりがあったりすると不公平に感じられることもあります。
バランスを取るためにも話し合いは必須です。
一部負担の場合は、同じ額をお祝いとして渡すという方法が安全でしょう。
●ゲストの人数比で決める
新郎新婦様で招待しているゲスト数に大きな偏りがある場合、人数比で負担割合を決めるのがおすすめです。
結婚式の費用で大きな割合を占めるのが料理であり、料理はゲスト人数によって変動します。人数差が開いているのに折半にしてしまっては、片方に不満が出てもおかしくありません。
人数比によって総額が変わる項目としては、以下が挙げられます。
- 料理
- 引出物類
- プチギフト
- ゲストテーブル装花
- ウエディングケーキ
- ペーパーアイテム
他にも考えている演出によっては、人数によって負担額が変わってくるでしょう。
●項目ごとに負担する
項目ごとにどちら側が負担するかを決める方法です。人数比で決めるのは計算が面倒だと感じたなら、結婚式の費用を項目で分けると楽になります。
新婦様の衣裳代は全て新婦様側で全額バックアップするというのがよくあるパターンでした。新郎新婦様で金額差が出る項目であっても、納得感をもって支援がしやすいでしょう。
特に力をかけてほしいポイントや、親御様の経験から後悔した部分について重点的に援助してもらうことができます。
この方法のデメリットは、ピンポイントでの援助となるため口出しがしやすくなることです。ついつい親から言い過ぎてしまったり、援助者の意向を気にしたりと、やりたいように結婚式がしにくくなる可能性があります。
支援金が何に使われるのか一目瞭然なので、人気のある方法です。見積書を一緒に見ながら、どの項目で援助してもらえそうかの話し合いの場を設けましょう。
援助をしたら
新郎新婦様への援助を決めたら、お二人のことは基本的に見守るスタンスの方がよいです。あくまでお二人の結婚式なのですから、本人たちで決めた方が後悔は少ないと思いませんか。
アドバイスがしたい気持ちも分かります。助言は最小限に留めること、本人たちの意思が一番大切であることを、頭の片隅にいれておいてもらえれば幸いです。
●当日のご祝儀について
当日渡すご祝儀については、援助の方法によって変わってきます。
≪全額支援した場合≫
結婚式にかかる費用の全てを援助した場合、当日ご祝儀を用意する方はごく少数です。
≪一部支援の場合≫
一部支援の場合、金額にもよりますが用意する人が多数になります。すでに十分お祝いを渡していると考えるなら、少額でも大丈夫でしょう。
まだまだ渡したいという場合、親御様からは10万円ほどまで渡すことが多いです。
援助してもらったら
親御様や親族からの援助があった場合は、支援者にお礼を尽くしましょう。方法は1つではありません。
●御礼の気持ちの表現
まず御礼の気持ちとしてプレゼントを用意することが挙げられます。ハネムーンのお土産であったり、お礼の品物を用意したりしてもよいでしょう。
結婚式後に渡すことで、それからの長い付き合いに期待ができます。せっかく支援してもらったのですから、結婚後も良好な関係を築きましょう。
または、披露宴の演出に組み込むという手も使えます。日頃のお礼を伝える記念品の贈呈や、中座のエスコートを任せることも喜ばれるのではないでしょうか。
●集まったご祝儀について
特に全額負担してもらった場合、集まったご祝儀は支援者に渡すことが多いです。御礼の気持ちを込めて、渡しましょう。
一部負担の場合は、プレゼントの形にするなどで気持ちを返すのがおすすめです。
よくあるトラブル
●贈与税ってかかるの?
結婚資金にするために金銭的な援助をした場合、贈与税は非課税となります。手続き方法や限度額については、最新の情報をチェックしてください。
●支援額について両家に差がある
トラブルとして多いのが、両家で支援額に差があることです。それぞれの経済状況や考え方によって差がでることは大いにあり得ます。
解決策に正解はなく、話し合いで妥協点を見つけるしかありません。
差があるままでいくのか、少ない方に合わせるのか、または項目で担当分けを行うのか、妥協点を探しましょう。
●子への支援金を断られた
新郎新婦様には結婚式と前後して新生活、ハネムーンなどお金のかかるイベントが目白押しです。お祝い金を断られたとしても、別の名目であれば受け取ってくれるかもしれません。
引っ越し代や、新生活に向けての準備費など人生の節目として渡すこともできるでしょう。
●親からの支援金が見込めない
援助の見込みがなく自力で費用を賄うことになったら、まずは結婚式の総額を減らせないか検討してみましょう。
結婚式にかかる費用をなるべく削り、負担額を減らします。以下の記事などを参考に節約できるところは節約する方向に舵を切りましょう。
それでも支払いに不安があれば、式場に後日払い、当日払いにしてもらえないか相談します。ご祝儀からも支払いができれば、支出額を抑えることができるからです。
それも難しければブライダルローンを検討することになります。各審査等に影響がある可能性は否定できませんので、利用するかは慎重に考えましょう。
プランの変更などが間に合うのであれば、内容を減らしたプランへの変更も視野に入れることになります。
開催も難しいような状況であれば、まずはプランナーへ相談してください。
親の務めと親孝行
結婚式での親御様からの援助について解説しました。支援したい親御様、支援してもらいたい新郎新婦様の役に立てれば幸いです。
幸せな結婚式にしたいという想いは同じですから、ギクシャクすることなくお互いがちょうど良い支援方法が見つかることを祈っています。