結婚式の準備段階で、ゲストと関わりを持つ第一歩と言えるのが招待状です。基本的には、招待客の出欠をお伺いしたり、式の日時などの詳細をお伝えしたりすることを目的として作成される場合が多いでしょう。
ただ、招待状を誰かに出した経験があるという人は少ないのではないでしょうか?そのため、実際に招待状を用意する際、どんな封筒を用意すればよいのか、正しい書き方はどんなものなのかと、悩む方も多いでしょう。
招待状の封筒には、比較的自由にできる部分もあれば、しっかり知っておきたいマナーも存在します。大切なゲストに出すものなので、失礼のないよう、正しい知識を知った上で準備を進めていきたいですよね。
この記事では、用意する封筒はどんなものがいいのかということから、実際に発送するまでを詳しく解説していきます。ぜひ参考にしながら封筒の準備を進めてみてくださいね。
どんな封筒を用意する?
基本的に招待状を入れる封筒は、好きなものを選べばOKです。柄が入ったものでもいいのか?色味は?大きさは?など心配になることも多いかと思いますが、封筒自体には決まりもマナーもないので、作成するお2人で相談して好みに合うものを選ぶのがいいでしょう。
●基本は好きなものを
結婚式のコンセプトやテーマをあらかじめ決めている場合であれば、それに合わせたデザインの封筒や、お2人の趣味や好きなものに合わせたデザインにするのもおすすめです。
例えば、「海」がテーマの結婚式であれば、貝殻や青色など、海を連想させるデザインを選ぶのも素敵ですよね。
特に相手に不快感を与えるものでなければ、自由に自分たちらしさを楽しむのがいいでしょう。
封筒自体はロフトや東急ハンズなど、文房具を扱うお店や、コスパを重視したい場合は100円均一などでも購入が可能です。
既製品でなければならないということはないので、自分たちでデザインしたオリジナルの封筒で個性を出すといった方法もあります。WEBサイトなどで注文ができるお店もあるので、興味のある方は一度検索してみてくださいね。
●よく使われる封筒
実際に招待状によく使われている封筒は、洋1サイズ・洋2サイズと呼ばれるサイズです。特にこのサイズでなければならないというわけではありませんが、内容物を折らずに入れられる大きさを意識して選ぶのがポイントです。
封筒の形としては横長で、色は白色のものが多く、特にこだわりがないという方や、定番のものを選びたいという方におすすめ。
式場や式自体が和のテイストである場合は、和のイメージに合わせて縦の封筒を選ぶのもいいですね。
宛名書きのマナーについて
封筒の用意ができたら、次はいよいよ宛名書きです。宛名書きにはマナーがあるので、実際に書き始める前にしっかり確認して、準備しておくことが大切です。筆記用具や切手も必要になるので、途中で慌てて用意するのではなく、書き始める前に揃えておくと落ち着いて準備が進められますよ。
●筆記用具について
宛名書きでは、毛筆で書くことが一番格が高い書き方だと言われています。しかしいきなり毛筆と言われてもハードルが高い、という方も多いかと思いますので、もちろん筆ペンを使用するのもOKです。自分で文字を書くのを避けたいという場合には印刷で対応するのも問題ありませんが、フォントには毛筆の字体を忘れずに選ぶようにしましょう。
ボールペンやサインペンを使用して書くことはあまり良くないとされているので、避けておく方がいいですね。
文字には人それぞれ得て不得手もあるかと思いますが、ポイントは「太く・濃く書く」ということ。相手に見やすいことを心がけて丁寧に書くことが大切ですね。
●切手について
結婚式の招待状の発送には、慶事用の切手を使用します。慶事用切手とはお祝い事の際に使用する切手で郵便局や一部のコンビニなどで購入が可能です。
一枚一枚切手の貼り付け作業をする時間を短縮したい場合は、料金別納郵便という形で発送するのもいいですね。
デザイン性を重視したい場合は、ハッピーグリーティング切手やふるさと切手を使用するという方法もあります。慶事用切手に比べてカジュアルな印象になるので、友人など、気心の知れた相手にだけ送るのがおすすめですよ。
切手について詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6355/
●宛名を間違えないために
宛名書きでの一番のタブーは、宛名を書き間違えてしまうことです。個人情報を間違えられるのはどんな人でも気持ちの良いことではないでしょう。せっかくの晴れの日への招待ですから、お互い気持ちよく迎えられるよう、書き間違いのないよう細心の注意を払いましょう。
ゲストの正しい情報を把握・共有するためには、ゲストリストの作成が必須です。正しい個人情報をしっかりまとめておくことで、招待状の作成はもちろん、今後の準備段階でも役に立つことが多いでしょう。
宛名書きの際には、作成したゲストリストをもとに、漢字フルネーム・住所を2人体制で声を掛け合いながらしっかり確認し合うことが大切です。
宛名の書き方
宛名を書き始めるための準備が整ったら、宛名書きの書式を確認していきましょう。書き方には明確な決まりがあるので、間違いがないよう、このページを見ながら書き進めてみてくださいね。
●宛名の書き方
縦書きの場合は、右上に横書きで郵便番号、郵便番号の下に縦書きで住所、封筒の真ん中になる位置に大きく名前を記載します。
横書きの場合は、左上に郵便番号、郵便番号の下に横書きで住所、縦書きの場合と同じく封筒の真ん中になる位置には大きく名前を記載します。
注意したいのは、郵便番号を記載する場合には郵便番号マークを記載しないということ。正式な書面ではマークは使用せず、数字のみを記載するのがマナーです。
また、縦書き横書きともに、住所が2列に及ぶ場合には、2行目は1字下げで書きはじめます。名前の書き出しも2行目と同じ位置から始まるので、文字の位置を見やすく揃えて丁寧に書くことが大切ですね。
●差出人の書き方
縦書きの場合は、封筒のフタを右手側にし、封筒の左側に住所と名前を記載します。
横書きの場合は、フタの下部分、左右が真ん中の位置になるように記載します。
すでに同居している場合は同一の住所で問題ありませんが、別居の場合は、2人の住所と名前を記載します。縦書きの場合は、それぞれの住所と名前の書く高さが揃うように意識しましょう。また、横書きの場合は、書き出しの位置は気にせず、中央揃えとなるよう注意が必要です。
すでに入籍し、どちらかの名字が変わっている場合でも、招待状には旧姓を記載するのが一般的です。
●名前の書き方
ご夫婦宛など、招待状を連名で出す場合、2人目に記載する方は下の名前のみを表記します。どちらのお名前にも敬称を付け、名前の始まりの文字と終わりの文字を揃えるのが正しい書き方です。もしも、ゲストの奥様と面識がない場合は、下の名前を記載せず、ご主人のお名前の横に「令夫人」と書き加えるのがマナーです。お子様の敬称は、小学生くらいまでは、「ちゃん・くん」とするのがいいでしょう。
ご家族など4人以上の世帯の場合は、ご夫婦の名前を連名で記載し、お子様などは「ご家族様」という形でまとめても失礼にはあたりませんよ。
招待状を上司や取引先などの職場関係者に送る場合は、名前の前に相手の肩書を記載する必要があります。肩書は名前よりも少し小さめの文字で記載し、名前のあとには敬称である「様」を記載します。会社名や部署の記載は、(株)などの略称は記載せず、必ず正式名称を記載するように注意しましょう。
招待状の入れ方
招待状を封筒に入れる方法には、特に決まりやマナーは存在しません。しかし、できれば適当に入れてしまうのではなく、招待状を取り出して読んでくれる相手のことを考えて、見やすい順番や向きを意識するのがいいでしょう。お互いに気持ちよく結婚式を迎えるための第一歩としてちょっとした気遣いを取り入れてみませんか?
●表面を合わせる
封筒の表面に招待状の表面が来るように、向きを合わせて入れるのがきれいな入れ方です。横書きの封筒に縦書きの招待状を入れる場合も、同じように入れるのがいいでしょう。
●手渡しの場合
手渡しの場合は、郵送とは異なり、封筒の裏面に招待状の表面が来るように入れます。これは、手渡しの場合は、その場ですぐに中身を確認するケースが多いためです。受け取った相手は封筒の裏側から開ける場合がほとんどなので、開けたときにすぐに招待状の表面が見れるようにという気遣いが感じられます。
●入れる順番
封筒に入れる際の重ね方は、紙の大きさ順にすべて招待状に挟んでしまうのがおすすめです。挟まず、大きさ順や見る順番に重ねるという方法もありますが、サイズの小さい紙などは封筒から出し漏れてしまうこともあります。一度ですべて取り出せて見落としを防ぎやすいことから、谷折りにした招待状にすべて挟んでしまうのがいいでしょう。
郵送・手渡しする時のマナー
ここまでのすべての準備が整ったら、いよいよ郵送や手渡しで招待状をゲストにお渡しするときです。用意が終わったことに安堵してしまう方も多いと思いますが、せっかくここまで仕上げたのですから、最後まで気を抜かずに準備していきましょう。
投函する日をいつにするか、本人たちは気にならない場合でも気になる人がいる場合も多いので、事前に周りと意見のすり合わせをしておくことも大切です。
●最終チェック
招待状の封をする前には、必ず最終チェックをしておきましょう。完璧に作ったと思っていても、手作業で進めている以上、どうしてもミスしてしまうこともあります。
- 必要な書面はすべて入っているか(特にサイズの小さい付箋などは要確認)
- 封筒に入れる向きはあっているか
- 宛名に間違いはないか
- 宛名書きに印刷を使用している場合は、文字がすれて見にくい箇所はないか
- 返信用ハガキに慶事用切手は貼っているか
など、事前にチェックリストを作っておくのもいいですね。
ゲストによって入れる内容が異なる場合もあるので、ゲストリストなどを参照しながらしっかり確認していくことが大切です。
●手渡しの場合
会社関係者など、顔を合わせる機会のある人や、これから会う予定のある人には、直接手渡しで渡す場合もあります。特に、挨拶などをお願いしている相手には直接渡すのがいいでしょう。そういった場合には、郵送とは違い、宛名に相手の住所は書かないのが原則です。 その場で中身を確認する場合があることから、糊付けなどの封も行いません。
●郵送の場合
郵送の場合、投函日が吉日になるように日程を確認しておくのがいいかもしれません。吉日でなければならないという決まりはありませんが、気になる人もいるということは心に留めておきましょう。本人たちが気にならない場合でも、ご両親や親族など近しい人が気にする場合もあるので要注意です。
吉日に投函したい場合には、郵便窓口に直接持っていくのがおすすめです。もちろん郵便ポストからの投函も可能ですが、投函する時間やポストによっては、投函した日に消印が押されない場合もあります。せっかく吉日に投函しても消印の日が変わってしまってはあまり意味がないので、窓口への持ち込みを行うのが確実な方法ですね。
封筒の準備は念入りに行おう
ここまで、招待状の封筒の準備について紹介しました。宛名書きなど、決まり事の多い部分もあり面倒に感じてしまう方も多いかもしれません。しかし招待状の発送が無事に終われば、いよいよ結婚式という気分も上がってきます。事前に不安を抱えることなく結婚式の日を迎えるためにも、しっかり準備し、念入りに確認をしながら進めるのがいいでしょう。
結婚式の準備は大変なことも多いですが、招待状の準備は山場のひとつです。封筒自体の準備など、比較的自由が効く部分もあるので、パートナーと話し合いながら、楽しく用意していくことで、力を合わせて山場を乗り越えましょう。
マナーや決まりを意識することも重要ですが、一番大切なのは、ゲストへの気遣いの気持ちを持って準備をするということです。慌ただしく準備を進めているとうっかり忘れてしまいがちですが、この気持ちをなるべく意識してみてくださいね。