お車代を用意する機会はなかなかあるものではありません。ましてや結婚式のお車代となると、用意方法もよく分からないという方がほとんどではないでしょうか。
本記事では元ウエディングプランナーがお車代の用意方法を紹介しています。お金が絡むとトラブルが起こりやすいので、以下を参考に良好な関係をゲストと続けてください。
お車代を用意する意味や相場について知ることで、よりゲストをもてなすことができます。まずはお車代が必要なゲストをリストアップし、誰にいくら渡すのか整理してみましょう。
お車代が持つ意味
結婚式では遠方ゲストや主賓、受付係などにお車代を渡します。
遠方ゲストには交通費・宿泊費として、主賓などにはお礼として渡すものです。それぞれの役割や意味を以下に紹介していきます。
●交通費・宿泊費としてのお車代
遠方から参加する場合、交通費や宿泊費がかさみ他のゲストより金銭的負担が大きくなるでしょう。その負担を軽減する目的で渡します。
はるばるやって来たゲストをもてなす意味合いもあり、用意するのがマナーです。
●お礼としてのお車代
受付係や乾杯の発声など、何か役割を担ってもらった場合のお礼としての役割を持ちます。お礼という名目で金品を渡すのは、特に目上の人には失礼となりますので、お車代という名目で渡すのがマナーです。
フラワーガールや受付係などのお礼であれば、プレゼントなどでも喜ばれます。
交通費はどこから用意するべき?
遠方からのゲストには交通費・宿泊費としてお車代を用意しますが、遠方ゲストと一般ゲストの線引きはどこで行えばいいのでしょうか。
方法は主に以下の4通りで、一番選ばれるのが交通手段で区別することです。
- 交通手段
- 所要時間
- 移動距離
- 交通費
事前にさりげなく交通手段を聞いておき、招待状の返信で出席が確定したら、住所から交通費をリサーチしましょう。
リサーチの際に所要時間も確認し、宿泊が必要そうなゲストをリストアップしておくと後々楽です。
●用意する金額
交通費・宿泊費としてのお車代の相場ですが、用意の仕方で金額が上下するでしょう。片道分のみ用意する方が多いですが、お二人の予算に合わせて考えてみてください。
お車代を用意するパターンとしては以下の5つが挙げられます。
- 片道分のみ
- 交通費のみ全額負担
- 宿泊費+片道分のみ
- 宿泊費+交通費を全額負担
- 全員に一律料金
用意する場合はキリのいい数字にすることが基本になります。4,380円を渡したい場合でも5,000円に切り上げて渡す、ということです。
交通費として渡すものなので、縁起や偶数を気にする必要はありません。また、主賓は特別なゲストになりますので、交通費・宿泊費は全額お二人で負担するのが一般的です。
どのゲストにいくら用意するかについて、詳しくは以下の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6833/
●金銭以外の用意方法
金銭で用意する以外に、チケットを手配し送ったり、バス・タクシーを手配するといった方法もあります。
格安プランが見つかることもあり、金銭で用意するより節約になったパターンも少なくありません。ゲストとのやりとりの手間はありますが、お車代を節約したい場合におすすめの方法です。
お礼として渡す金額の相場
お礼としてのお車代にははっきりと相場があるので、大きく外れた額で渡すことのないように気を付けましょう。
まず渡す必要のあるゲストとして以下を挙げています。結婚式の内容によっては他にも渡す必要のある人がいる場合もあるでしょう。
判断基準としては何か仕事を頼んだ場合にお礼を用意します。額は似たような仕事内容の係を参考にしてみてください。
●3,000円~5,000円が目安のゲスト
スピーチ、受付係、立会人が当てはまります。高額すぎても引けてしまうので、相場感を大切にしましょう。
軽めにお礼を伝える場合の金額なので、プレゼントなどでも喜ばれるでしょう。友人であれば新居に招いて手料理を振舞うことも、嬉しい贈り物ではないでしょうか。
▼おすすめの封筒
3,000円〜5,000円程を包むのであれば、ご祝儀袋ではなくポチ袋でも問題ありません。DIYする花嫁も多く、こだわりを見せられるポイントです。
●10,000円~30,000円が目安のゲスト
主賓、乾杯の発声、祝辞挨拶、司会者、撮影係、二次会幹事などが当てはまります。重要な役割を担っていたり、技術のいることを依頼した場合は少し多めに渡しましょう。
主賓に渡すお車代の相場は1万円以上です。かかった交通費の全額に気持ちを上乗せした金額を渡します。交通費はハイヤー代を参考に算出してください。
乾杯の発声、祝辞挨拶を行ったゲストへの相場も交通費を合わせて1万円以上です。乾杯の発声、祝辞挨拶を目上の人に依頼することが多いため高めの相場になっています。友人に依頼した場合はスピーチと同額でも問題ないでしょう。
司会者、撮影係を担当したゲストへの相場は20,000円〜30,000円です。プロが入って仕事をするところを担ってもらったので多めになります。
二次会幹事を引き受けてくれてたゲストへの相場は1万円程です。ただ、二次会の会費免除という形をとる新郎新婦様が多い印象があります。他にも、打ち合わせの際の飲食代はお二人が持つことが多いです。
▼1万円ほど渡すときのおすすめ封筒
1万円ほどであれば簡易的なご祝儀袋でも問題ありません。白い封筒にのしと水引が印刷された封筒を用意しましょう。見た目が豪華なのに中身が釣り合っていないのはマナー違反となりますので、気を付けてください。買う目安としては包む金額の1/100 のものとなります。
▼2万円以上を渡すときのおすすめ封筒
2万円以上を包む場合は水引とのしがついたご祝儀袋を用意しましょう。中身の金額が上がるにつれて、外袋も豪華にしていきます。
封筒や準備方法については以下の記事も参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5188/
交通費があるとき/ないときの伝え方
交通費・宿泊費の有無はゲストからは聞きにくいものです。こちらから予め伝えておくと、ゲストも安心して参加できるでしょう。
交通費・宿泊費の用意方法としては以下のパターンがあるので、それぞれでどのように伝えたらいいか紹介していきます。
特に用意ができない場合は、負担が大きくなるゲストもいるので早めに伝えられるとよいです。
- 片道分のみ
- 交通費のみ全額負担
- 宿泊費+片道分のみ
- 宿泊費+交通費を全額負担
- 全員に一律料金
- なし
●一部用意のとき
全額ではなく一部用意の場合は以下のような言い回しで、ゲストに用意があることを伝えましょう。
「一律〇万円ですが 交通費を用意させていただきます」
「宿泊費/交通費は全額負担させていただきます」
「宿泊費と交通費の一部を負担させていただきます」
「遠方から参加されるゲストが多いため」など、それとなく理由も添えておけば波風も立ちにくいのではないでしょうか。
●全額用意のとき
全額負担の場合もはっきりと伝えた方が、ゲストもモヤモヤせずに済みます。
●お車代がないとき
お車代を用意できないときは早めにゲストに伝えましょう。
参加の強制はせず、参加を断る選択肢も与えながら伝えるのがよいでしょう。
また、できればお車代については用意したいので、以下の記事も参考に別の方法を取れないか検討してみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5775/
当日渡しそびれないために
新郎新婦様は当日忙しくしているので、お二人からお車代を渡すチャンスはなかなかありません。また、お車代を渡すタイミングは、受付、披露宴中、お見送りくらいのものです。
一部の方には準備の時間中や後日にも渡せますが、なるべく当日中に渡し切りましょう。お見送りで渡すことは最終手段だと思っておき、受付中と披露宴中に渡すように手配することをおすすめします。
●交通費は受付で
受付で渡すのにおすすめなのは交通費・宿泊費としてのお車代です。お車代を渡すゲストのリストを作成し、受付係に預けましょう。
さりげなく渡せるのが受付でのやり取りの魅力です。そのため豪華な封筒になってしまった人は披露宴中でのお渡しに切り替えるなどの対応も必要になります。
ゲストから見ても、ポチ袋と豪華なご祝儀袋が並んでいると中身の違いを察して、辞退されやすくなるかもしれません。統一されたポチ袋であればゲストも受け取りやすいでしょう。
●お礼や高額な場合は披露宴中に
披露宴中に渡す場合も新郎新婦様から渡す暇はないことがほとんどです。親御様や親族から渡してもらうことになります。
披露宴中に渡すメリットは一言お礼を伝えながら渡せることです。声掛けがしやすいように席次表とお車代を用意した理由を共有できるとなおよいでしょう。
●最終手段はお見送り中
遠方に住んでいて直接会うことが難しいゲストなど、どうしてもその日中に渡したい場合はお見送りの際に渡しましょう。
ただ、結婚式は時間が押すことがほとんどであり、駆け足でのお見送りになることも珍しくありません。一人一人にかけられる時間も限られているので、あまり当てにせず最終手段として残しておいてください。
失礼なくお車代を用意しよう
お車代の相場や用意方法、当日の渡し方まで解説しました。
交通費・宿泊費として用意する場合は、お二人の予算によって金額は上下します。ただ、お礼として用意する場合は相場があるので、参考にしてみてください。
お車代はゲストが悩むポイントでもあります。なるべくお二人から働きかけて不安を残さない結婚式にしましょう。
お互いが気持ちよく過ごせる結婚式になることを祈っています。