参列を楽しみにしていた結婚式。やむを得ない事情で、当日欠席しなければならないこともあるでしょう。
「早く欠席を伝えなければ」と、慌てて新郎新婦に電話をする方もいるかもしれません。「理由も伝えた方がいいのかな」と、どう伝えるべきか迷う方もいるでしょう。
しかし、結婚式の当日は新郎新婦も慌ただしく、連絡がつかないこともあります。また、欠席の理由が身内の不幸などの不祝儀の場合、おめでたい気持ちに水を差してしまいかねません。
そこで今回は、多くの結婚式を手掛けた元プランナーである筆者が、結婚式を当日欠席する場合のマナーについて解説します。
理由の伝え方やご祝儀の扱いについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
当日欠席の連絡方法と連絡先
結婚式の当日に欠席しなければならなくなった時は、速やかに関係者に連絡しなければなりません。連絡が遅くなればなるほど、結婚式場だけでなく新郎新婦や参列者にも迷惑をかけてしまうからです。
すぐに関係者に直接連絡を!
欠席することが確定したら、すぐに結婚式場に連絡しましょう。結婚式場の連絡先は招待状に載っているので、直接電話をして欠席を伝えます。
連絡をするときは、結婚式の日時、両家名、自分の名前をフルネームで伝えましょう。その際、新郎側と新婦側どちらのゲストかも伝えると、よりスムーズです。伝え方は、次の例文を参考にしてください。
事情により出席できなくなり、ご連絡させていただきました
とにかく、早い段階で連絡をすることが大切です。
結婚式当日は、挙式の2時間前には新郎新婦のお仕度も始まり、スタッフによる準備も進んでいます。ゲストからの問い合わせなど、電話がくることも珍しいことではないので、躊躇する必要はありません。
▼友人にも余裕があれば連絡する
余裕があれば、一緒に参列する友人にも連絡をしておきましょう。事前に連絡を取り合っていたり、同じテーブルだったりすると心配をかけてしまうからです。
その際に、結婚式場には連絡済みであることを伝えておくと安心してもらえます。
新郎新婦には繋がらない可能性も
招待してくれているのは新郎新婦だからと、欠席の連絡を会場ではなく新郎新婦にするのはNGです。
当日の結婚式前は準備やお仕度で慌ただしく、連絡が繋がらない可能性もあります。また、連絡がついたとしても、ふたりから担当プランナーに伝えるという手間をかけさせてしまうからです。
ただし、新郎新婦に何も連絡を入れないと、気にさせてしまうかもしれません。LINEやメールなどで、欠席することとお詫びのメッセージを入れておくといいでしょう。
欠席の理由について
前々から予定していた結婚式を当日欠席するとなると、何があったのだろうと新郎新婦や友人も気になるでしょう。しかし、欠席の理由によってはその場では言わない方がいいケースもあります。
言わない方がいい理由と言っていい理由
避けられない事情で欠席する場合は、理由を伝えても差し支えありません。
▼例
- 交通機関の遅延やストップ
- 予期せぬ大渋滞
- 突発的に発生した仕事
交通系の問題であれば「交通機関のトラブルで間に合いそうになく……」と伝えるといいでしょう。仕事の場合も「どうしても抜けられない仕事ができてしまい……」と言えば大丈夫です。
▼不祝儀に関わることは言葉を濁す
一方で、不祝儀に関わる場合は理由を言わずに欠席を伝えましょう。おめでたくない不吉な話題は、せっかくのお祝い事に水を差してしまうからです。
▼例
- 身内の不幸
- 自身の事故
- 突然の体調不良
「やむを得ない事情により……」などと、言葉を濁す言い方で欠席を伝えれば問題ありません。
▼体調不良は早めに連絡する
体調不良で欠席する場合、実は前日から具合が悪かったというケースもあります。ぎりぎりまで悩むより、体調次第では早めに決断し、前日に欠席の連絡を入れることも検討しましょう。
当日より前日に連絡をもらった方が、新郎新婦も心づもりできますし、会場側も慌てずに対応できます。
理由の伝え方は正直かつ簡潔に
結婚式当日は、誰もが慌ただしくしています。結婚式場に欠席の連絡をするときは、分かりやすく簡潔に伝えましょう。欠席の理由を言う場合も、正直に言うことで話がスムーズに進みます。
理由が不祝儀の場合は、言葉を濁して言うことで結婚式場側も察してくれるので心配いりません。
スピーチや余興を頼まれていた場合
結婚式の当日に欠席しなければならなくなった方が、スピーチや余興などの役割を任されているケースもあるでしょう。
ここでは、役割がある場合にできることや、どういった対応をした方がいいか解説します。
受付
受付を頼まれていた場合は、受付係の集合時間より前に結婚式場に欠席の連絡をしましょう。受付係が時間までに来ていないと、段取り通りに進まないからです。
友人と一緒に受付を行うのであれば、友人にも連絡をしておくとそれほど焦らせずに済みます。
祝辞や乾杯
祝辞や乾杯を任されていた場合は、代役を立ててもらうほかありません。しかし、自ら他の参列者に連絡を取り、代役を交渉するのはNGです。主催側やゲストを混乱させてしまうからです。
調整は新郎新婦や会場側にお任せし、代わってくれた方には後日あらためてお詫びをしましょう。
スピーチ
スピーチをお願いされていた場合、原稿をメールやfaxで結婚式場に送り対応してもらうのもありです。原稿を送るときは、結婚式場側に送ってもいいか確認してから行いましょう。
対応としては、原稿を新郎新婦に渡しスピーチはなしにする、もしくは司会者が代読するパターンが多いです。
余興
余興を引き受けていた場合は、余興の内容や人数にもよります。ダンスなど複数人で行う余興は、メンバーに連絡をして調整してもらいましょう。映像を流すのみでDVDをすでに預けてあれば、司会者に進行をしてもらうことも可能です。
どの役割も、無理にお願いはせずに新郎新婦や結婚式場側の判断に任せましょう。
ご祝儀に関するマナー
結婚式を欠席した場合も、ご祝儀を渡すのがマナーです。ここでは、欠席の場合のご祝儀の金額や、渡し方について解説します。
欠席した場合のご祝儀の金額は?
結婚式を欠席した場合のご祝儀は、もともと包む予定だった金額をご祝儀袋に入れて渡しましょう。友人であれば3万円が相場なので、欠席のときも同額を包むのがマナーです。
中には、食事もしていないし引き出物ももらっていないので、お祝いの気持ちで1万円をと考える方もいます。しかし、当日欠席の場合はキャンセルできず、その分を新郎新婦に負担させてしまっています。
欠席した場合も出席した方と同じだけコストがかかっているので、ご祝儀額を減らすのはNGです。
ご祝儀の送り方について
後日ご祝儀を渡す場合、新郎新婦へ手渡しするのが望ましいです。しかし、遠方に住んでいて新郎新婦にすぐに会えない場合は、現金書留で郵送しても問題ありません。
現金書留を利用する場合は、専用の封筒に現金をそのまま入れるのではなく、ご祝儀袋に包んで入れるのがマナーです。その際、お祝いやお詫びの言葉をしたためた手紙を同封すると、新郎新婦に気持ちよく受け取ってもらえるでしょう。
現金書留については以下の記事で詳しく解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6528/
お詫びの品・メッセージの送り方
ご祝儀にはお祝い金も含まれているので、後日ご祝儀を渡せば失礼にはなりません。何らかのかたちでお詫びをしたいということであれば、お詫びの品や電報などで気持ちを伝えるといいでしょう。
お詫びの品の選び方とタイミング
ご祝儀以外にもお詫びの品を渡したいときは、新郎新婦が負担に感じない程度のものを贈りましょう。
立派なものや高額なものを贈ると、お返しをしなければと気を遣わせてしまいます。お菓子やコーヒーなどの食品や、お花など後に残らないものを選ぶのがおすすめです。
結婚式が終わってすぐは、新郎新婦も慌ただしくしています。ふたりが落ち着いてから時間を取ってもらえるように、声をかけるといいでしょう。
電報やメッセージカードをどう送るか
結婚式の当日でも、始まる時間によっては電報が間に合うこともあります。行けなくなった代わりに、電報でお祝いの気持ちを伝えるのもおすすめです。
フラワー電報やぬいぐるみ電報などギフトのついた電報を選べば、受付を華やかに彩ってくれます。メッセージには、残念な気持ちも込めてお祝いを伝えるといいでしょう。
例文を2つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
今日の日に備えて準備を整えていたのですが
出席できなかったことがとても残念です
落ち着いたら改めてお祝いの言葉を伝えさせてください
幸せなおふたりにお会いできることを心から楽しみにしています
今日は直接おふたりにお祝いの言葉を伝えたかったのですが
その場にいられないことがとても残念です
この電報に祝福の気持ちを込めて贈らせていただきます
おふたりの生活が落ち着いたら一緒に食事に行きましょう
その時にぜひ結婚式の写真も見せてくださいね
幸せな結婚生活のお話を聞けることを心から楽しみにしています
電報の送り方については以下の記事で詳しく紹介しているので、併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7483/
二次会を欠席するときの対応方法
二次会を欠席するときも、早めの連絡が必要です。披露宴ほどきっちりしていなくても、幹事が受付で人数や会費の確認をしています。
また、新郎新婦や友人も、顔が見えなければ心配するでしょう。新郎新婦や友人に、不誠実に見られないような対応をするのがマナーです。
二次会のみ欠席時の連絡方法
二次会を欠席するときは、幹事に伝えましょう。主催者が新郎新婦でも、結婚式の当日は慌ただしく連絡が取れないこともあります。
幹事に連絡が取れないときは、二次会の会場に連絡したり、一緒に参加予定だった友人から伝えてもらったりしても大丈夫です。
二次会は結婚式ほど厳密ではありませんが、欠席でも会費は払う誠意は見せましょう。
理由の伝え方
二次会を欠席するときも、結婚式と同様に言ってもいい理由と言わない方がいい理由があります。
不祝儀に関することは、「やむを得ない事情で」と言葉を濁しましょう。後日お詫びをするときに、何が理由だったのか伝えれば大丈夫です。
不祝儀以外の場合は、正直な理由とともに欠席することを伝えれば、快く応じてくれるでしょう。
まとめ:当日行けなくなったとしてもお祝いの気持ちを伝えよう
結婚式の当日に欠席せざるを得なくなったときは、早めに結婚式場に連絡することが大切です。新郎新婦はお仕度などでいそがしいため、連絡がつながらないこともありえます。
スピーチや余興などの役割があるときは、自分で代役を探さずに新郎新婦や結婚式場側に任せましょう。ご祝儀は、もともと包む予定だった金額を後日改めて渡すのがマナーです。
結婚式に間に合えば電報を贈ったり、改めてお詫びの品を用意したりと、お祝いの気持ちを誠実に伝えましょう。