結婚式の披露宴は新郎新婦のこだわりを表現できる場ですが、演出が自己満足と受け取られてしまうケースも少なくありません。
ゲストに心から楽しんでもらうためには、自分たちのやりたいことと、ゲストへのおもてなしのバランスを考えることが不可欠です。
「好きな演出を自己満足な演出だと思われたくない」
「ゲストには楽しんでほしい」
「どんな演出ならゲストに喜んでもらえる?」
本記事では自己満足だと思われる演出の例と、すべての人が楽しめる演出のポイントや、喜ばれる演出のアイデアを紹介します。
元ウエディングプランナーとして実際にアドバイスした経験も踏まえて具体的に解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
自己満足だと思われない、ゲストのための演出で盛り上がる披露宴にしましょう。
ゲスト満足度を下げる演出とは
良かれと思って企画した演出も、ゲストの視点から見ると楽しめない、あるいは負担に感じてしまうことがあります。
特に、新郎新婦のこだわりが強すぎると、ゲストが置いてきぼりにされてしまう自己満足な演出になりがちです。
ここでは、ゲストがそう感じてしまう可能性のある演出例を7つ紹介します。
これらの点に注意することで、より多くのゲストに満足してもらえる時間にすることができるでしょう。
お色直しの回数が多い
お色直しは披露宴の華やかな見せ場の一つですが、1回につき20分~30分かかることもあり、回数が多すぎると逆効果です。
衣裳をたくさん披露したいという気持ちはわかりますが、一般的にお色直しは1回しかしません。
ゲストは主役の二人と話したり一緒に写真を撮ることを楽しみにしているため、不在の時間が長いとがっかりさせてしまいます。
会場にいない時間が長くなるほど、披露宴中に新郎新婦とほとんど話せなかったという印象を与えかねません。
主役が席にいる時間を長くすることが、ゲストへのおもてなしに繋がるのです。
ゲストとの歓談時間を十分に確保するためにも、お色直しは1回か、多くても2回に留めましょう。
上映時間が長いムービー
披露宴でムービーを放映する演出は人気ですが、上映時間が長すぎるとゲストを退屈させてしまいます。
特に、新郎新婦の生い立ちを紹介するプロフィールムービーは長くなりがちなので注意しましょう。
ムービーの適切な長さは5分から7分程度なので、写真の枚数が多すぎたり、コメントが長文だったりしないかチェックしてください。
放映中は薄暗くなり食事や歓談がしにくくなるため、メリハリのある進行が成功のコツです。
プロフィールムービーについて解説した記事もあるので併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/14206/
長文の花嫁の手紙
花嫁の手紙は披露宴のクライマックスを飾る感動的なシーン。
しかし、内容が長すぎると話が冗長になり、聞いているゲストはだんだんと飽きてきます。
家族への個人的なメッセージが中心となるため、他のゲストが聞き疲れしないような長さを意識することが大切です。
披露宴の場では、簡潔で心のこもった言葉を選ぶことで、多くの人の心に響くでしょう。
花嫁の手紙の書き方については、こちらの関連記事が参考になります。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/12509/
多すぎるサプライズ
サプライズ企画が多すぎると、ゲストは食事や歓談に集中できず落ち着きません。
ゲストを喜ばせたいという思いから企画するサプライズも、その頻度が高すぎると逆効果になることがあります。
また、突然スピーチや余興を依頼するサプライズ指名は、人によっては大きな負担です。
披露宴にサプライズを取り入れる場合は1回~2回に絞り、本当に感謝を伝えたい相手への特別な演出として行いましょう。
サプライズを成功させるコツを解説した記事もあるので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/15320/
内輪ネタの余興
友人による余興は披露宴を盛り上げますが、内輪ネタにならないよう注意が必要です。
余興を友人にお願いする際には、新郎新婦から事前に「誰が見ても楽しめる内容にしてほしい」と伝えておきましょう。
一部のコミュニティだけが楽しめる内容にしてしまうと、それ以外のゲストからは自己満足な演出になってしまいます。
全員が楽しめる内容にして、会場の一体感を大切にしてみてください。
新郎新婦が主体となって余興を行う方法もあるので、参考にしてみてくださいね。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/15604/
ゆっくりできない参加型の演出
ゲスト参加型の演出は、数を増やしすぎないことがポイントです。
会場の一体感を高める人気の演出ですが、やることが多いとゲストはゆっくりする暇がありません。
特に、クイズやインタビューなどで頻繁にゲストを指名したり、特定の友人に集中してお願いするのは避けるべきです。
ゲストに何か特別な役割をお願いする場合は、事前に打診し了承を得ておくと安心でしょう。
全員で一斉に参加できるものであれば負担も少ないですが、代表形式などはバランスを考えながら取り入れてください。
余興なしで過ごす披露宴について解説した記事もあるので、ゆったりとした進行を心がけてみてはいかがでしょうか。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/10428/
新郎新婦の顔写真入りギフト
引き出物やプチギフトに新郎新婦の顔写真や名前が大きく入ったアイテムも人気ですが、それは消え物の場合のみです。
お皿やマグカップといった日常的に使うものに写真が入っていると、使いづらいと感じる人がほとんど。
記念になるものを選びたい気持ちは分かりますが、ゲストが実用的に使えるものや、気兼ねなく消費できるものを選ぶのが無難です。
イニシャルや挙式日をさりげなくデザインに加える程度に留めるのが、スマートなおもてなしと言えるでしょう。
自分達の前撮り写真を使ったオリジナルパッケージのお菓子を注文できるメーカもあります。
こちらの記事も参考に、ゲストに喜ばれる写真入りギフトにしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/15529/
気候に合っていない演出
結婚式の演出は、季節や天候によっても満足度が左右されます。
例えば、寒い時期に屋外での演出や長時間待つ必要があるとゲストは快適に過ごすことができません。
特に、女性ゲストはコートの他に上着を持ってきていないこともあるので、体調に関わる可能性もあります。
夏の場合は、日陰の少ないテラスでのパーティーや結婚式場までの移動時間に体調を崩す危険があるでしょう。
屋外演出を行うときは、雨天時に備えて屋根付きのスペースや室内への移動経路を確保しておくことも重要です。
おふたりの希望を優先するあまり、ゲストに不快な思いをさせてしまわないよう、気候に合わせた会場選びや演出を心がけましょう。
気候や時期に合わせたおもてなし方法についてまとめた記事があるので、併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/11861/
自己満足な演出にしないコツ
ゲストに心から楽しんでもらえる披露宴を実現するためのコツを3つ紹介します。
自分たちの希望を盛り込みつつ、自己満足な演出でないゲストのための演出になるよう工夫しましょう。
これらの点を意識することで、新郎新婦もゲストも、全員が笑顔で過ごせる一日を創り上げることができます。
ゲストと直接話す時間を確保する
ゲストが披露宴で楽しみにしていることの一つが、新郎新婦と直接言葉を交わし、一緒の時間を過ごすことです。
しかし、演出やイベントを詰め込みすぎると、歓談の時間がほとんど取れなくなってしまいます。
進行内容を考えるときは、まずゲストと歓談する時間や各テーブルを回って写真を撮る時間を十分に確保することから始めましょう。
中座時間をできるだけ短くしたり、余興の数を厳選したりすることで、主役が会場にいる時間を長くできます。
ゲスト一人ひとりと感謝を伝え合う時間こそが、何よりのおもてなしです。
演出は詰め込みすぎずメリハリをつける
披露宴を盛り上げたいという気持ちから多くの演出を盛り込むと、かえってゲストを疲れさせてしまうことがあります。
食事や会話を楽しむ間もなく次々とイベントが続くと、全体的にせわしない印象を与えてしまいかねません。
演出は数を絞り、本当に自分たちがやりたいこと、ゲストに伝えたいことに集中するのが良いでしょう。
また、プログラム全体に緩急をつけることで、演出が多くてもゆっくり過ごせたように思ってもらえます。
演出を多く入れたい場合は、必ずクッションとなる歓談時間も挟むようにしてください。
第三者の客観的な意見を取り入れる
結婚式の準備に夢中になっているとおふたりだけの世界に入り込んでしまい、ゲスト目線を忘れがちになることがあります。
そんなときは、打ち合わせをしている担当プランナーからの客観的な意見を参考にしてみてください。
企画している演出がゲストにどう映るか、時間配分は適切かなど具体的なアドバイスをもらえます。
ウエディングプランナーは何組も担当してきているので、過去の事例からも参考になる意見が聞けるでしょう。
また、両親や気心の知れた友人に相談し、率直な感想を聞いてみるのも良い方法です。
第三者の視点を積極的に取り入れることで、独りよがりではない、多くの人に喜ばれる披露宴が実現します。
ゲストに喜ばれる演出例
ゲストへのおもてなしの心が伝わる具体的な演出のアイデアをいくつか紹介します。
これらのアイデアをヒントに、披露宴のプログラムを考えてみてはいかがでしょうか。
サンクスバイト/ファーストバイト
ウエディングケーキ入刀といえばファーストバイトですが、ファーストバイト以外のバイト演出もあります。
おすすめなのは感謝を伝えたい人に行うサンクスバイト。
これまでお世話になった両親や友人などを指名し、新郎新婦から感謝の言葉とともにケーキを食べさせてあげる演出です。
指名されたゲストにとっては嬉しいサプライズとなり、見ている他のゲストも温かい気持ちになります。
特定の誰かにスポットライトを当てて感謝を伝えたい場合は参考にしてみてください。
その他にもファーストバイトをアレンジした演出はたくさんあるので、こちらの記事も要チェックです。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/3362/
フォトラウンド
お見送り以外で、新郎新婦がゲスト一人ひとりとコミュニケーションを取れる演出です。
新郎新婦が各テーブルを順番に回りゲストと一緒に写真を撮るので、一人ひとりの顔を見て感謝を伝えられます。
テーブルごとにポーズを変えたり、フォトプロップスのような小道具を用意したりすると、より一層楽しい写真が残せるでしょう。
歓談もできるため、ゲストとの距離が縮まる絶好のチャンスです。
全員が参加でき、思い出を形として残せるこの演出はどんなゲストにも喜ばれます。
席札メッセージ
ゲスト一人ひとりにメッセージを送る演出もおすすめです。
大人数の場合は用意が大変ですが、その手間こそが特別感を生み、披露宴が始まる前から会場を温かい雰囲気で満たします。
一言でいいので、手書きのメッセージを席札などに書きましょう。
お礼やこれまでのエピソードについて書かれたメッセージは、誰が貰っても嬉しいものです。
ウェルカムスペース
ゲストが受付を済ませてから披露宴が始まるまでの待ち時間も、おもてなしの心を表現する大切な時間です。
ウェルカムスペースにゲストが参加して楽しめるような工夫を凝らすと喜ばれます。
例えば、チェキで自由に撮影しメッセージを書き込んでもらうコーナーを設けたりするのも良いアイデア。
ウェルカムドリンクの種類を充実させる、手軽に食べられるフィンガーフードを用意するなども披露宴への期待感を高めます。
まとめ:結婚式では自己満足な演出でゲストに迷惑をかけないようにしよう
結婚式で自己満足な演出をしないためのポイントを解説しました。
披露宴では自分たちのやりたいことだけでなく、ゲストのために行う演出を用意しましょう。
大切なのは、ゲストと直接話す時間を十分に確保し、演出を詰め込みすぎずに全体の流れにメリハリをつけることです。
プランナーなど第三者の客観的な意見も参考にしながら、ゲストの視点に立った計画を立ててみてください。
ゲスト一人ひとりへの細やかな配慮を重ねることが、結果的に自身の満足にも繋がります。