参列する結婚式の前日に、ご祝儀袋の用意を忘れていたことに気付き、慌てることもありえます。
コンビニのご祝儀袋で失礼にならないだろうかと、悩んでいる方もいるでしょう。
結論から言うと、コンビニのご祝儀袋でも差し支えありません。どこで買ったかよりも、マナーに沿って正しく選び、準備できているかが大切です。
そこで今回は、コンビニでご祝儀袋を購入するケースを想定し、正しい選び方や書き方についてまとめました。
ご祝儀袋以外にも用意するものや、当日の持ち物についても解説しています。
何を用意したらいいのかしっかり理解して、忘れ物ゼロで結婚式に向かうようにしましょう。
まずは必要なものを揃える
ご祝儀袋を購入しにコンビニに駆け込む前に、何が必要なのかチェックしましょう。
必要なもののうち、すでに持っているもの、用意しなくてはならないものを理解しておきます。
妥協できるものや代替品で済むものなど、判断基準が分かっていると、短時間でも慌てずに揃えていくことができますよ。
●必要なアイテム
ご祝儀を準備するのに必要なアイテムは、次の4つです。
- 新札
- ご祝儀袋
- 毛筆、または筆ペン
- 袱紗(ふくさ)
このうち、ご祝儀袋と筆ペンは、コンビニでも購入ができます。
ご祝儀袋を購入する時は筆ペンもセットで用意するようにしましょう。
袱紗(ふくさ)は、ご祝儀袋を包む袋や布になります。
●新札について
ご祝儀に包むために新札が必要になりますが、結婚式直前では用意するのが難しいです。
▼時間の余裕がある
アイロンがけをしてお札のシワを伸ばす方法にチャレンジしてみましょう。
その際、家にあるお札の中で、比較的きれいなものを選ぶのがポイントです。アイロンの熱で焦がすことがないように、慌てずていねいにアイロンがけをしてください。
▼時間の余裕がない
ダメ元でご祝儀袋を購入するコンビニで聞いたり、結婚式場で交換できるか聞いてみましょう。
結婚式場によっては、こういったケースを想定して、何枚かは用意しているところもありますが、必ずあるわけではありません。
新札の調達ができなかった場合は、手持ちの中からなるべくきれいな状態のお札を選んで包みましょう。
●袱紗について
袱紗はご祝儀袋を包むためのものですが、コンビニで扱っているところはほとんどないでしょう。
結婚式場周辺のコンビニなら、ひょっとしたらあるかもしれませんが、ほぼ期待はできません。
もし、家に風呂敷があれば、袱紗の代替品として使用できます。無地やレース地、エレガントな雰囲気のハンカチでも大丈夫です。
風呂敷やハンカチを使う場合は、シワがなく明るい色合いのものを選びましょう。
袱紗を使うのは渡す時のマナーだけでなく、ご祝儀袋を持ち運ぶ時に、折れたり汚れたりしないようにするためでもあります。
袱紗に代わるものが用意できない場合は、直前まで何かに包んでおき、受付ではご祝儀袋を裸のまま渡した方が、見栄えが悪くなることもなくスマートでしょう。
注意事項としては、間違えて弔事用の袱紗を持って行かないことです。
紫色は、慶事と弔事どちらでも使えるので問題ありませんが、その他の寒色系のグレーや藍色、紺、緑などの袱紗は、弔事用になります。
コンビニで買うべきご祝儀袋とは
すでに述べたように、コンビニでご祝儀袋を購入することはマナー違反ではなく、金額に合わせたデザインのものを選んで、正しく用意することが大切です。
ご祝儀袋が置いてある場所はコンビニによって異なりますが、一般的にはフロアの中央付近、文房具の近くに置いてある確率が高いでしょう。
結婚式用のご祝儀袋がどのようなものか分からない場合は、下記の画像を見ながら似た感じのものを探すと見つけやすいですよ。
●無難なご祝儀袋を選ぶ
デパートや文房具店などでは、多種多様なデザインのご祝儀袋を取り扱っていますが、コンビニで探す時は悩んでいる時間がないので、無難なご祝儀袋を選びましょう。
ご祝儀袋を探す時の見分け方には、次の4つが挙げられます。
- 婚礼用と書かれている
- のしがついている
- 水引が10本で結び切り・あわじ結び
- 壽(寿)と書かれている
▼婚礼用と書かれている
ご祝儀袋は、販売時に汚れないように透明な袋に入っていて、用途が書かれていることが多いです。
御祝用とあるものは、別のお祝い用の可能性があるため、注意しましょう。
▼のしがついている
のしとは、右上に付いている紙でできた飾りのことです。慶事用のみで弔事にはつけないので、のしの有無でお祝い用か見分けることができます。
▼水引が10本で結び切り・あわじ結び
結び切りとあわじ結びは、一度結ぶとほどけることがなく、一度きりのお祝いである結婚にふさわしい結び方です。
お祝い用の結び方には蝶結びもあります。簡単にほどくことができることから、何度も祝うことができる出産や入学などのお祝いに使うものなので、間違えないように注意してください。
▼壽(寿)と書かれている
ご祝儀の名目である「壽(寿)」は、結婚祝い用に使うものです。短冊タイプであれば、予備が何枚かついているため、名前の書き損じをしても短冊を交換するだけで済みます。
これらの見分け方を参考に、正しいご祝儀袋を選びましょう。
●筆ペンも忘れず
家に筆ペンがない場合は、コンビニで一緒に買うことも忘れないようにしましょう。
ご祝儀袋と同じく、文房具コーナーに置いてあります。
結婚式などのお祝いごとでは、名前などを濃く書くことがマナーなので、筆ペンは濃い墨を選んでください。薄墨は弔事用なので、間違えないようにしましょう。
筆先の太さが何種類かある場合は、中字がおすすめです。お祝いでは文字を太く書くことも大切なため、細字タイプだとご祝儀袋の表書きには細すぎてしまいます。
できれば筆ペンが望ましいですが、どうしても見つからない場合は、ネームペンなどのサインペンでも代用可能です。
万年筆やボールペンなどの細いペンは、格式が劣り事務的に見えてしまうため、ご祝儀袋の表書きには使えません。
ご祝儀袋の書き方
ご祝儀袋の準備に必要なものが揃ったら、表書きと中袋に記入をし、お金を入れていきましょう。
今回は、急いでご祝儀袋を用意するケースを想定しているので、必要な部分のみ紹介していきますが、ご祝儀袋のマナーに関しては、さらに詳細に解説している関連記事もあります。
余裕があれば、こちらもチェックしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6540/
●表書きの書き方
表書きに書く項目は、水引の上に書くお祝いの名目と、水引の下に書く名前の2か所です。
名目が空欄の場合は、なるべく大きく「寿」の一文字を書きましょう。正式には、旧字体の「壽」と書きますが、画数が多く間違えやすいため、画数の少ない方を書く方が無難です。
あらかじめ名目が印字されている場合や、短冊に印刷がされていれば、名目を記入する必要はありません。
水引より下の中央には、名前をフルネームで書きます。名前は、名目の文字より比較的小さく書くのが基本です。
記入するスペースの片方に偏らないように、バランスよく書くように心掛けましょう。
●中袋の書き方
中袋は、表に「金 参萬円」、裏に住所とフルネームを、縦書きで記載します。
金額を書く時は筆ペンを使い、中袋の表中央に大きめの字で書きましょう。
最初に「金」を一文字書き、少しスペースを空けて、漢数字で「参萬円」と記入します。「参」は「三」、「萬」は「万」の旧字体です。
金額を記入したら裏返し、中央のラインより左に、住所とフルネームを記入します。
この時も、数字は漢数字を使い、住所は「1-1-1」を「1丁目1番地1号」のように、省略せずに書いてください。
アルファベットは、カタカナに変えられるならカタカナで、難しければアルファベットのまま縦書きで書きます。
ご祝儀袋の種類によっては、記入の枠が印字されていて、郵便番号や電話番号の欄が設けられているタイプもありますが、指定の項目は全て埋めましょう。
中袋の裏面に限り、筆ペンだと字が潰れてしまう場合は読みやすさを優先して、サインペンやボールペンを使っても大丈夫です。
●入れ方
ご祝儀袋の記入ができたら、お金を入れましょう。
お札の表面は人物の肖像画がある方なので、中袋に入れた時に、肖像画が表側の上部に来るように入れます。
中袋はのり付けをしないので、そのままご祝儀袋にしまいましょう。
ご祝儀袋の裏側は、筒状になったものを上下から折り返した形になっています。
慶事では下からの折り返しを上に重ねるので、間違えないように注意してください。
中袋を出す時に、ご祝儀袋を全部広げてしまうと戻す時に時間がかかり、折り返しの上下も間違えやすくなります。
折り返し部分だけ開いて、中袋の出し入れをすれば、時短にもなり上下を間違えることもないのでおすすめです。
忘れ物0で会場へ向かおう
ここまでで、ご祝儀袋の用意はできたと思いますが、最後にほかにも忘れ物がないか、しっかりチェックしましょう。
慌てていると、何かしら忘れがちです。最終チェック表を見ながら、確認してみてください。
●持ち物の最終チェック
結婚式に参列する時の主な持ち物としては、次のリストのものがあると安心でしょう。
- ご祝儀
- 袱紗
- スマホ
- 招待状
- 財布
- ハンカチ
- ティッシュ
- メイク直し道具
- 手鏡
- 絆創膏
- 常備薬
女性は持ち物が多くなりやすいので、メインバッグとサブバッグに分けて持っていくと便利です。
男性は、必要なものをスーツのポケットに入れて手ぶらで行くか、クラッチバッグを用意しておくといいでしょう。
持ち物の中で忘れやすいものが、招待状と現金です。
招待状がなくても結婚式場には入れますが、結婚式の時間や式場の住所、連絡先の確認のためにも、招待状は持っていきましょう。
招待状の中に、ゲストカードが入っている場合もあります。
ゲストカードは、芳名帳のように参列者の住所や名前などを書くもので、記入した状態のカードを当日持参する必要があるため、招待状の中身も再度チェックしておくと安心です。
お財布は丸ごと持っていく必要はありませんが、クレジットカードと免許証や保険証、現金も少し持っておくといいでしょう。
結婚式の持ち物については、さらに詳しく解説している記事があるので、そちらも参考にしてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5304/
●余興や二次会など特別な役割はないか
余興を行なったり、そのまま二次会に行ったりする場合は、さらに持ち物が必要なこともあります。
余興用のDVDや音楽CD、衣装やグッズなど、忘れ物がないかもう一度チェックしましょう。
そのまま二次会に向かう場合は、着替えや羽織るものなどが必要ないか、二次会で余興をするならその準備など、持ち物リストを作って確認するのもおすすめです。
スマホも、いろいろ連絡を取り合ったり、写真やムービーを撮っていると、充電があっという間になくなってしまいます。
特に、二次会の幹事などで連絡を頻繁にとる必要がある方は、充電が切れてしまっては困るので、モバイルバッテリーも用意しておくと安心でしょう。
新郎新婦様には内緒のドタバタ
結婚式の前日に、ご祝儀袋の用意し忘れに気付いたら焦りますよね。
コンビニで買ったご祝儀袋では、新郎新婦様に失礼ではと思いがちですが、どこで買ったかは問題ではなく、正しいご祝儀袋を選んで用意できているかが大切です。
準備が慌ただしかったことを新郎新婦様に悟られるのはスマートではないため、いくらバタバタしていても、マナーをきっちり守って用意することを心掛けてください。
ご祝儀以外にも何か忘れ物をしてしまったら、気もそぞろになって結婚式に集中できないかもしれません。
結婚式当日に慌てることなく、心から新郎新婦様を祝福できるように、次は余裕をもって用意できるようにしましょう。