友人代表スピーチを頼まれたら、「何を準備したらいいのか」「何を話せばいいのか」と不安も多いのではないでしょうか。
友人スピーチは大役ですから失敗はできません。
「友人代表スピーチを成功させるにはどうすればいい?」
「知っておくべきマナーは?」
「何を書いたらいい?」
本記事では、元ウエディングプランナーがスピーチの組み立て方、心を動かす言葉の選び方、会場でのマナーまで解説しています。
どうすれば成功させられるかの参考にしてみてください。
友人代表スピーチについて
結婚式で友人代表スピーチを依頼されることは、単なる演出のお願いではありません。
友人代表スピーチは新郎新婦と深い関わりを持つ友人の中から一人、もしくは複数人しか担うことができないのです。
スピーチでは新郎/新婦のエピソードを交えて、新婦や新郎に対する想いを表現しましょう。
事前に準備をすることで、心に残るスピーチにすることが可能です。
まずは所要時間や文字数、タイミングについて解説していきます。
スピーチを行うタイミング
友人代表スピーチは、披露宴の中盤から後半に組み込まれることが多いです。
お色直し前か後に組み込むことが多かったので、そのぐらいになるのだろうと心づもりしておきましょう。
インタビュー形式の場合はテーブルラウンドのように各テーブルを回る演出にすることもあります。
事前に細かなタイミングを新郎新婦に聞き出せると安心です。
スピーチの所要時間
結婚式のスピーチで理想的な所要時間は2分~4分です。
ふたりから指示が合った場合はそれに合わせますが、短めに仕上げるくらいでちょうどよくなります。
結婚式のプログラムは分刻みです。
1分遅れるだけで全てが後ろ倒しになり歓談時間が削られるので、早く終えることは全くもって問題ありません。
一方で5分でも長引けば結婚式の進行に多大なる悪影響を及ぼすので、時間厳守でお願いします。
スピーチに適した文字数
スピーチの時間が2分~4分である場合、適切な文字数は1,000文字から2,000文字程度です。
長いよりは短く仕上げてゆっくり読み上げる方がおすすめ。
想定より短いのは大歓迎ですし、緊張して早口になるよりも意識してゆっくり述べた方が聞き取りやすいからです。
スピーチ原稿の構成
スピーチの構成は4つで、挨拶・自己紹介・エピソードの紹介・祝福の言葉という流れです。
エピソード選びでは、個人の秘密や不適切な内容は避け、聞いている全員が楽しめるような内容選びを意識しましょう。
各構成の作り方のコツを解説していくので、参考にしてみてください。
1.挨拶
友人代表スピーチの冒頭、挨拶の部分はスピーチ全体の印象を決める重要なパートです。
まずは、新郎新婦への祝辞と招待に対するお礼を簡潔に表現しましょう。
文字数は150字前後が目安で、時間は約30秒ほどが適切です。
会場の雰囲気を和らげるためにも、明るく丁寧な口調を心掛けてください。
また、滅多にないことですが、新郎新婦やゲストが立っている場合は「どうぞご着席ください」と一言添えるとスマートです。
2.自己紹介
目安としては30秒ほど、150字程度にまとめるのが適切です。
自己紹介は簡潔明瞭に、自分の名前と新郎や新婦との具体的な関係を伝えることがポイント。
スピーチ前に司会者からも紹介があるので、事細かに話す必要はありません。
3.新郎新婦とのエピソード
新郎新婦とのエピソード紹介は、スピーチの中でも特に重要な部分です。
このパートは2分から2分30秒ほどかけ、文字数は1,000字から2,000字を目安に仕上げましょう。
新郎新婦の性格や魅力をよく表すエピソードを1つか2つ用意しましょう。
エピソードはあまり複雑でないほうが伝わりやすく、聞き手が共感しやすい内容に仕上げるのがポイントです。
4.はなむけ・締め
スピーチの締めくくりでは、新郎新婦へはなむけの言葉を贈ります。
全体の内容をまとめつつ、未来への明るい希望や応援のメッセージを具体的に伝えましょう。
文字数は450〜600字程度を目安にし、時間は約1分30秒から2分程度が適切です。
結びの言葉は感謝の気持ちや祝福の言葉を織り交ぜて、聞いているゲストの共感を呼び起こすことがコツ。
全体のバランスを見ながら、感動的な締めくくりを用意しましょう。
感動を生むスピーチのコツ
人前で話すことは緊張するかもしれませんが、入念な準備とテクニックでスピーチを感動的に仕上げることができます。
忘れられないスピーチの作り方とゲストに感動を与えるコツを解説するので、ぜひ実践してみてください。
忌み言葉を使わない
まずは、結婚式のスピーチで避けるべき表現とその言い換え方、スピーチのマナーについて解説します。
結婚式ではネガティブなワードである忌み言葉や、繰り返しの言葉を使いません。
以下も参考に、忌み言葉を使っていないか注意しながら原稿を作成しましょう。
忌み言葉 | 言い換え |
スタートを「切る」 | スタートラインに立つ |
「失敗」もあった | 困難を乗り越えた |
「いろいろ」ありました | たくさんの出来事がありました |
「頼りない」ですが | 控えめですが |
「また」一緒に | 改めて |
「安く」て「まずい」学食 | 学生の財布に優しい学食 |
スピーチでタブーや不適切な表現を避けるのは、新郎新婦とゲスト全員に楽しくて思い出深い時間を提供するためです。
否定的な言葉や不快感を与える内容は絶対に避け、ふたりに不快感を与えるエピソード、失礼な言葉は厳禁です。
ゆっくりはっきりと話す
誠実で感動的な話し方はゲストの心に深く響き、メッセージを説得力あるものにします。
結婚式スピーチでは、特に以下の3点に重点を置いてみてください。
- 明瞭で落ち着いた声
明るく、はっきりとした声で、感情を込めて話すことが重要です。 - 適切なペースで話す
早口すぎず、遅すぎず、ゲストが理解しやすいペースで話しましょう。 - 目を見て話す
新郎新婦様やゲストの目を見ることで、誠実さとつながりを感じさせます。
これらをうまく取り入れることで、ふたりとゲストに心温まる一時を提供できるでしょう。
▼おすすめの練習方法
効果的な練習方法、そして制限時間内にスピーチを終えるコツをお伝えします。
以下の方法を取り入れ、聴衆を魅了するスピーチを目指しましょう。
鏡を見ながら話すことで、ジェスチャーや表情管理の練習にもなります。
抑揚とリズムを意識した話し方を心がけると、感動的なスピーチに仕上がります。
当日の流れに沿って行ったリハーサルをビデオで撮影するセルフチェックもおすすめです。
スマートフォンを使って練習の様子を録画し、話し方や表情を確認します。
客観的に自分のスピーチを見ることができるので、改善点を発見しやすいでしょう。
友人代表スピーチは、お二人の大切な瞬間に花を添える重要な役割です。
しっかりと練習を積み準備を行うことで、心に残るスピーチを実現させましょう。
メモやカンペを用意する
カンペやメモを使ってスピーチをしても問題ありません。
視線が下がらないように注意して、堂々を話しましょう。
また、花嫁の手紙のように手紙を用意することもおすすめです。
手紙を用意することで自分の気持ちを込めやすくなり、感動の演出になります。
手紙は形に残るので、新郎新婦にサプライズで渡すのもよいでしょう。
封筒や便せんといった小道具にもこだわってプレゼントしてみてくださいね。
礼の仕方、タイミングを把握する
礼のタイミングは5回です。
- 司会者から友人代表スピーチの紹介があったら、まずは自席で同テーブルの人に向けて軽く会釈します。
- 席を立ったら会場全体に向けて一礼しましょう。
- スピーチ開始前にふたりに向かって深く礼をします。
- マイクにぶつからないように1歩下がり、ゲスト全員に対しても同様に礼をします。
- スピーチを終えたらゲスト全員に対して礼をし、その後にふたりに対して深い礼をします。
礼のタイミングは、早すぎても遅すぎても微妙になってしまいます。
迷うようであれば事前に司会者からタイミングを指示してもらうようにしましょう。
お辞儀の美しさの秘訣は、動作をゆっくりと自然体で行うことです。
急ぎ足や慌てた礼は不自然に見えるので、背筋を伸ばし、心からの敬意と感謝の気持ちが伝わるようにしてください。
服装、身だしなみを整える
友人代表としてスピーチをする場合、スピーチの内容だけでなく見た目の印象も大切です。
派手過ぎるヘアスタイルやカラーは避け、清潔感のある上品なスタイリングにしてください。
スピーチでは見た目だけでなく、親しみやすさや誠実さを感じさせる笑顔も重要。
内容がしっかりしていれば、身だしなみと合わせて新郎新婦やゲストに良い印象を残せます。
▼男性の場合
男性はダークスーツに白シャツ、そして明るい色のネクタイを選ぶのが一般的です。
黒、グレー、ネイビーなどの落ち着いた色のスーツは結婚式のスピーチに適しています。
足元は清潔感があり、磨かれた革靴が良いです。
以下の記事も参考に身だしなみをチェックしてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6687/
▼女性の場合
女性は派手過ぎずエレガントなドレスを選びましょう。
派手すぎる色やデザインは避け、シンプルで品のあるスタイルにします。
スカート丈はミディアムからロング丈が無難で、肩を出すデザインはショールやボレロで上品にカバーするのがおすすめです。
アクセサリーは控えめで繊細なピアスやネックレスで装いを引き立てましょう。
また以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6673/
新郎新婦の呼び方はさん付けにする
基本的なルールとして、公私に関わらず「さん」付けするというのが礼儀正しい呼び方となります。
普段はあだ名や呼び捨てであっても、スピーチ中は丁寧な表現を使いましょう。
しかし、カジュアルなパーティーや特別親しい間柄である場合にはその限りではありません。
最初に「緊張しているので、いつも通り(新婦)ちゃんと呼ばせてください」など断りを入れておけば、大丈夫です。
基本は「さん」付けなので、披露宴の雰囲気や関係性を鑑みてどうするか決めてみてください。
エピソードの選び方
本項目では新郎新婦との絆を深め、ゲストに感動を与えるエピソードの選び方について解説します。
一体どのようなエピソードが結婚式の場に相応しいのか、記憶を辿りながら見てみてください。
新郎新婦との思い出から選ぶ
エピソード選びの一番のコツは、「自分にしか書けないエピソードを紹介すること」です。
例えば、初めて出会ったとき、一緒に乗り越えた困難、お互いを支え合ったエピソードなど。
これらは、ゲストに2人の歴史や強い関係を伝えるのに効果的です。
エピソード選びでは、以下のポイントを心がけてみてください。
- 共感を呼ぶエピソード
ゲストが共感しやすく、2人の関係の深まりや成長を感じられる - 新郎/新婦の個性が際立つエピソード
魅力やその人ならではの個性が伝わるエピソードでゲストに人となりを伝える - 聞き手を考慮したエピソード
ゲスト全員が理解しやすく、ライベートすぎないエピソード
友人代表スピーチは新郎新婦への愛を表現する機会です。
これらのポイントを踏まえたエピソード選びにより、共有した思い出からお二人の過去と未来を祝福しましょう。
ユーモアのあるエピソードの選び方
盛り上がるエピソードとしては、お互いを支え合った出来事や共に乗り越えた困難、または一緒に楽しんだ記憶などが挙げられます。
これらのエピソードを通じて新郎/新婦の素晴らしい性格や人となりを伝えることを目的に選出してください。
笑えるエピソードとしては、微笑ましい失敗談など品がありつつリラックスできるものを選ぶと良いでしょう。
面白さをゲスト全員で共有できるエピソードを選ぶことが、忘れられないスピーチを作る秘訣です。
・新郎が初めてダンスを踊った時の奮闘ぶり
・今ではできない若気の至りによる行動
感動を取るにせよ笑いを取るにせよ、真実性と新郎新婦への深い理解が必要になります。
お二人の人柄や関係性がリアルに反映されたエピソードは、ゲストの印象に強く残るでしょう。
NGなエピソードとは
まず、新郎新婦やその家族が不快に感じる可能性がある過去の失敗談は避けてください。
以前の下ネタや恋愛話を持ち出すのも避けるべきです。
プライバシーに踏み込みすぎており、本人だけでなくゲストの中にも不快に思う人がいるかもしれません。
また、新郎新婦のどちらか一方を極端に称賛し、もう一方を置いてけぼりにするエピソードも不適切です。
スピーチは2人の結婚を祝福する言葉であり、どちらか一方のみを立てることは意向に沿いません。
スピーチをする際は新郎新婦を称え、特別な日を祝う内容を心掛けましょう。
大切なのは、ふたりにとっても、全てのゲストにとっても快いエピソードを選ぶことです。
エピソードについて不安があれば事前に相談することで失敗を回避できます。
実際に使える友人代表スピーチ例文
最後に本項目では心に響く例文を紹介します。
結婚式を特別なものにするための秘訣を詰めて作成したので、ぜひ参考にしてみてください。
ただし、そのまま使うのではなく一部アレンジして使った方がより感動を生み出すでしょう。
新郎友人として立つ場合
ただいまご紹介にあずかりました、新郎友人の○○と申します。(新郎)さん、(新婦)さん、並びに両家の皆様、本日は誠におめでとうございます。
お二人の幸せな門出を祝う場で大変名誉な役目を仰せつかり、僭越(せんえつ)ではございますが、お二人の新たな旅立ちに向けた祝福の言葉を述べさせていただきます。
(新郎)さんとは幼稚園の頃からの親友です。当時から彼は、いつも周囲を明るくする存在でした。私たちがいた教室の端から端まで、彼の明るい笑顔が届かない場所はなかったのではないでしょうか。どんな出来事があっても、彼の笑顔に自然と心が上向きになりました。
そんな彼が(新婦)さんと出会い、その笑顔に輝きが増したことは言うまでもありません。(新婦)さんが彼の人生に加わった瞬間、幸せがこちらにまで流れ込んでくるかのようでした。お二人の出会いはただの偶然ではなく、運命だったと断言できます。
結婚式の準備をずっとそばで見てきましたが、お二人の力強い愛と絆を強く感じる出来事ばかりでした。乗り越えてきた試練についてはオープニングムービーでも触れられていましたね。(新婦)さんも彼の笑顔に触れて、頑張ろうと想えたのではないでしょうか。
(新郎)さん、(新婦)さん、あなたたちのこれからの人生が、今日この日のように輝かしく笑顔に満ち溢れるものであることを心より願っています。(新婦)さん、(新郎)さんのことをどうぞよろしくお願いいたしますね。
お二人の末永いお幸せを心より願い、私のスピーチとさせていただきます。
読み上げ時間の目安:1分30秒
新婦友人として立つ場合
(新郎)さん、(新婦)さん、このたびはご結婚おめでとうございます。両家のご家族やご親族の皆さまにも、心よりお喜び申し上げます。ただいまご紹介にあずかりました、新婦友人の○○と申します。僭越(せんえつ)ではございますが、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
私が(新婦)さんと初めて出会ったのは高校生の時でした。出席番号が近かったので、(新婦)さんから話しかけてくれたことで仲良くなりました。あの時話しかけてくれなかったら、ここまで仲良くなれていなかったのかもと思うと、運命のようなものを感じずにはいられません。
そして、その優しい(新婦)さんが(新郎)さんと運命の出会いを果たしたのも、高校時代でしたね。ひょんなことから縁が結ばれた2人ですが、すぐに特別な交流が生まれたわけではなく、しばらくは友人の立場であったように思います。
さて、学校の帰り道で大きなえびせんをほおばりながらお花見したことを覚えていますか? あの時(新郎)さんが気になるというような話をした覚えがあります。まさかそのあと本当に付き合い始めて、そして今日という日を迎えるとは、なんと嬉しいことでしょうか。
(新婦)さんが(新郎)さんと共に新しい人生を歩み始める今、彼女がこれまで見せてくれた優しさあふれるその笑顔が、これからもずっと続いていくことを心から願っています。そして、2人がこれまで築いてきた美しい関係が、これからも変わることなく深まっていくことを信じています。
2人のことを思うと話したいことが山ほどありますが、今日はこのあたりにしておきます。(新婦)さん、(新郎)さん、これからの2人の旅路に幸多かれと願っています。それでは末永くお幸せに。
読み上げ時間の目安:2分
会社の先輩として立つ場合
(新郎)君、(新婦)さん、ご結婚おめでとうございます。このようなおめでたい席で一緒にお祝いできること、心から嬉しく思います。私は(新郎)君の先輩にあたる○○と申します。大切な後輩である(新郎)君とそのパートナー(新婦)さんの結婚式にて、スピーチの指名をいただき僭越(せんえつ)ではございますが、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
私は(新郎)君の先輩として彼がこの会社に入ってから多くの時間を共にし、数え切れないほどのプロジェクトを一緒に乗り越えてきました。(新郎)君とは仕事で何度も肩を並べてきましたが、彼が(新婦)さんとの結婚を決意したことで彼の中に新たな変化が起き、より一層成長していることを毎日目の当たりにしています。仕事だけでなく、家庭でもその成長っぷりを発揮していることでしょう。
(新郎)君、(新婦)さん、これから先多くの喜びが2人を待っています。一方で、困難や挑戦もあるかもしれませんが、そんな時こそ2人の絆がさらに深まる瞬間です。彼は仕事でもどんな壁に当たろうが、乗り越えようとするその姿勢で高い評価を得ています。(新郎)君とならそんな困難も乗り越えられるでしょう。
喜びも悲しみも共に分かち合い、互いに支え合うことでこれからの人生はバラ色になります。改めて、(新郎)君、(新婦)さん、ご結婚おめでとうございます。これからの人生が愛と幸福に満ち溢れるものであるように祈って、私のスピーチとさせていただきます。
読み上げ時間の目安:1分15秒
まとめ:友人代表スピーチを頼まれたらしっかり準備しよう
結婚式の友人代表スピーチについて解説しました。
印象に残る友人代表スピーチを行うためには、言葉を並べるだけでなく、未来への期待を込めたメッセージが重要です。
スピーチ作成の注意点を具体的に解説しましたので、これらを参考に記憶に残るスピーチを書き上げましょう。
準備が完璧なら、当日もスムーズに進めることができるはず。
身だしなみや礼の仕方も身に着けて、感動の一幕に華を添えてみてください。
当日が上手くいくことを願っています。