ご祝儀っていくら包むのか、周りはどうしているのか気になりますよね。友人以外の関係性であったり、連名であったりする場合のマナーについてはバッチリでしたでしょうか。
本記事では、各関係性における相場感のほかマナーや欠席時の対応などについて紹介しています。元プランナーが解説するので、新郎新婦様に迷惑がかからない方法を知ることが可能です。
3万円が相場の理由や会費制の方が安い理由なども紹介しているので、知識として知っておくこともできます。ご祝儀に関するマナーについて知り、当日を堂々と過ごしましょう。
関係性で変わる金額
親族や職場の関係者の場合の相場について紹介します。友人のご祝儀は3万円が相場ですが、その他の関係のときの相場はご存じでしょうか。
以下の関係性のときにいくら包むのが相場なのかを紹介します。
- 友人
- 上司、部下、同僚
- 家族、親族
- 恩師
- 夫婦、家族
●友人
友人として結婚式に参加するときは3万円が一般的です。親友や特に仲が良い場合には、多めに渡すこともあります。
友人同士で連名で出すことはほとんどありません。趣味で所属しているグループからまとめて出す、といった場合を除き個々で用意しましょう。
また、仲良しグループ内で包んだ金額に差があると、その後の付き合いに影響を及ぼします。グループ内で金額を統一することがおすすめです。
もし誰かひとりだけ多めに出したい方がいらっしゃった場合は、ご祝儀ではなくプレゼントという形で気持ちを表現してもらいましょう。グループでお祝い会を開くのも喜ばれます。
●上司、部下、同僚
仕事の付き合いがあり出席する場合も3万円が相場です。しかし、会社の方針として金額が決まっている場合もあるので、決まりがあるのであればそれに従いましょう。
上司の場合で、役職が高かったり年齢が高い時は多めに包む方が心象はいいです。主賓として招かれた場合も多めに包みましょう。会社の決まりがあるのであれば、それとは別でお祝いの品を用意する方法をおすすめします。
同僚や部下として参加する場合は周りと相談して同額で用意したり、連名で用意することもありますので事前に確認しておくと安心です。
●家族、親族
家族や親族の場合も3万円がベースになります。一家族という単位で招待されることも多いので、人数に3万円を乗じた額を用意しましょう。
ただそれで合計金額が9万円になったり、偶数になる場合は1万円増やすか減らすかして縁起のいい数字に揃えてください。1万円減らす方のほうが多い印象です。5人くらいまでならご祝儀はまとめて10万円でもよいというのが、個人的に感じているボーダーラインになります。
また、新郎新婦様と関係性の近い方は多めに包む傾向が強いです。目安としては二親等までの方が、3万円以上のご祝儀を渡すことが多くなっています。
兄弟姉妹は年齢にもよりますが、5万円ほどがボリュームゾーンです。親御様は10万円やそれ以上包むこともありますが、事前にどれだけ支援していたかにもよるでしょう。連名で出す場合にも参考にしてみてください。
●恩師
恩師として招待された場合、5万円ほどが相場です。新郎新婦様との関係性により金額は大きく変わってきます。
最近まで交流がなかった場合などは3万円包む方もいらっしゃいます。ただ、主賓として招かれたのであれば多めに用意しましょう。
直近で交流があり、社会的な地位も高いのであれば10万円など多く用意する方が一般的です。
●夫婦、家族
夫婦や家族といった複数人で招待、参加する場合は人数に3万円を乗じた額を基本的には用意します。
ただ、夫婦など偶数人の場合は合計額が偶数になってしまうので、1万円増やすか減らしましょう。夫婦の場合は合わせて5万円とすることが多いです。9万円も苦を連想させるので、末広がりの8万円で用意するとよいでしょう。
お子様がいらっしゃる場合は、年齢に合わせて金額も変えます。
乳幼児であれば、大人分のご祝儀に+5,000円にする方が多いです。お札の枚数が偶数になってしまうことが気になるのであれば、5,000円だけギフトカードにするという方法を使いましょう。
小児になるとお子様コースなどが用意され始めますので、大人分のご祝儀に+1万円で考える方が多いです。
関係性によるご祝儀の相場を紹介しました。相場はありますが、後はどれだけ新郎新婦様へお祝いの気持ちを伝えたいか次第です。相場も参考にしつつ、ご祝儀をいくら包むのか決めましょう。
相場が3万円の理由
ご祝儀の相場感は3万円~になっていますが、これはゲスト一人あたりにかかる費用がだいたい2.5万円ぐらいになるからです。
ゲスト一人あたりにかかる費用では、料理が大部分を占めます。
披露宴で出される料理は婚礼用のコース料理です。一番ランクの低いコースでも1.3万円ほどはしますし、ほとんどの新郎新婦様が料理内容をグレードアップします。
最終的に1.5万円~2万円のコースになることが多いです。
その他の費用としては引出物類が挙げられます。引出物類は5,000円~8,000円分がボリュームゾーンとなり、一人あたりにかかる費用は2.5万円ほどになるのです。
新郎新婦様もご祝儀として3万円用意することを想定して、コース内容や引出物を決定しています。3万円の支出は大きいですが、それ以上に価値のある時間を共有してくれるでしょう。
また、偶数数字は割り切れてしまい別れを連想させるためよくないという話も有名です。これとゲスト一人あたりにかかる費用の話が組み合わさって、相場が3万円に落ち着いたと考えています。
ただ、これは全国にあてはまるものではありません。例えば会費婚が一般的な北海道ではご祝儀ではなく、会費を徴収しています。首都圏などでは3万円が相場です。
9は苦を連想させるので避けましょう。10はキリのいい数字だからよいと言われています。
ご祝儀のマナーについて
ご祝儀を用意する際のご祝儀袋や水引きのマナーについて紹介します。
●新札、金額に合わせたご祝儀袋
知っている方も多いですが、ご祝儀はいくら包むかに関係なく新札で用意してください。これは前々から準備して結婚式を楽しみにしていました、という意思表示にもなります。
式場やホテルであればカウンターなどで新札と交換してくれることもありますが、前もって準備しておきましょう。
そしてご祝儀袋は中身の金額に合わせたものを準備します。中身の金額の1/100 を目安に用意してください。
●のし、水引、表書き、中袋ついて
ご祝儀袋は必ず婚礼用のものを使用しましょう。最近は結婚式用などの表示がなされた状態で売っていることもあります。
のしがついていて、赤白または金銀の10本の水引きに寿などの表書きが入ったものを選びます。比較的自由なデザイン性のあるご祝儀袋もありますが、カジュアルなパーティーや親しい間柄である場合を除き、ベーシックなものを選ぶのが無難です。
水引きは10本あることで、2倍の喜びを表します。結びの形はあわじ結びか結び切りものにしてください。
表書きには寿と送り主の名前を書きます。毛筆か筆ペンで記入しましょう。サインペンでもよいというのが最近の風潮のようですが、筆で書くことがおすすめです。
中袋には表に金 〇万圓と書き、裏に住所と名前を記入します。漢数字ではなく、旧字体で各ほうがよいでしょう。
●袱紗について
ご祝儀袋は袱紗と呼ばれる金封をしまうためのものに入れて持ち運びます。なければハンカチや風呂敷で代用可能です。
慶弔どちらも活躍の機会があるので、両用できる紫色の袱紗を持っておくことをおすすめします。
袱紗の役割はご祝儀袋を汚さないように守ることと水引きが壊れないように守ることです。受付で渡すときは袱紗の上に重ねて受付係に渡します。当日受付で慌てないように一度シミュレーションしておくとよいでしょう。
欠席の場合はどうすべきか
結婚式に出席できない場合にご祝儀をいくら包むのかや渡し方は、タイミングによって対応が変わります。開催日が近づいてからの欠席ほど新郎新婦様に迷惑がかかりますので、出席できなくなったらすぐに連絡してください。
●直前に行けなくなった場合
招待状で出席すると回答してから行けなくなった場合、ご祝儀は用意しようと思っていた額と同額を渡します。
当日になって欠席することになった場合は、新郎新婦様ではなく会場に連絡する方がよいです。慌ただしく過ごしている新郎新婦様にはメールを入れて、メールは送ってあることも併せて会場の担当者に伝えるとコミュニケーションがスムーズに行えます。
ご祝儀を渡すのは早い方がいいと思われがちですが、少し間を開けてから渡す方がおすすめです。式直後はハネムーンなどで忙しくしていることが多いので、様子を見ましょう。直接会えないのであれば、現金書留で送るという手もあります。
●招待状を返信するタイミングで行けなくなった場合
事前の声掛け時点では出席の意思表示をしたものの、その後都合が悪くなった場合はお祝いの気持ちとして1万円ほどを渡すのが一般的です。
料理や引出物、席順などはまだ決まっていない状態なので新郎新婦様にマイナスになることはありません。ただ、がっかりはさせてしまうので手紙やプレゼントなどと一緒にお祝いの気持ちをしっかりと伝えるのがおすすめです。
渡すタイミングは挙式1,2か月前が目安になります。また、当日は祝電も送ると喜ばれるのではないでしょうか。
●声掛けの時点で行けない
招待状を送る前段階で既に行けないことが確定している場合、ご祝儀については渡しても渡さなくても大丈夫です。新郎新婦様との仲に合わせて決めましょう。
自然と何かしらお祝いがしたいと思えたのであれば、1万円を包むのが一番負担になりにくいです。特に何も思わなかったのであれば、何もせずともマナー違反にはなりません。
その後も関係を続けたいと思えるかどうかで判断してもよいでしょう。祝電のみ送るという手もあります。
会費制のときにご祝儀は必要か?
会費制のパーティーに招待された場合に、ご祝儀を別途用意する必要はありません。新郎新婦様でご祝儀の負担を減らしたいという意図のもと、会費制を採用するケースもあります。
会費について、ご祝儀袋に入れる必要はなく財布から直接出しても問題ありません。ただ、スムーズな受付のために封筒に入れておくことがおすすめです。
どうしてもお祝いの気持ちをご祝儀として渡したい場合は、別で用意しましょう。もともとは必要のないものであり気持ちとして渡すので、いくら包むのかといった決まりはありません。
受付では会費のみ預かるので、会費とは分けておくのがポイントです。
そのため、引出物類がカットされていたり装花などもシンプルになっています。
シンプルな結婚式なので、会費も抑えられるというわけです。
もちろん、ゲストの負担を抑えるためにあえて会費制を選択する新郎新婦様もいらっしゃいます。
お祝いの気持ちを包もう
結婚式でご祝儀をいくら用意すればいいのかについて紹介しました。相場と比較していくら包むのかの判断ができましたら幸いです。
ウエディングパーティーに参加するための費用と、お祝いの気持ちとしてご祝儀を用意しましょう。
当日は幸せを新郎新婦様と共有できるといいですね。