結婚式では和装を着たいけど、あまり堅苦しくなりすぎない方がいいなぁとお考えの新郎新婦様もいらっしゃいますよね。そんなお二人におすすめなのが「和装人前式」です。和の装いで人前式という新しい結婚式を行うメリットはたくさんあります。その他に和装で行うことができる結婚式のスタイルとして神前式、仏前式があります。
本記事では、それぞれの挙式スタイルの特徴やイメージをご紹介し、特に人前式について詳しい流れや会場、演出などの情報をまとめてありますので、参考にしてみて下さい。お二人の理想の結婚式をイメージしながら読み進めていただくと、挙式スタイルも自然と決まってくるでしょう。
和婚ができる挙式スタイルとは
和婚といえば神社での神前式をイメージされる方が多いと思いますが、他にもお寺での仏前式や、和装をお召しになっての人前式など、挙式スタイルを選ぶことができます。挙式スタイルごとにどのような違いがあり、どんな意味合いがあるか知ることで、自分たちの大切にする思いと一致するかどうか考えるヒントになりますよ。
●神前式とは
日本で古くから万物に神が宿ると考えられており、その神々の前でお二人が愛を誓い合う厳かで伝統的な結婚式のスタイルです。神社で神主さんと巫女さんの進行のもとで進められます。格式や儀式を重んじる新郎新婦様におすすめで、親族同士が向かい合って座るので両家の結びつきをより重視した雰囲気になります。神前式の詳細はこちらの記事をチェックしてみて下さい。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5457/
●仏前式とは
仏前式とは、ご先祖さまに結婚を報告するスタイルの結婚式です。挙式の中で数珠を交換したり、お経をあげるなど宗教色が強く、お寺の住職さんなど仏教にゆかりのある方が選択することが多いでしょう。新郎様が僧侶の場合には、紋付袴姿ではなく仏教の正装である袈裟を着用します。仏前式についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6269/
●人前式とは
文字が表すとおり人々の前で愛を誓い合う結婚式が人前式です。神や仏という抽象的な対象に誓いをする神前式や仏前式と違い、ゲストに証人になってもらうことで結婚の誓いが成立するというスタイルで、自由度が高く、あたたかい雰囲気の結婚式になるでしょう。
自分らしさを表現して、他の人とは差別化したいという考えから人前式をしたいとお考えの新郎新婦様が増えてきました。挙式をするための専門会場や式の進行を専門職に依頼することがないため、費用も節約できるのも嬉しいポイント。
人前式の流れやできる会場
そもそも人前式はどんな場所でどういう流れで行うのか具体的なことがわからない方もいらっしゃいますよね。ここではメリットやデメリットとともに、人前式の実際の流れや人前式を執り行うことができる会場についてまとめました。
●人前式のメリット
まずは人前式のメリットを3つご紹介します。
- 自由度が高く、自分らしさを表現できる
- ゲスト参加型でアットホームな雰囲気になる
- 費用も節約しやすい
宗教上の決まりや、伝統的なしきたりなどに縛られないので、自由度が高いことが特徴的な人前式。新郎新婦様が式の流れや誓い合う方法までイチから考えて決めるので、お二人らしい結婚式ができます。挙式の内容次第で、ゲストに証人になってもらうためにサインをしてもらうなどゲスト参加型の結婚式を行うことで、ゲストにも楽しんでもらえますよ。
また、式を行う場所も自由なので披露宴の最初に行う宴内人前式では、よりアットホームな雰囲気になるでしょう。神主や牧師など挙式を執り行う専門職に依頼する費用や、挙式の会場費などがかからないので、費用を節約できるメリットもあります。
●人前式のデメリット
つづいて人前式で考えられるデメリットは以下の3つです。
- 年配者には馴染みが薄い
- こだわりすぎると準備が大変!
- 格式を感じにくい
日本では人前式は2000年代になり増えてきた挙式スタイルなので、親族や会社の上司など年配の方にはあまり馴染みがないかもしれません。ゲストの皆さまに楽しんでいただけるように、事前に人前式がどういうものか簡単なご案内があるとわかりやすいでしょう。また、自分たちらしさを表現するためにこだわりすぎると準備が大変になったり、カジュアルになりすぎて結婚式の格式を感じにくくなってしまう可能性もあります。
●人前式の流れ
人前式は決まった挙式の流れはありませんが、基本的な流れは以下のようになることが多いでしょう。
- 入場
- 開式宣言
- 誓いの言葉
- 指輪の交換
- 結婚証明書へ署名
- ゲストからの承認
- 結婚成立の宣言
- 閉式宣言
- 退場
人前式では、これをやらないといけないという決まった流れはないので、お二人で考えて自由に決めることができます。ゲストの皆さまにお二人の結婚を宣言し、認めてもらうという主旨は必要になるので、どのような方法でそれを叶えるか考えていきましょう。
ゲスト参加型の演出などいろいろと工夫したくなりますが、演出の詰め込みすぎには注意しましょう。
●人前式ができる会場
人前式はしきたりや宗教上のルールがないので、会場も制限はありません。チャペルやガーデン、レストランやホテルなど、どんな会場でも結婚式を執り行うことができます。チャペルではキリスト式の十字架を取り外すなど、宗教色のない会場セッティングに変更して行います。
和装人前式だからできること
人前式の流れや会場がわかってきたところで、続いては和装で行う人前式の詳細をみていきましょう。自由な人前式に和の要素をちりばめた特徴やメリット、デメリットについてご案内します。
●和装人前式の特徴
和の雰囲気でありながら厳かな空気になりすぎず、和やかな結婚式を挙げることができます。和装での人前式では、結婚式の流れの中で三々九度など伝統的な儀式を入れつつも、ゲストに結婚の承認サインをもらうなどの演出も行うことができ、伝統と流行の両方を同時に取り入れることができます。たくさんの結婚式に出席してきたゲストの目にも、新しい結婚式の形を知っていただくことができるでしょう。
●和装人前式のメリット
神前式ではブーケを持つ余裕はないですが、和装の人前式ではブーケを持つことができます。また、挙式の流れも自分達で考えるので、神前式と仏前式のいいとこどりな演出も可能です。他にも会場に制約がないので洋風な会場でも大丈夫ですし、ドレスよりも和装の方が比較的安く済むというメリットもあります。
●和装人前式のデメリット
人前式というスタイルは増えてきていますが、和装での人前式はまだまだゲストや親族に馴染みがない可能性もあります。また、会場に制限はなく洋風な会場でもOKとは言え、やはり和装に合う会場かどうかは検討した方がよいでしょう。
和装人前式で着る衣裳について
和装人前式では、衣裳についても自由なので決まりから外れた衣裳を着ることができるのも魅力のひとつです。いろいろな選択肢があるので迷ってしまうかもしれませんが、どんな花嫁になりたいか理想の姿に合う衣裳を選べるといいですね。
●白無垢
結婚式といえば白無垢というイメージで、和婚の衣裳として広く知られていますよね。日本で最も古くから着られている婚礼衣裳で、打掛はもちろん掛下や小物まで全て白で仕立てられています。最も格式が高いとされ、清らかで厳かな佇まいの花嫁衣裳です。
●色打掛
古くはお色直し用の衣裳として色のついた打掛を着たことに由来しますが、現代は白無垢と同格に挙式でも着用できる婚礼衣裳です。金糸の刺繍や染め、織りの華やかな柄があり、祝い事にぴったりです。
●黒引き振袖
身丈が長く裾を引きずって着る婚礼用の振袖です。白無垢や色打掛にくらべて軽く動きやすいのが特徴で、帯を見せて着ることができます。黒は格式が高い色とされ、江戸末期から昭和初期にかけて主流となった婚礼衣裳です。
●振袖
未婚女性の第一礼装とされ、身丈と同じくらい長い袖を「振る」のが特徴の着物です。現代では主に成人式に着ることが多いですが、結婚式で未婚の最後に着るという人もいます。
●オリエンタル和装
オリエンタル和装は、振袖を縫ったり切ったりなどの加工をせずに、ドレスのように着ることができる着付け技術のことです。祖母や母から譲り受けた着物や成人式に着た振袖など思い出の品を、結婚式の時にがらっとイメージチェンジさせて華やかに着ることができます。着付けの対応が可能な人が限られているので注意が必要です。
●ブーケについて
神前式ではブーケを持たないことが基本ですが人前式では持っていてもOKです。鞠のようなボールブーケや扇子の手元に飾りをつけた扇子ブーケなど、和の装いに合わせたブーケをご用意すると可愛らしいでしょう。和風ブーケについてはこちらの記事も参考になりますので、チェックしてみて下さいね。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/4485/
●新郎は紋付袴
新郎様は新婦様の和装に合わせて、紋付袴を着用します。黒や白だけでなく、藍色やブラウンなどの色紋付やグラデーションカラーの袴などおしゃれな物もあります。また、頭にハットをかぶったり、襟元にマフラーを合わせるなど大正ロマン風の着こなしをして、人前式の自由な雰囲気に合わせてコーディネートを楽しむ新郎様もいらっしゃいます。
和婚におすすめの演出
和装での結婚式だからこそ映える演出や人前式だと自由に取り入れることができる演出などをご紹介していきます。
その他、和の演出についてご紹介している記事のリンクはこちらです。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/3804/
●三々九度
『三献の儀』といわれ、小・中・大の3つの盃を使って、新郎新婦様がお神酒を順番に飲み交わす儀式です。ひとつの盃で共にお神酒を飲むことで強い信頼関係が生まれるという意味合いがあり「夫婦固めの盃」とも呼ばれます。
●筥迫の儀・懐剣の儀
母親に嫁入り前のお支度として、筥迫と懐剣を胸元に入れてもらう儀式のことです。筥迫とは江戸時代に武家の娘が懐に入れていた化粧ポーチのようなもので鏡や口紅などを入れていました。懐剣は身を守る道具として同じく懐に忍ばせていた短い刀です。災いから身を守る、魔除けの意味合いがあります。
●紅差しの儀
花嫁の最後のお支度として、母親に紅を差してもらう儀式のことです。新婦様が幼い頃、服を着せ髪をとかし娘の身支度を整えてきた母親が最後にしてあげる身支度です。「幸せになってね」と娘を思う母の気持ちが込められています。
●和風の結婚証明書
結婚証明書も和風テイストにすると和装の人前式とマッチするでしょう。長い1枚の紙にゲストに署名してもらい巻物風にしたり、傘連判風に円状の署名をもらうのもユニークですね。また署名をいただくのではなく指で朱色の押印をしてもらうというのもいいかもしれません。
●折り鶴シャワー
式後の演出としてフラワーシャワーを行うことが多いですが、和装での結婚式では折り鶴シャワーがおすすめ。千代紙で折った鶴が舞う姿は和の雰囲気にぴったりです。また鶴は夫婦円満の象徴なので縁起も良いですね。
●和風のリングピロー
人前式では、桐箱や升など木製のボッグスに和柄の布でクッションを敷いたり、紅白の組紐やちりめん細工のお花などを飾り付け、和の雰囲気に合わせたリンクピローをご用意される新郎新婦様も多いですよ。和のリングピローは他にもこちらの記事に詳しく載っていますので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/4543/
和装人前式で理想の結婚式をあげよう
和装で人前式という新しい結婚式のスタイルをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。和の厳かで伝統的な雰囲気と自由な雰囲気のいいとこどりができる和装人前式。和装の種類も制限なく選ぶことができ、白無垢、色打掛の他にも振袖やオリエンタル和装など人前式ならではのお衣裳もおすすめです。
式の流れや会場も全て自由で、決めることがたくさんあるので準備は大変かもしれませんが、お二人でイチから考えて作り上げる和装人前式は達成感があり、夫婦の絆をより強くしてくれるでしょう。