結婚式に招待されたらお祝いの気持ちを表すご祝儀の準備もします。
しかし、慣れない結婚式の場でどのようにご祝儀を渡してよいのかとマナーの不安を感じることもあります。
結婚式当日、式場に行って必ず行うことは「受付でご祝儀をお渡しすること」です。
袱紗(ふくさ)からご祝儀を出して渡し、芳名帳(ほうめいちょう)に名前を書いて……と慣れないことばかり。
この記事では、ご祝儀の渡し方を知りたい方や不安を感じている方に向けて、ご祝儀の渡し方のマナーをお伝えします。
結婚式でご祝儀を渡すタイミング
ご祝儀を渡すタイミングは、新郎新婦との関係性によって変わります。
押さえておくべきポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
お呼ばれゲストとして出席する場合
お呼ばれゲストの場合は、結婚式当日にご祝儀を持参し、受付で直接渡します。
渡すタイミングは、挙式もしくは披露宴が始まる前です。
新郎新婦と深いお付き合いがあり結婚式当日よりも前に会う機会がある場合は、その際に直接ご祝儀を渡しても良いです。
その場合は受付の方に「すでに新郎新婦にご祝儀をお渡ししています。」と伝えてください。
親族としてとして出席する場合
親族として渡す場合は、一般的に結婚式当日よりも前に新郎新婦もしくは親御様に会い、直接渡します。
渡す日は、日柄の良い「大安か友引」が望ましいとされています。
住まいが遠方だったり、都合が合わない場合は、ご祝儀を結婚式の当日に持参しても構いません。
渡すタイミングは受付で渡しても良いですが、可能であれば直接親御様に渡せるとさらに良いでしょう。
受付係として出席する場合
受付係のタイミングは、受付が始まる時間の前に自分のご祝儀を出して、事前に済ませておくと良いです。
受付が始まると混雑し始め、受付係はゲストの対応でとてもいそがしくなります。
受付が終わった後にご祝儀を出そうと思っていても、うっかり忘れてしまうこともあります。
受付が始まる前の時間のタイミングが安心ですね。
ご祝儀袋の準備方法
ご祝儀はご祝儀袋に入れて渡しますが、そのご祝儀袋の準備方法にもルールがあります。
マナーに則ってご祝儀は用意しましょう。
ご祝儀袋の選び方
ご祝儀袋を選ぶ際には、結婚式という場に相応しいデザインを重視することがポイント。
婚礼用のご祝儀袋は、その他の出産祝いや入学祝いなどのご祝儀袋とは異なります。
婚礼用のご祝儀袋の特徴を参考に、正しいものを選んでください。
- 水引きか結び切りかあわじ結びである
- のしが付いている
ご祝儀袋が買える場所については以下の記事で紹介しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6600/
▼水引きが結び切りかあわじ結びである
婚礼用として選ぶべき水引は「結び切り」が一般的です。
この結び方は、一度結んだらほどけないことから「繰り返さない」ことを象徴し、「一度きりのお祝い」や「永遠の結び付き」を意味します。
通常、赤白や金銀などの色で10本1組になっているのが婚礼用です。
▼のしが付いている
婚礼用のご祝儀袋には必ず「のし」が付属します。
のしは、祝いごとの贈り物であることを表し、結婚式のような慶事では外せない存在です。
ご祝儀袋の書き方
ご祝儀袋は買って終わりではなく、表の包みや中袋に名前などを記入する必要があります。
書き方にもマナーがあるので注意しましょう。
文字の位置やバランスに気を配り読みやすく美しい文字で書くことで、気持ちが伝わります。
ご祝儀袋の書き方について詳しくは以下の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6540/
▼毛筆か筆ペンで書く
ご祝儀袋には適切な筆記用具を選ぶことが重要です。
正式なものには格式高い毛筆や筆ペンを使います。
毛筆を使うと、伝統的な格式の高さを感じさせる仕上がりに。
一方で筆ペンは扱いやすく、手軽に毛筆の筆跡で書けます。
いずれの筆記用具を選ぶ場合でも、丁寧な文字で書くことによりご祝儀袋の印象がより良いものになるでしょう。
▼表書きの書き方
結婚式で使用するご祝儀袋の表書きには、「寿」「御結婚御祝」などの文言が適しています。
特に、「寿(壽)」はシンプルかつ格式高い印象を与え、どのような結婚式でもOK。
「Happy Wedding」などの英字も、親しい間柄のカジュアルな結婚式などで使われることもあります。
表書きは、ご祝儀袋の顔ともいえる部分。
状況や関係性に応じて適切な表現を選びましょう。
また、ご祝儀袋に記載する名前についても人数によって書き方が異なります。
一人の場合 | フルネームを中心下部に書く |
二人の場合 | ・代表者の名前を中心に書き、2人目の名前を左側に書く ・二人の名前をバランスよく中央に書く |
三人の場合 | ・代表者の名前を中心に書き、2人の名前を左側に書く ・三人の名前をバランスよく中央に書く |
四人の場合 | 代表者の名前を中心下部に書き、左にその他一同と書く 「その他家族一同」「営業部一同」など |
▼中袋の表面の書き方
中袋の表面には、贈る金額と贈り主の名前を記入します。
金額を記載する際は、縦書きで大字を用いるのが一般的です。
贈り主の名前は表書きと同じように書くことを心がけましょう。
以下の表に3万円、5万円、7万円、8万円、10万円の記載例を紹介します。
中袋に記載する際の参考としてお役立てください。
▼ご祝儀金額の書き方例(縦書き)
金額 | 記載例 |
3万円 | 金 参萬圓 |
5万円 | 金 伍萬圓 |
7万円 | 金 七萬圓 |
8万円 | 金 八萬圓 |
10万円 | 金 壱拾萬圓也 |
▼中袋の裏面の書き方
中袋の裏面には、贈り主の情報を記載します。
贈り主の名前と住所を中袋の左側に書き添えましょう。
筆で書きにくい場合はボールペンで書いてもOKです。
ご祝儀袋に包む金額
ご祝儀袋に包む金額は、新郎新婦との関係性や自分の年齢、立場、地域の慣習によって異なります。
失礼のない金額を包むことはもちろん、新郎新婦への思いやりを込めて準備しましょう。
▼友人は3万円?
友人として結婚式に出席する際のご祝儀の相場は、3万円です。
感謝やお祝いの気持ちをより表すために3万円よりも少し多めに包むこともあります。
▼上司は5万円?
上司からのご祝儀の相場については、一般的に5万円とされています。
ただし、職場での慣習なども加味して調整することがポイント。
職場での信頼や良好な関係を保つためにも、ご祝儀の準備には十分な気配りを心がけることが重要です。
▼夫婦や家族で出席する場合
夫婦や家族で結婚式に出席する際、参加人数に応じた金額を考えることがポイントです。
夫婦二人で出席する場合は5万円から10万円程度が相場で、付き合いの深さによって金額が変わります。
子どもが一緒に出席する場合には、子どもの年齢に応じた金額を加えるのがマナー。
小学生以下の子どもであれば、1,000円から5,000円程度を追加するケースが多いです。
一方、中学生以上の子どもとなると成人と同じ扱いを受けることもあるため、1万円から2万円程度を上乗せするのが一般的。
家族全体での金額が奇数にならないよう調整して用意しましょう。
子連れでの結婚式マナーについては以下の記事で解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/9075/
受付でご祝儀を渡す流れ
結婚式の当日に大切なご祝儀をどのように受付で渡せばよいのか、不安に感じることもあるでしょう。
ご祝儀は新郎新婦に向けた大切なお祝い金です。
当日は迷うことないようにご祝儀をお渡ししたいですね。
当日の受付の流れとマナー
結婚式は日常の雰囲気と違って、少し緊張感を感じることも。
式場に到着したあとの、受付前の過ごし方や受付の流れのマナーについて順に詳しく解説します。
- 結婚式場に到着
- クロークに寄る
- 挨拶の言葉を一言交わす
- 袱紗からご祝儀を取り出して渡す
- 芳名帳に記名する
- 席次表などを受け取り、開宴を待つ
1.結婚式場に到着
結婚式場への到着は、時間ギリギリではなく余裕を持って行動しましょう。
そのため集合時間もしくは受付開始時間の20分前には到着していることが望ましいです。
新郎新婦にとって大切な記念日となる結婚式での遅刻は厳禁です!
結婚式場の到着時間については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/8551/
そして式場に到着したら、まずは身だしなみを整えることから始めます。
移動中に髪型やメイクが崩れてしまうことも。
身だしなみを整えることはとても大切ですね。
2.クロークに寄る
結婚式は何かと荷物が多くなります。
集合時間の近くになると式場のクロークはとても混雑しますので、早いうちに不要な荷物や上着などを預けましょう。
クロークの場所は、会場の正面に入って近くのすぐに見つかりやすい場所にあります。
貴重品はクロークに預けることができません。
自分で保管をするか、式場によっては専用の貴重品用コインロッカーがある場合もあります。
クロークについては以下の記事が参考になるでしょう。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7243/
3.挨拶の言葉を一言交わす
受付では「この度はおめでとうございます」と、お祝いの言葉をご祝儀と一緒に添えるとスマートです。
受付係が親しい友人だからといって、大きな声で盛り上がったりするのはマナーに反します。
他の方の迷惑にもなりますので、礼儀正しく対応しましょう。
ロビーや受付に両親や親族がいる場合は、挨拶とともにお祝いの言葉を添えると良いでしょう。
その場合「本日はおめでとうございます。」と伝えると、とても喜んでいただけます。
4.袱紗からご祝儀を取り出して渡す
ご祝儀は新郎新婦へ贈る大切なお祝い金なので、渡すときは丁寧に扱います。
まずは、受付で袱紗(ふくさ)と呼ばれる布の包みからご祝儀を取り出します。
▼袱紗の開き方
- 自分から見て右側に開くように袱紗を持ち、開きます。
- 裏側に袱紗を折り返したあと、同じように下側を開き、折り返します。
- 右手でご祝儀を出し、袱紗の上に乗せます。
- 時計回りに受付側に向きを変え、両手でご祝儀を渡します。
受付係には必ず両手で持って手渡します。
ご祝儀を渡す時は受付係の方からご祝儀ののし書きの文字が読めるように、正面に向けてお渡しします。
5.芳名帳に記名する
次に芳名帳(ほうめいちょう)と呼ばれる冊子に住所と名前を記帳します。
記帳する際は、落ち着いて丁寧な文字で書くことが大事です。
後ろに人が並んでいるからと焦る必要はありません。
芳名帳の種類には、当日に記入する冊子以外に事前に記入して当日持参するカードタイプがあります。
この場合は、招待状にカードが同封されていますので、あらかじめ記入し当日提出するだけなので、簡単です。
ゲストカードについて詳しく解説した記事もあるので、参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/11410/
6.席次表などを受け取り、開宴を待つ
記帳した後は、受付係から席次表が渡されます。
席次表で自分の席を確認しましょう。
その他に、どのような方々が出席しているかを知ることもできます。
新郎新婦のプロフィールや列席ゲストの紹介が記載されているものも多いです。
この時間に目を通しておくと良いですね。
席次表を受け取ったら、受付は終了です。
あとは挙式披露宴の開宴を楽しみに待ちましょう。
受付での流れについて詳しくは以下の記事でも解説しています。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7363/
袱紗(ふくさ)に包んで渡す
結婚式では、ご祝儀を汚れや折れから守る袱紗(ふくさ)に包んで持参します。
袱紗は、普段使い慣れないものなので、使い方について分かりやすく解説します。
結婚式で使う袱紗の色は、赤・オレンジなどの暖色系です。
▼ご祝儀袋の包み方
- 袱紗をひし形になるように広げて置きます。
- 袱紗の中心から左側にご祝儀を置きます。
- 左→上→下の順にたたみます。
- 最後に右側をたたみ、はみ出た部分は裏側に折り込んで完成です。
▼袱紗がない場合の対処法
袱紗を持ち合わせていなくても大丈夫。
その際はハンカチで代用が可能です。
ご祝儀をむき出しのまま渡すより丁寧な印象になります。
色は暖色系か白を用意し、しわや折り目がないように、アイロンがけをしてください。
シンプルなチャーム付きのヘアゴムで留めるとバッグの中でハンカチが開かず安心ですね。
渡し方は袱紗の場合と同様です。
以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/7142/
まとめ:結婚式のご祝儀とマナーを完璧に
以上、結婚式のご祝儀と基本的なマナーのご紹介でした。
慣れない結婚式の列席なので何かと不安もあるかと思いますが、正しいマナーを知れば大丈夫です。
お伝えしてきたポイントを押さえ、時間に余裕を持って、落ち着いて行動すれば問題はありません。
やるべきことが無事に済んだら、その後の時間は余裕を持って過ごせますね。
当日はスムーズに受付を済ませ、新郎新婦を盛大に祝福し、楽しい時間をお過ごしください。