結婚式の招待状は口約束やLINEと違い、正式なパーティーへの招待です。そのため返信ハガキにもマナーが存在します。
初めて見ると戸惑う部分もあるでしょう。本記事では元ウエディングプランナーが新郎新婦様の目線も絡めながら、返信の仕方について解説しています。
出席に〇をした後は当日に向けて準備を始めましょう。初めの1歩を共に踏み出す記事です。さっそくペンを持ち返信を書いてみてください。
返信は早い方が助かる
新郎新婦様から招待状が届いたら1週間以内に返信しましょう。
返信期日が1か月後でもすぐに返事を出してください。招待状が正式な招待となり、これへの返信をもとに料理や引出物の発注を行うためです。
事前に声をかけられていることが多いですが、出席が分かっているのであればすぐに返信を書きましょう。
●出席の場合
出席の場合は受け取ってから2日〜3日以内に返信ハガキを投函します。返信が遅いと「やぱり行きたくないのかな?」「忘れられているんじゃ?」と新郎新婦様を不安がらせてしまうでしょう。
●欠席の場合
都合がつかず欠席になる場合は、1週間ほど経ってから返事を出します。それまでにどうにか出席できないか検討してみてください。
欠席が決定事項であっても1週間ほど間を開けます。すぐに欠席の連絡をしてしまうと「どうしても行く方法はないのかと悩みすらしなかったのかな」と新郎新婦様を悲しませる可能性があるからです。どうにか行く方法はないのか探す努力をしたということを表すためにも時間を置きます。
●すぐに返事ができない場合
当日の予定が不透明ですぐに返事ができない場合は、ひとまず新郎新婦様に連絡してください。1週間経っても返事がないと新郎新婦様の気がかりになってしまうので、すぐに返事ができない旨といつまでに返事ができそうかを伝えます。
返信期日までに出欠席を確定させることが難しそうであれば、欠席で提出しましょう。新郎新婦様をお祝いする方法は、当日の式に参加することだけではありません。別の方法でのお祝いも考えてみてください。
【出席の場合】基本の書き方
出席の場合、新郎新婦様が知りたいのはアレルギーと特別対応についての情報です。正確に細かく伝えると手間をかけさせずに済みます。
マナーがなっていなくても返信ハガキとしての役割は果たせますが、他のゲストと並べられた時に目立つのでしっかり抑えておきましょう。
●基本の書き方
まず記入する文字は黒色で太く濃く書きます。そのためシャーペンや鉛筆は使用しないでください。ボールペンは使用してもよいことになっていますが、毛筆・万年筆のほうが好ましいです。
二重線で消す文字ですが、自分に向けられた敬称を消します。「御」と御芳名の「御芳」です。消す際は定規でまっすぐに線を引きましょう。1文字の場合はななめに、2文字以上の時は垂直・水平に線を引きます。
続いて新郎新婦様に付ける敬称を直しましょう。「行」や「宛」になっているので二重線で消した後「様」に直します。
メッセージを入れる際は句読点、忌み言葉を入れないように気を付けましょう。
●出席だと分かるように
出席する場合は「御欠席」の文字を丸ごと二重線で消してください。出席の文字に〇を付け、「慶んで出席させていただきます」の1文を添えるとなお良いです。
空いたスペースやメッセージ欄にはぜひお祝いのメッセージを入れてみてください。招待された側も結婚式を楽しみにしていることが伝わると、新郎新婦様に喜ばれます。
ご結婚おめでとうございます
ご招待いただき大変光栄です
当日を楽しみにしております
●アレルギー欄について
アレルギーを持っている場合は返信ハガキにその旨を記載しましょう。細かく書いてあると新郎新婦様とのやり取りの手間を減らせます。
食材名だけでなく、調理方法によっては食べられる場合はそれについても記載があるとスムーズです。全く食べられない場合も明記しておきましょう。コース内容について考える時に必要です。
食材についてだけでなく、何か要望がある場合も一緒に書き記しておきます。例えば足が悪いためスペースを広めに取ってほしい、子どもがいるのでドアの近くがいいなどです。
これらのメッセージにも目を通し、席次表の作成、特別対応の有無を新郎新婦様は考えることになります。
【欠席の場合】返信ハガキの書き方
欠席しなければならないときは、新郎新婦様への申し訳ない気持ちを忘れずに書きましょう。招待状を用意することも、返信ハガキの切手代もタダではありません。気持ちを込めて返事をすれば、新郎新婦様もがっかりしすぎることはないでしょう。
●欠席だと分かるように
欠席する場合は「御出席」の文字を丸ごと二重線で消し、「欠席」の文字に〇を付けます。氏名・住所は欠席であっても記入してください。
●不祝儀以外は理由を述べる
メッセージ欄や空いたスペースには、お詫びとお祝いのメッセージを書きます。その際に欠席する理由も書き添えますが、不祝儀(弔事・忌中)の場合は理由をぼかすのがマナーです。
言わない方がいい理由のときも曖昧なままにしておくのが、大人のやり方ではないでしょうか。
ご結婚おめでとうございます
せっかくお招きいただきましたが
やむを得ない理由により 残念ながら欠席とさせていただきます
お二人の末永い幸せをお祈りしております
【連名の場合】返信ハガキの書き方
連名で招待された、返信ハガキの宛先が連名になっている時はそれぞれで注意点があります。
各パターンにおける対応について目を通した上で、返信を書いてみてください。
●全員出席の場合
招待された全員で出席ができる場合、名前は全員分を書きます。また、メッセージには全員で行きますというような一言を添えるとなお良いでしょう。
全員分の名前がないと、名前がある人のみ出席だと思われてしまいます。また、メッセージがあることでちゃんと全員で来てくれるんだと新郎新婦様が安心できるのではないでしょうか。
●欠席者がいる場合
全員では出席ができない場合、出席に〇をして出れる人の名前のみ書きます。メッセージにて、出席できない人がいることを書き込みましょう。
ご結婚おめでとうございます
あいにく妻は所用のため
夫 ○○のみ出席させていただきます
お二人の晴れ姿を楽しみにしています
●子どもがいるとき
子どもの名前も入れて招待されている時は子どもの名前も書いて投函すれば大丈夫です。
新郎新婦様がお子様の名前を知らない場合や人数が多い場合、夫婦名に続いて「ご家族様」とまとめられていることがあります。返信では全員分のフルネームを記入すれば、新郎新婦様も名前を知ることができるでしょう。
返ってきたハガキの名前を見て席次表を作成するので、丁寧に書いてください。
名前がない時は新郎新婦様に相談しましょう。何も聞かずに返信ハガキでいきなり子どもの参加を知らされても、対応しきれない場合があります。
誰かに預けることも視野にいれつつ、連絡してみてください。
●送り主名が連名のとき
「行」「宛」を消すのは同じですが、「様」を二人分書き入れることを忘れないように気を付けましょう。
欠席するときは別の方法でお祝いしよう
招待状までもらっているのですから、何かお祝いをしたいと思うのは自然なことです。関係性にもよりますが、事前にお祝いの気持ちとしてご祝儀を1万円ほど包むのがよいでしょう。
●事前にご祝儀を渡す
ご祝儀は手渡しが基本です。直前すぎると結婚式の準備でバタバタしているので、1か月前までを目安に渡しましょう。1週間を切っている場合は式後が無難です。
金額は1万円以上が目安となります。ただ、出席と回答した後に欠席になったなど、新郎新婦様に迷惑がかかっている場合は当日持参しようとしていたご祝儀を目安に用意しましょう。
直接の手渡しが難しい場合は、現金書留を使い郵送します。郵送する場合や包む金額については以下の記事も参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6528/
●祝電
当日出席できなかった人から届くものといえば祝電です。風船付きやぬいぐるみ付など、可愛らしく華やかな祝電も選ぶことができます。
送る場合は早めに手配しましょう。祝電は当日、新郎新婦様が確認されどれをどの順番で読むかを決めます。当日の早い時間か数日前には届くように手配するのがおすすめです。
●プレゼント
夫婦で使えるプレゼントや新居で活躍しそうなアイテムなど、これからのお二人を応援するようなものも喜ばれます。形に残るものを贈りたい場合や、気負わせたくないときにおすすめです。
よくある質問
●回答後に行けなくなったがどうしらいいか
招待状で出席と回答した後に、やむを得ない理由で欠席せざるを得なくなることも0ではありません。当日の朝に行けなくなることもあります。
そんな時は新郎新婦様にすぐ連絡してください。料理や引出物の変更がまだ間に合う可能性もあるので、早ければ早いほどいいです。
当日の欠席連絡のみ新郎新婦様への連絡はメールのみにして、会場に直接連絡してください。
欠席が判明した時点にもよりますが、お詫びの品とお祝いの気持ちを新郎新婦様に伝えることも忘れないようにしましょう。
●返信を忘れていた。今からでも間に合うか
思い出した時点で新郎新婦様に連絡してください。返信ハガキもすぐに投函しましょう。新郎新婦様からすれば間に合わせるしかないので、連絡は早ければ早いほどいいです。
●行きたくない。なんて書けばいいか
言いにくいことまで言う必要はありません。ぼやかして書けば新郎新婦様もわざわざ突っ込んでくることはないでしょう。
以下のように「所用」「やむを得ない理由」といった文言で回答すれば大丈夫です。
ご結婚おめでとうございます
せっかくのお招きですが あいにく所用があるため
残念ながら欠席とさせていただきます
お二人の幸せを心からお祈り申し上げます
当日に向けて準備を始めよう
招待状で出席と回答したら、いよいよ参加に向けて準備を始めていきましょう。早めの用意が肝心なものもあるので、直前に慌てないよう計画を立ててみてください。
●持ち物
結婚式ならではの持ち物としてご祝儀や袱紗、クラッチバッグなどが挙げられます。持っていない場合は早めに準備するとよいでしょう。
お祝いの席で使用するものなので、百貨店でいいものを探してみてはいかがでしょうか。当日の持ち物については以下の記事が参考になります。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/5304/
ご祝儀のマナーについては以下の記事を参考にしてみてください。
URL: https://www.kekkonshikijoerabikata.com/6540/
●交通・宿泊手配
高額な交通費がかかる見立てであったり、宿泊が必要な場所での開催の場合もあるでしょう。リゾート地の場合、早めに予約しないと空きが埋まってしまうこともあります。
新郎新婦様から特に案内がない場合、お車代が出る確立は半々くらいに思っておきましょう。全額自分の負担になる可能性についても考えながら準備するのがおすすめです。
「手配は自分でしちゃってよかったかな」とさりげなく聞いてみるのも手の1つです。
まずは正しい返信から
結婚式の招待状の返信について解説しました。結婚式へのわくわくした気持ちを味わえるのが返信ハガキではないでしょうか。
まずは正しい返信の仕方で返信を出し、当日に向けて準備を始めましょう。決まり事の多いイベントではありますが、全て新郎新婦様のためです。
お二人の幸せな笑顔のためにも、不足ない返信ハガキを投函してください。